Tokai University Kihara Lab

・・・研究室の活動記録・・・?

先生 マルタでいったい何してるの? その1

2009-05-31 04:58:25 | 木原より
先生 いったい何してるの? ってウチの学生に言われそうなのですが...
(「その1」 で始まりましたので きっと続編があります)

夕方(明るいですが 日没は8時近いですから)、マルサシュロックの港を散歩していたら、エイをさばいている魚屋さんを見かけました。横に魚屋だと表示してあるトラックがあったから魚屋さんでしょう。
おもしろいですね。公共の?水槽? 流し?。でも、食材と一緒におじさんの足も漬かってんだよなぁ。。


うまく皮をはいで、ヒレだけを売ってました。
北海道では「カスベ」として売っていてポピュラーです。わが家でも、たっぷり山椒の実を入れて煮付けにして食べます。
マルタでも食べるのですね。驚きました。で、どうやって食べるのか?別なことに気をとられていて聞きそこねました。
その別なこととは.....


実はサメやエイなどの軟骨魚類には「らせん腸」というおもしろい構造を持った腸があります(魚類学の授業でも話をしていますね)。
おじさんにお願いしてバケツの中の腸を出してもらいました。


矢印のところがらせん腸です。調子が出てきたのでその場にいた人たちにレクチャーしました。

らせん腸の中にはらせん状のひだがあって(うっすらと線が見えますね)、消化吸収面積をひろげ、食物の通過時間をかせぐことに役立っています。私たち哺乳動物の腸にはありません。
サメやエイにはうきぶくろがなくて、浮力を得るために油分の多い大型の肝臓(サメ肝油ですね)を持っていますが、この肝臓は体重の20〜30%の重さになります。
おそらくこの大きな肝臓のスペースをおなかの中に確保するために、長い腸ではなく短い腸の中にらせん構造を発達させ機能的な長さを確保するという、軟骨魚類独自の消化戦略をとったものだと考えられます。(って、たぶんこんな風には言えていない。。)

おじさんが腸を持っていくか?と聞くので、丁寧にお断りしました。
隣にいた観光客の女性が「Eat Sashimi?」と聞くので、Yes, you should try! とは言わずに天ぷらと答えておきました。

それにしても地元の人はどうやって食べるのでしょう。
今度聞いてみよう。

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