チェコと言えば、昔「プラハの春」がソヴィエトの戦車によって、踏み潰された記憶がいまだに残っています。ナチスドイツに蹂躙され、ソヴィエトに蹂躙され東西のはざ間で、散々な目に会ったチェコ人の作品であるというこで、シリアスな作品を予想して行ったのですが、見事に、外れました。「英国王給仕任に乾杯」は映画を見る楽しみを、しっかり味わうことが出来ました。この監督の作品は見たことが無かったのですが、センスがいいです、履歴を見るとやはり「プラハの春」以降の時代には、作品が発表できなかったようです。そういう時代を耐えてきた映画の巨匠であった。日本ではお金があれば、誰でも映画を作ることが出来るのですが、それが、作品の質に結びついているかどうかは、あやしいいものです。その点この監督の多くない作品のひとつですが、ギュっと詰まった、薫り高いエキスが感じられす。この作品はチャップリンの映画を意識して作ったような、造りで、実際に、「モダンタイムス」の有名な一場面もはさんであるし、背の低い主人公はチャップリンを彷彿とさせます。ひょっとしたら、チャップリンへのオマージュではないかと思ったくらいです。話の内容は、ホテルの給仕人の主人公を通しての、チェコの現代史を描いているのですが、決して力んだ描き方ではなく、淡々と、軽やかに、第三者の視点で見ているようなタッチで、描いています。しかし、本音は「英国王給仕人に乾杯」なんですね。つまり、プラハのホテルパリに勤めていた頃の主人公は、かつて英国王の給仕人であったそこの給仕長のもとで働くのです。そしてドイツによるチェコ併合で、ドイツ人の将校がホテルに出入りするようになってくるのですが、この元英国王の給仕をしていた給仕長は彼らを最後まで客扱いしないのです。そして予期していたようにゲシュタポに連行されていくのです。この映画の主人公であるちびの給仕人のヤンはドイツの女性将校と恋に落ちて、結婚するのですが、作者の気持は、この、元英国王の給仕人にあるようです。そうでなければ、このような題名はつけないと思うのですが。そして裸の美女がふんだに出てくるのがこの映画のもう一つの見所です。ワシら鼻血をおさえていたけんね。冗談ですぅ。映画を見終わるとビールが飲みたくなる仕掛けになっているので早速「BARBARバルバール」へビールを飲みに行きました。能登の地ビールです。チェコ人が作ってます。あっさりとフルーティーな生ビールでした。まるでプラハの春の日差しのように
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