
助手 「この間、ボルボのC30を見たんですけど、前から見たらS40と見分けがつかないですよね。」
所長 「ボルボの新しいハッチバックじゃな。後ろから見たら一目瞭然なんじゃがな。」
助手 「そうなんですよ。後ろを見たらC30だってすぐにわかりましたけど、なんか変な感じでしたね。」
所長 「セダンを無理やりハッチにしたって感じに見えるのぉ。前にあったBMWの3シリーズ・コンパクトみたいじゃな。ま、もっともボルボが好きで買うモンからしたら、ひと目でボルボってわかるカタチが重要なんじゃろけど。」
助手 「そんなモンですかね。でもボルボって最近元気がありませんよね、以前のことから考えたら。」
所長 「まぁ、前が異常に売れとっただけなんじゃろうけど、せっかくつくった顧客を維持出来んかったのは、もったいない感じはするがな。」
助手 「やっぱりボルボって真四角のワゴンのイメージが強いですから、新世代のモデルではモノ足りないんですかね。」
所長 「850がバカ売れしたからのぉ。新しい世代に変わったとき、前のイメージを上手く取り込めんかったのが響いとるんじゃろうな。」
助手 「ですよね。世の中のクルマがどんどん丸くなっていっても、ボルボだけは四角いボディを維持して欲しかったって、みんな思ってるんじゃないですか。」
所長 「それでもいつかは販売が行き詰ったじゃろうから、新しいイメージをつくり上げんといかんかったじゃろうな。」
助手 「そんなモンですかね。」
所長 「そもそも無理して高級車として売ろうとしたのが間違いなんじゃと思うんじゃ。ボルボって真面目で頑丈なつくりが売りのクルマじゃから価格は高いんじゃが、決してゴージャスなクルマなんかじゃなかったと思うんじゃ。それをベンツやBMWなんかのクルマを相手にしようとして、どんどんおかしな方にいってしまったような気がするんじゃ。」
助手 「フォード傘下になってからは特にそうですよね。」
所長 「今度のC30にしてもBMWの1シリーズやベンツのBクラス、あとアウディのA3なんかを横目に見ながらつくったのは明白じゃろ。それでライバルよりもお買い得な価格設定で売ろうとしとるんじゃ。それではボルボの魅力が全然伝わって来んじゃろ。」
助手 「中身はマツダのアクセラとおんなじですし、正直ボクも高いお金を払ってまで欲しいとは思わないですね。」
所長 「それじゃったら、740のようなデカくて控えめなセダンの方がよっぽど魅力的じゃと思うんじゃけどな。」
助手 「740ですか、あの頃のボルボはよかったですよね。あと850とかも。」
所長 「850も悪くはないんじゃが、イメージがどうもな。」
助手 「えっ、ダメですか。」
所長 「ダメというわけでもないんじゃが、どうも赤いワゴンのイメージが強すぎてのぉ。」
助手 「わかります、わかります。休みの日に自転車とかカヌーなんかをルーフに積んで、郊外へ出掛けるお金持ちっていう感じでしょ。」
所長 「あとベッピンの嫁さんと大きな犬なんかも必要じゃがな。雑誌なんかに書いてありそうなライフスタイルをじゃな、そのまんま実行しとるような感じがするんじゃ。」
助手 「偏見でしょうけどね。」
所長 「ま、そうじゃろうな。じゃがそういう一過性のブームに乗かってバカ売れしたのは確かじゃろ。」
助手 「あの頃はネコも杓子もアウトドアな時代でしたからね。」
所長 「結果的に850のヒットでそれまでの安全が取り柄の頑丈なセダンから、お洒落なワゴンのイメージが定着したんじゃ。世代が変わってデザインが変わったのと、ステーションワゴンの市場が小さくなったのが重なって今の状況になったというわけじゃ。」
助手 「・・・そうですね。」
所長 「ま、そういうニーズの移行から生まれたのがC30なんじゃろうけどな。もし今でもワゴンがバカ売れしてたら3ドアのクーペ形状じゃなく、アウディA3のスポーツバックのようなワゴンライクな5ドアにしとったじゃろうしな。」
助手 「言われてみればそうですね。5ドアの方が需要も大きいでしょうし、イメージもつくりやすかったんじゃないですか。」
所長 「あえて3ドアボディにしたのは、新しいボルボのイメージをつくろうとしとるんじゃろう。スポーティでスタイリッシュなイメージにしたいといったところなんじゃないか。ほらっミニが3ドアでも十分受け入れられることを証明しとるじゃろ。」
助手 「確かにミニは3ドアだけで商売が成り立ってますよね。でもあれはミニっていうキャラクターがあってこそのような気がしますけどね。」
