碧空の下で

人生の第四コーナーをまわって

吉例新春初笑い2021

2020-12-27 12:06:40 | 新春福笑い

ご隠居 「明けましておめでとうさん」とか言って毎年八っあんか熊さん

    が来るんだが、今年は来ないのかね。これだけ疫病が流行ってい

    るから、まあしょうがないか。静かな正月を過ごすのも乙な

    ことで、ゆっくりと一人正月でも楽しみますか。

    「門松は冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」

    この齢になると、一休禅師のこの句が身にしみますな。

    人生七坂とかいうけど、ワシも最後の坂にさしかかったわけで

    上るのか下るのか知らないけど、うっかりするとマサカという

    坂だったりするんですわ。 

    「餅食って冥途へ旅立つ粗忽かな閻魔の前で何も話せず」 

    これは餅をのどにつまらせる誤嚥というやつですな。うちの

    兄貴もこれで逝ってしまったんです。まあ・・、そのう・・、

    やっぱ・・、しかし・・ご縁がなかったのでしょうね。

    正月そうそう、へんなはなしですが、年寄なんてお年玉を

    あげたらもう用はないので、ワシら大人の正月を楽しむには

    今年が一番ぴったしの年ではないかと思ったんでね。

    昨年から百年に一度あるかないかというくらいの疫病で、運よく

    亡くなったひとには、おめでとうさん。運悪く亡くなった人には

    残念というほかないので、それくらいどうしようもない人の

    さだめを感じましたねえ。それにこの疫病は年寄りや持病持ち

    が重症になって若いもんには軽く済むってんだから、こりゃ

    もはや年寄りは早く逝けという、天の声ですな。

    「老害と言われるほどに自覚なし在宅デスクを拡張す」

    こういう人が一番困る。誰とはいいませんが近隣にいる

    トラちゃん・習ちゃん?

    それにくらべりゃ芭蕉翁なんて人はえらいもんです。

    晩年になって旅にでる。当時の旅といえば二度と戻れるかわか

    らないという覚悟で出発するわけですから。死出の旅と言って

    もいいほどです。

    「野ざらしを心に風のしむ身かな」『野ざらし紀行』の冒頭に

    ある寂寞とした句を読むと彼の気持ちがひしひしと伝わりますわ

    これに下の句をつければ「一間離れて飛びゆくからす

    三蜜避けてますか。スイヤセン 

    一句一句辞世の句のつもりで発句している芭蕉の句に失礼

    だと言われそうですが、洒落なんですわこれ、芭蕉も以前は

    こういった滑稽さが主流の談林派であったんで堪忍してくだ。

    だんだん寒くなってきそうですか。そんならワシの好きな句で

    「あらとうと青葉若葉の日の光」

    日の光で日光で詠んだダジャレなんですよ、ワシに言わせば。

    いえダジャレが好きなんです。ダジャレはレジャーダ。

    ついでに言ちゃいますと子規が俳諧をつまらなくしたね

               下の句をつけると「放射能は木影の下に」句趣がひっくり返

    ります。するってえと弟子の去来なんかがしゃしゃり出てきて

    「花守や白きかしらをつき合はせ」

    師匠の句趣を立て直します。さすがですね「白きかしら」

    ワシの下の句は「鼻血も出ないエロ話かよ」侘び寂びですね~

    まあエロ話の季語はいつなのか知りませんが、どんと落ちまし

    たね。あわてた曾良が参戦します

    「卯の花をかざしに関の晴れ着かな」一同ご緊張という感じで

    関所を通る時は衣服を正したんですね。ワシも通関のときは

    悪いことをしているわけではないけど緊張しますね。

    一度ひどい目にあったことがありましてね。最後はやけの

    ヤンパチ矢でも鉄砲でも持ってこいというまな板の鯉の心境

    でした。それで下の句です

    「無事に通ればホトトギス啼く」わかるかなー

    一人遊びの正月です。大人の正月です。最後に芭蕉辞世の句

    「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」

    謹んで下の句をつけさせていただきます

          「松風過ぎて桑の木の下」    

    いや~きれいに納まりました。材料がいいと立て付けもきれい

    ですわ、大工の八っあんに見せてやりたい。

    桑の木をつかうのがミソです。自画自賛

    てな具合で感染防止の一人正月を楽しんでおるしだいで。

    そこへ電話がかかります。

八っあん「もしもし、八です。ご隠居さん、生きてますか」

ご隠居 ああ、八っあんかい電話でどうした?

八   「テレワークです」

ご隠居 電話機で木でも削ってるんかい

八   「なにをおっしゃるうさぎさん、あっしゃコロナで命を

     削ったんですわ」        

ご隠居 てえと、おまえさんコロナに罹ってしまったんかい。

八   「いやあ、コロナがはやっているんで、誰かが煙でいぶしたら

    コロナも死んじゃうんじゃないかと言いだして、仕事の

    まえにその辺のカンナ屑拾って火をたいて体を炙ったん

    ですよ。そしたらその火がふんどしに移ってしまって・・」

ご隠居 けつに火が付いたわけだ。相変わらず粗忽だね

八   「それがたまに傷です。」 

ご隠居 へたな落ちをつけなくてもいいんだよ。本気で心配したよ

八   「そいうわけで、今年はそちらへ伺うことができませんで

    新年のあいさつはテレワークです。お神酒は次回に残して

    おきますので利息もつけてかまいませんからあしからず。」

ご隠居 そうかい、達者がなにより、歯医者は口より、年増芸者は

    シワがより。ことしもよろしくな

そこへ郵便配達が年賀状をとどけます

ご隠居 おや、熊さんからの葉書がきているね。

熊   生きていれば明けましておめでとうございます。

    本年は、これからコロナ感染する予定です。

    お会いできないので二週間したらお見舞金を

    送ってください。三週間したら忘れてください

              近くの熊  

ご隠居 かってにして  

 

 

 

 

      

   

       

    

        

        

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