快読日記

日々の読書記録

「日本人の知らない日本語」蛇蔵 & 海野凪子

2009年10月22日 | 言語・文芸評論・古典・詩歌
《10/20読了 メディアファクトリー 2009年刊 【日本語 漫画】 へびぞう(構成・漫画) うみの・なぎこ(原案) 》

日本人に日本語を教えるのだって大仕事なのに、外国人に教えるなんて。
特に驚いたのは、日常会話だけでなく、変体がなや漢字の音訓にまで話が及ぶこと。
過不足もなくて簡潔な、わかりやすい説明でした。

各国から来た生徒のバイタリティにも圧倒されます。
生まれ育った国を出て、他国の言葉や文化・慣習などをイチから覚えるなんて……考えてみると大冒険です。
こういう人たちと接するのは刺激的で楽しそう。
学ぶ意欲に満ちた人にものを教えるというのも幸せな経験ですよね。

でも、日本は現在、そんな貪欲で生命力にあふれた人たちと政治や経済などの場面で競っているんだから、しんどい話です。

そんなもろもろを考えながら読みました。

欲を言うなら、所々目につく漫画家の手書き文字の間違い、あれは何とかしてほしかったかな。

ベストセラーになるほど多くの人に読まれるようなものかと問われると疑問ですが、どんな人たちが読んだのかはちょっと気になります。