所長 「ま、そうじゃろうな。正直、どこを見渡しても5ドアしか見当たらん時代じゃからな。じゃが反対にこんな時代じゃからこそ3ドアが魅力的に見えるのも事実じゃけどな。特にボルボが売りたいのはプレミアムクラスじゃから、別に便利なクルマである必要もないしな。」
助手 「多少の不便さを我慢してでも、優雅でスタイルのいい3ドアを選ぶヒトが対象ということですか。あんまり期待出来そうにないですけど。」
所長 「ま、多くは望めんじゃろうな。じゃが初めは小さなマーケットかもしれんが、続けていくうちに認知されてくるじゃろうし、需要も変わってくるかもしれんから、一歩踏み出したことはいいことじゃと思うぞ。それにワシは結構好きなんじゃ、こういうクルマ。」
助手 「こういうクルマって、3ドアのハッチバックですか。」
所長 「そうじゃ、それも長いヤツじゃ。ほらっ昔あったアコードのエアロデッキとか、あと2ドアのワゴンボディとかって、利便性を犠牲にしてでもそれ以上の魅力があったじゃろ。」
助手 「確かにそうですね。C30のデザインモチーフになった1800ESもかなりカッコいいですよね。そういう目で見るとこのC30って結構いいかもしれませんね。」
所長 「じゃろ。インテリアは例の浮いたようなコンソールとか、北欧のイメージを生かした内装とか、十分魅力的じゃしな。もう少しフロントのデザインに色気があったら、見え方も随分と変わってくるんじゃがな。」
助手 「それは言えてますね。」
所長 「ま、それでもワシは古い740の方に惹かれるんじゃがな。」
助手 「結局そこに戻るんですか。」
参考資料
ボルボ C30(ボルボ・カーズ・ジャパン株式会社)
ボルボ 850(『GAZOO.COM』トヨタ自動車株式会社)
ボルボ 740(『GAZOO.COM』トヨタ自動車株式会社)
ホンダ・アコード エアロデッキ(本田技研工業株式会社)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
所長 「ボルボの新しいハッチバックじゃな。後ろから見たら一目瞭然なんじゃがな。」
助手 「そうなんですよ。後ろを見たらC30だってすぐにわかりましたけど、なんか変な感じでしたね。」
所長 「セダンを無理やりハッチにしたって感じに見えるのぉ。前にあったBMWの3シリーズ・コンパクトみたいじゃな。ま、もっともボルボが好きで買うモンからしたら、ひと目でボルボってわかるカタチが重要なんじゃろけど。」
助手 「そんなモンですかね。でもボルボって最近元気がありませんよね、以前のことから考えたら。」
所長 「まぁ、前が異常に売れとっただけなんじゃろうけど、せっかくつくった顧客を維持出来んかったのは、もったいない感じはするがな。」
助手 「やっぱりボルボって真四角のワゴンのイメージが強いですから、新世代のモデルではモノ足りないんですかね。」
所長 「850がバカ売れしたからのぉ。新しい世代に変わったとき、前のイメージを上手く取り込めんかったのが響いとるんじゃろうな。」
助手 「ですよね。世の中のクルマがどんどん丸くなっていっても、ボルボだけは四角いボディを維持して欲しかったって、みんな思ってるんじゃないですか。」
所長 「それでもいつかは販売が行き詰ったじゃろうから、新しいイメージをつくり上げんといかんかったじゃろうな。」
助手 「そんなモンですかね。」
所長 「そもそも無理して高級車として売ろうとしたのが間違いなんじゃと思うんじゃ。ボルボって真面目で頑丈なつくりが売りのクルマじゃから価格は高いんじゃが、決してゴージャスなクルマなんかじゃなかったと思うんじゃ。それをベンツやBMWなんかのクルマを相手にしようとして、どんどんおかしな方にいってしまったような気がするんじゃ。」
助手 「フォード傘下になってからは特にそうですよね。」
所長 「今度のC30にしてもBMWの1シリーズやベンツのBクラス、あとアウディのA3なんかを横目に見ながらつくったのは明白じゃろ。それでライバルよりもお買い得な価格設定で売ろうとしとるんじゃ。それではボルボの魅力が全然伝わって来んじゃろ。」
助手 「中身はマツダのアクセラとおんなじですし、正直ボクも高いお金を払ってまで欲しいとは思わないですね。」
所長 「それじゃったら、740のようなデカくて控えめなセダンの方がよっぽど魅力的じゃと思うんじゃけどな。」
助手 「740ですか、あの頃のボルボはよかったですよね。あと850とかも。」
所長 「850も悪くはないんじゃが、イメージがどうもな。」
助手 「えっ、ダメですか。」
所長 「ダメというわけでもないんじゃが、どうも赤いワゴンのイメージが強すぎてのぉ。」
