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フロリダ半島日記ー タイムシェアは得か、損か。

2012-08-22 09:46:36 | 日記
電話が鳴る。“おめでとう。あなたは、8日間、無料でカリブ海の島々へのクルーズの旅行に行けるのです。”。“同意された場合は、1番を押してください”。実は、これはタイムシェア(timeshare)の会社の勧誘なのです。私もこのような電話を今日だけではなく多く聞いてきました。ナイーブ(だまされやすい)な私の友人はこのような勧誘に見事に乗ってしまったようです。Mr.Aは、以前、私と同じ会社に勤めていたイギリス人です。営業部でいつもバリバリ活躍していました。やり手なのですが人がよすぎるところがありました。ある時、イギリスから電話があり、フロリダのフォートローダーデール(Fort Lauderdale)で是非、会いたい、という。何でも、彼の夫人とそこからカリブ海への旅行に出るのだという。私は最初、Mr.Aは、随分と羽振りがよくなったものだと感心したのです。が、ふとこれはあのタイムシェアの例の行事(?)にはまったのでは、とも思えてきました。フォートローダーデール(Fort Lauderdale)はマイアミの北約40kmに位置する保養都市で、高速のハイウエーを2.5時間ほどドライブしなければなりません。夕方、そこに着いて、久方ぶりのMr.Aに会いました。頭髪が薄くなっていましたが相変わらず元気です。夫人の好物があるということで夕食は中華料理店へ行きました。その後、ホテルで積もる話をして、翌朝となりました。やはり、このカリブ海への旅行というのはタイムシェア(timeshare)の勧誘のようです。午前中にクルーズが港から出るようなので、再会を約束して私は帰宅することにしました。ところが、Mr.Aの話では、クルーズの船が出る前の1~2時間は、どうしても説明会に出るという約束があるというのです。その説明会をする女性は非常に親切な美しい女性で何かと世話をしてくれたのだという。例えば、私の来る前に、その女性はフォートローダーデール(Fort Lauderdale)の町の様々なところへ見学に連れて行ってくれたのだそうです。
1週間後、クルーズから帰ってきたMr.Aは私に電話をしてきました。話によると、実は、クルーズに出発する前の説明会とは、タイムシェアへの入会のためのものであったというのです。最初、4万ドル(約400万円)で入会を勧められたようなのです。結局、あのやさしい美しい女性の説得を断れず、最低の1万ドル(約百万円)のタイムシェアに入ってしまったというのです。“まあ、自分の子供たちも結婚して家庭を築き始めたし、彼らもこのタイムシェアを利用できるというから。。”という弁です。
タイムシェア(timeshare)とは、リゾート地のマンションなどを所有または利用する時に、その期間の経費だけを負担するシステムでバケーション。オーナーシップのことです。タイムをシェアーつまり時間。期間をお互いが分担し合うことです。この始まりは、フランスのスキー。リゾートで始まったといわれます。そこにあった山小屋を個人で購入すれば購入費用や維持費が高くつきます。そこで12人ほどの友人家族と共同で所有することにしました。均等に1ヶ月ごと利用を割り当てて分担したのです。1967年のことです。するともう翌年にはハワイでそのようなタイムシェアが販売開始され、70年代にはフロリダを中心としたカリブ海へのタイムシェアが開始されていったのです。そのころは法的な規制もなく販売業者がお客から代金を回収して、その後、倒産するということもあったりしてあまり評判がよくなかったのです。しかし、80年代に入ると、大手のホテル会社のマリオットがタイムシェアに参入。90年代には、ディズニーそしてヒルトンが加わります。ただ、確かに、デラックスなホテルなら一部屋一泊500ドル(約5万円)です。1週間なら3500ドル(約35万円)。タイムシェアなら、2つの寝室。1つリビングルームなどホテルの部屋の3倍ぐらいの大きさの部屋で7泊1500ドル(約15万円)でいいわけです。更に、例えばハワイやフロリダに別荘を買えば、様々な固定資産税、電気水道代、修繕積み立て費用、各種保険が必要です。しかし、タイムシェアなら1年に一度、管理費を払えばいいのです。しかし、休みがお盆や正月やゴールデンウイークなどしか取れない人には、皆その時に集中するわけで思うように利用できないようです。又、様々な外国にマンションやコンドミニアムがあって、その土地のルールも頻繁に変わるのです。そのような細かい事情を理解できない人にはあまり向いていないようです。とはいうもののMr.Aは今頃、エーゲ海など地中海の陽光をあびてリラックスしているのではとうらやましくなります。