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フロリダ半島日記-ラルフ。カーと強制収容所

2012-08-18 09:41:20 | 日記

最近、フロリダでも日本のNHKのテレビ放送が見られるようになりました。
しかし、放送権の制限などがあって国際スポーツは写真だけということが多いのですが。。。昨夜は、先の大戦中に“ラルフ。カー”という政治家が日系アメリカ人を助けたという番組を放映していました。この番組で“ラルフ。カー”という名前もはじめて知り感動しました。アメリカには19世紀末から日本人が移民を始め、いくつかの“日本人町”ができていました。現在もフロリダを南下してマイアミ近くに到着すると高速ハイウエーに“YAMATO”という地名が表示されているのがわかります。最初、私もこの名称は日本の“大和”ではないか?と奇妙な感じがしました。事実、それはその土地に1903年ごろから日本人の“大和コロニー”が設立された跡でした。ここで日本人農家がパイナップルなどを作っていたのです。しかし後には2家庭だけとなり、そのうちの一人がパイナップル王といわれた森上助次郎です。現在、森上の寄贈した140エーカーの土地にモリカミ。ミュージアムという日本文化美術館が建っています。しかし、日系アメリカ人にとって太平洋戦争は悪夢そのものでした。枢軸国の国家に先祖を持つドイツ系、イタリア系、日系アメリカ人たちは敵性市民となったのです。しかしすでにそのころ、日系アメリカ人はほとんど全員がアメリカ合衆国に忠誠心があるという報告があったし、後に、442連隊の日系部隊はドイツなどと戦うヨーロッパ戦線で輝かしい戦闘実績を上げています。それにもかかわらず12万人の日系人は西海岸の沿岸の州に分散されて強制収容所に入ったのです。日本人村のように長い年月築き上げた財産も突然放棄せざるをえない日系人が多くいたのです。このような悲劇的状態を知って立ち上がったのが当時、コロラド州の知事であったラルフ。カー氏です。当時、真珠湾攻撃によってアメリカ人には大きな恐れや嫌悪感が日系アメリカ人に向けられていました。しかしラルフ。カー氏は、“コロラド州民のみなさん、冷静に懸命な市民として振るまおうではありませんか。 アメリカが人種の坩堝(るつぼ)であるという事を思い出してください。アメリカに対する忠誠心を、その人の祖父が生まれた場所で計る事は出来ません。もとをたどれば、我々全てのアメリカ人は国境の向こう側からやってきたのではありませんか。''と訴えたのです。コロラド州に建設されたアマチ収容所に3000人の日系アメリカ人が到着した時のことです。地元のアメリカ人は暴徒と化して迫害を始めました。カー氏は飛行機に飛び乗って、現地におもむき、有名な演説をします。“彼ら(日系人)に危害を与えるのなら、私に与えなさい。小さな町で育った私は、人種差別による恥辱や不名誉を知り、それを軽蔑するようになった。なぜならそれ(そのような行為)は、幸せ(な生活)を脅かすものだからだ、あなたの幸せ、あなたの幸せ、そしてあなたの幸せを。”と最後の部分は周りを見回して言ったという。こうして暴徒は静まったのです。その他、後に駐日アメリカ大使となったライシャワー博士、ビドル司法長官、ロバート最高裁判事なども強制収容所に反対した数少ない有識者です。
私の見たNHKのこの番組の解説者、久下香織子キャスターは「カーという政治家に親日家とか平和主義者のイメージを抱く人がいるかもしれませんが、彼 が守ろうとしたのは、合衆国憲法は全ての国民の権利を保障する、という米国の建国理念だったのだと思います。どんな時でも周囲の意見に流されず、多数派に 屈することなく、自分の信念を貫くことがどれだけ困難なことか、番組を見て自分自身に問いかけてみてもらえたら」と語っています。