助手 「わかります、わかります。休みの日に自転車とかカヌーなんかをルーフに積んで、郊外へ出掛けるお金持ちっていう感じでしょ。」
所長 「あとベッピンの嫁さんと大きな犬なんかも必要じゃがな。雑誌なんかに書いてありそうなライフスタイルをじゃな、そのまんま実行しとるような感じがするんじゃ。」
助手 「偏見でしょうけどね。」
所長 「ま、そうじゃろうな。じゃがそういう一過性のブームに乗かってバカ売れしたのは確かじゃろ。」
助手 「あの頃はネコも杓子もアウトドアな時代でしたからね。」
所長 「結果的に850のヒットでそれまでの安全が取り柄の頑丈なセダンから、お洒落なワゴンのイメージが定着したんじゃ。世代が変わってデザインが変わったのと、ステーションワゴンの市場が小さくなったのが重なって今の状況になったというわけじゃ。」
助手 「・・・そうですね。」
所長 「ま、そういうニーズの移行から生まれたのがC30なんじゃろうけどな。もし今でもワゴンがバカ売れしてたら3ドアのクーペ形状じゃなく、アウディA3のスポーツバックのようなワゴンライクな5ドアにしとったじゃろうしな。」
助手 「言われてみればそうですね。5ドアの方が需要も大きいでしょうし、イメージもつくりやすかったんじゃないですか。」
所長 「あえて3ドアボディにしたのは、新しいボルボのイメージをつくろうとしとるんじゃろう。スポーティでスタイリッシュなイメージにしたいといったところなんじゃないか。ほらっミニが3ドアでも十分受け入れられることを証明しとるじゃろ。」
助手 「確かにミニは3ドアだけで商売が成り立ってますよね。でもあれはミニっていうキャラクターがあってこそのような気がしますけどね。」
所長 「ま、そうじゃろうな。正直、どこを見渡しても5ドアしか見当たらん時代じゃからな。じゃが反対にこんな時代じゃからこそ3ドアが魅力的に見えるのも事実じゃけどな。特にボルボが売りたいのはプレミアムクラスじゃから、別に便利なクルマである必要もないしな。」
助手 「多少の不便さを我慢してでも、優雅でスタイルのいい3ドアを選ぶヒトが対象ということですか。あんまり期待出来そうにないですけど。」
所長 「ま、多くは望めんじゃろうな。じゃが初めは小さなマーケットかもしれんが、続けていくうちに認知されてくるじゃろうし、需要も変わってくるかもしれんから、一歩踏み出したことはいいことじゃと思うぞ。それにワシは結構好きなんじゃ、こういうクルマ。」
助手 「こういうクルマって、3ドアのハッチバックですか。」
所長 「そうじゃ、それも長いヤツじゃ。ほらっ昔あったアコードのエアロデッキとか、あと2ドアのワゴンボディとかって、利便性を犠牲にしてでもそれ以上の魅力があったじゃろ。」
助手 「確かにそうですね。C30のデザインモチーフになった1800ESもかなりカッコいいですよね。そういう目で見るとこのC30って結構いいかもしれませんね。」
所長 「じゃろ。インテリアは例の浮いたようなコンソールとか、北欧のイメージを生かした内装とか、十分魅力的じゃしな。もう少しフロントのデザインに色気があったら、見え方も随分と変わってくるんじゃがな。」
助手 「それは言えてますね。」
所長 「ま、それでもワシは古い740の方に惹かれるんじゃがな。」
助手 「結局そこに戻るんですか。」
参考資料
ボルボ C30(ボルボ・カーズ・ジャパン株式会社)
ボルボ 850(『GAZOO.COM』トヨタ自動車株式会社)
ボルボ 740(『GAZOO.COM』トヨタ自動車株式会社)
ホンダ・アコード エアロデッキ(本田技研工業株式会社)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
そうです、そうです。
踏襲のつもりでした。
間違って覚えてたんでしょうね、全く気がつきませんでした。
他にもあるかもしれません、気付かれたらお教え下さい。
AWDのXC30!いいですね。
フェンダーアーチなんかそのままでもクロスオーバーっぽいですし、XC70よりも似合いそうです。
ただの3ドアハッチよりもクロスオーバーの方が、高い価格帯でも買いやすそうな気がしますしね。
私と趣味が似ているようで親近感さえ覚えました。
ただ、頻繁に登場する『周到』という言葉ですが、前後から察するに『踏襲』の間違いではないでしょうか???
これからもがんばって下さい。
また、アクセラというクルマには、まだ乗ったことがないのですが、乗ったら実はいいクルマなのかもしれませんネ。