轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

シトロエン C6

2006-12-08 19:29:39 | CITROEN
助手 「カーオブザイヤーのインポート部門にシトロエンのC6が選ばれましたね。」

所長 「そうみたいじゃな。」

助手 「雑誌なんかの評価もいいみたいですね。」

所長 「そうみたいじゃな。」

助手 「いかにもシトロエンというカタチですし、期待出来そうですよね。」

所長 「そうじゃな。」

助手 「さっきから『そうじゃな』しか言ってないですけど、どうしたんですか。」

所長 「まったくお前の言うとおりじゃから、そうとしか言えんじゃろ。大体まだ走っとるのを見たこともないんじゃから、言いようがないしの。」

助手 「ボクもまだ見てませんけど、写真で見た感じでもいいんで、なんか言って下さいよ。」

所長 「うーん、そうじゃな。まず非常にわかり易いクルマじゃな、マークを見んでもシトロエンのクルマとわかるじゃろ。」

助手 「そうですね。往年のCXを彷彿させるカタチですからね。」

所長 「これはいいことじゃと思うんじゃ。変に新しいイメージをとって付けるよりも、今までの歴史や財産を上手く使う方が遥かにいいしの。」

助手 「でも先祖帰りやレトロなデザインって最近多いじゃないですか。」

所長 「じゃがC6の場合、ただ単に昔を懐かしむデザインじゃなくって、現代でも十分通用するモンじゃろ。ま、それだけこれまでのシトロエンのデザインが、時代の流れに左右されない優れたモンじゃという証じゃろ。」

助手 「それは言えてますね。」

所長 「それにC6は、単にCXのデザインを現代風にアレンジしただけじゃないじゃろ。新しいクルマとしての魅力もちゃんと備えとる。そういうところが評価されとるんじゃろ。」

助手 「確か所長、前にC5がマイナーチェンジしたときに、新世代のシトロエンはいかにもシトロエンって感じのクルマに見えるって仰ってましたよね。」

所長 「ああ、シトロエンがつくったって感じじゃなくって、PSAがプジョーの兄弟車としてシトロエンらしいカタチにしとるって言うた話しじゃろ。」

助手 「そうです、そうです。じゃあ今度のC6にも当てはまるんじゃないですか。」

所長 「もちろん今でもそう思っとるし、今度のC6にしてもそうじゃ。じゃがそれで困ることなんてなんにもないじゃろ。」

助手 「え、どういうことですか。」

所長 「要するにPSAがシトロエンを売るための手法として過去のシトロエンらしさを演出し、お客がそれを望んどるんじゃったら何も問題がないということじゃ。」

助手 「それはそうですね。」

所長 「雑誌なんかを見る限り、従来のシトロエンのファンにも受けいられとるようじゃし、従来のお客をないがしろにするようなモデルチェンジよりよっぽどいいじゃろ。」

助手 「そうですか。じゃあ新世代のシトロエンは成功ですね。」

所長 「それはどうじゃろうな。」

助手 「どういうことですか。」

所長 「評判がいいのと商売は別モンじゃからな。ヨーロッパじゃどうかは知らんが、日本では難しいじゃろう。」

助手 「どうしてですか。」

所長 「評価するときはどのクルマも同じ1台じゃが、実際の販売は市場の規模に左右されるということじゃ。つまりベンツやBMWを選ぶモンが何十人もおって、シトロエンを選ぶモンが一人ぐらいしかおらんと言うことじゃ。」

助手 「でもボクなんかからすると最近の高品質、高性能化が著しいドイツ製高級車とは違った魅力を感じるんですけど。」

所長 「目的地まで早く快適に移動することを追及したクルマと、移動時間そのものを有意義に過ごすことを目的としたクルマとの差じゃな。」

助手 「そうそう、そういうことが言いたかったんです。所長、上手いこと言いますね。」

所長 「お前に褒められても嬉しくもなんともないわ。」

助手 「そういうモノを求めるヒトも結構いると思うんですけどね。」

所長 「確かに居るんじゃが、市場を形成するほどじゃないんじゃ。じゃがDSやCXなんかよりも敷居は随分と低くなったのも事実じゃけどな。」

助手 「でしょ。」

所長 「じゃが、このクルマに700万円もの大金をポンッと出せるのは、よっぽどの金持ちの道楽モンに限られてしまうじゃろ。ベンツには1千万以上出せるヤツが大勢いるのにな。」

助手 「・・・。」

所長 「それがブランドの差であり、市場というモンなんじゃ。じゃからC6が日本で売れるようになるには時間が掛かるんじゃ。それまでシトロエンが知名度と信用をどれだけ高められるかが問題なんじゃ。」

助手 「・・・はい。」

所長 「それが今までのようにすぐ故障するとか、乗り手を選ぶとか、ネガティブな印象を与えてしまったら、いつまでもマニアのモンから広がらんのじゃ。」

助手 「・・・現実は厳しいですね。」

所長 「そういうことじゃ。じゃがお前が言うように今までのドイツ車では飽き足らんモンや古いシトロエンからの乗り替えも期待できるじゃろうし、フランス車のビッグサルーンでは久々のヒット車になるんじゃないか。」

助手 「やっぱり所長もそう思われますか。」

所長 「あくまでもフランス車としては、じゃけどな。」

助手 「・・・。」


参考資料
シトロエンC6(『webCG』 日経デジタルコンテンツ)
シトロエンC5(轟クルマ文化研究所)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所



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