ウン十年前、ウィスキーがレッドだったころ、俺はホワイトだった。ビールはキリンで酒はべた甘クサかった。日本酒は好きでないけど例外的に飲める酒があった、そのひとつが能登の酒「宗玄」だった。世の中の酒がみんなべた甘の厚化粧で媚を売っていたころ「宗玄」は一途にミサオを立てて辛口を貫いていた。田舎のおぼこ娘の意地を見せていた。その後加賀の菊酒「菊姫大吟醸」のお姫様に席を譲るまでは唯一飲める酒でした。その「宗玄」の酒蔵が近くにありそこへ寄りました。古い造り?の社屋兼店舗にはいると、意外に多くの種類の商品が並んでおりました。どれを買うか迷ってしまったので、お勧めを聞いて、とりあえずそれを買うことにした。女性の店員さんのお勧めは、なんのことはない、どこの酒屋でも売っているやつだった。まっそれが当たり前だとは思うのですが、保守本流の王道を貫いているのですが、ちょっと、がっかり。「おい、さくら、酒の味がわかるかい。酒は涙か、ため息か、悲しい恋の捨てどころってね。」「おやおや」「青年よ、いつか失恋したら、恋路海岸をとぼとぼ歩いて酒屋へ行って、辛口の宗玄呑めよ。それが人生ってもんだ。わかるかい。青年よ」「どうしたんだい?」「澄める酒なくしてわれ生くる能わず。杯なくしてわが身荷に堪えうる能わず。・・そう言った詩人がいたね。」「ところで、お兄ちゃんお酒飲めたっけ」「それをいうなさくら」<font>
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