チリチリリン

風にゆれる風鈴のように
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星宿海

2015年01月09日 | 旅物語り
正月に『星の生まれる海へ 中国黄河源流への旅』という紀行番組がありました。中国の大河、黄河、その源が「星宿海」という場所で、無数の湖が連なり、そこへ筏を浮かべると天の川に行き着くという伝説があるのだそうです。黄河は全長5400キロ、河口から3000キロも遡った古の国家の首都から旅は始まります。

3000キロも遡っているのに、黄河はまだ茶色に濁った河です。黄河文明の地にはシルクロード時代の遺跡、その前の彩色土器の遺跡、さらに前の人間が狩猟時代の壁画、そのずーーと前の恐竜の化石も発見されています。どんどん西へ遡るとイスラム教徒の村があります。南へ遡るとチベット仏教の村があります。そして広い黄土地帯を抜けると黄河はやっと澄んだ水の色を見せます。少数の遊牧民のみが暮らす場所です。

黄河に暮らす人々に尋ねます、「星宿海」って知っていますか?
「知らない」「名前は聞いたことがあるが行ったことはない」
「行ってみたい」

怖ろしいほど綺麗な青い湖が二つ、更にその奥に星宿海はありました。
見渡す限りの広大な沼地で、大小無数の沼が輝いています。空の青さを写し、流れる雲を写し、そのスケールの大きさは正に息を飲む風景です。

夜がまた凄いです。
無数の水鏡が月の光にキラキラ輝き、満天の星は天空をぐるりと回って星宿海に流れ落ち、本当に天の川がここに流れてきているようで、筏を浮かべると天の川に行けるというのがあながち嘘ではないと思えてきます。

前後編合わせて3時間のこの録画を私は何度も観てしまいました。今では星宿海も黄河の一部で、源流は更に奥だと分かってきているらしいです。大陸の大きさは、島国の私には及びもつかないです。



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