碧空の下で

人生の第四コーナーをまわって

映画「赤線地帯」3

2007-05-10 21:15:07 | 映画の感想
いわゆる、赤線地帯とはどんなところなのか
子供の私には知る由もなかったが、なんとなく、
よくないイメージだけはもっていたので、
Sさんに直接そのことを聞くのができなかった。
聞いてはいけないことのように思っていた。
「ここは、たいくつやわ、おもしろいことないかね」
子供の私に、あけすけに不満をいうので、
「ほうか、前にいたとこおもしろかったが?」
そう言ってしまったことがあった。
すると、相手が子供なので悪びれる事もなく、
「おもしろいことも、おもしろないこともあったわ」
「ふ~ん、どんなしごとしてたんや」
「子供の分からんことや」そう言って、顔をそむけた。
「なんか、むつかしいことか?英語のしごとか?」
「はっはっ・・そやね、むつかしいことや、なかなかできんことやわ、
 ときどき英語もしゃべらんなんしね」
「へえ~、誰と英語しゃべるんや、進駐軍か」
「ほや、GIやそれ以外に英語なんかしゃべるひとおらんわ」
「ほんまか、進駐軍としゃべるのおとろしないか」
「ほんなもんぜんぜんおとろしないわいね、GIのほうが親切や」
「ふ~ん、そうか」
「○○ちゃんも大きくなったら、わかるわいね」

民生委員の年寄りが、店にやってきた。
彼女のことが気になり、働きぶりを見に来るのが
役目だと思っているのか、それとも、彼女の監視でも
しているのか、けっこう、何度も来るので、よほど
Sさんと縁のある人なのかもしれない。
「又来たが、ごくろうさんね」彼が来ると
態度が横柄になった。それでも、年寄りの男の人は
彼女の態度も気にせず、一言二言小さな声で話しはじめた。
仕事中やから、長話もできないので、
いつもすぐに帰っていくのだけれど
その時は、二人で少しながく話し合っていた。





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1 コメント

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Unknown (cityboy)
2007-05-13 13:26:45
今度 じっくり 聞きたいね・・・・
酒でも飲みながら 年かね・・・・
最近 日々昔の事が思い出され 小中学校の通学路を散歩する事があります 新しい道路が付き その為昔の風景と一致せず その場にてひたすら回想や想像をしながら昔を懐かしんでいます。
帰って来ないのは青春だけではありません
この後の人生悔いなき様生きたいものです
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