独孤伽羅(どっこから)…胡冰卿(フー・ビンチン) 独孤家の末娘
楊堅(ようけん)…張丹峰(チャン・ダンフォン)
独孤曼陀(どっこばんた)…李依晓(リー・イーシャオ)
宇文邕(うぶんよう)/皇帝…イン・ハオミン
「父娘の不和は…大業を成すなら何もかも望まないで。約束してくれたなら麗華を説得してもいい」と話す伽羅。約束とは幼帝・宇文闡をはじめ、邕の子孫たちに穏やかな人生と変わらぬ尊厳を与えることだった。楊堅は約束する。
2月14日。楊堅は皇帝となり国号を隋に改めた。幼帝は介国公に封ぜられるも、別の宮殿に居を移し変わらず厚遇された。
鳳儀殿。白髪を1本抜いた伽羅に冬曲が「楊堅様の即位は本望ですか?」と尋ねる。伽羅は冬曲の手を取り「私たちが出会った日を?あの頃、あなたはお金にがめつい小娘だった。私は縁談がうまくいかず、やたら死ぬと騒いでいた。時が経つのは早いわ。この歳になって分かったことがある。父の選択は必然だったのね」と話す。
観音廟。王氏と一緒に独孤順が曼陀を迎えに来る。
馬車に乗りながら外を見ていた曼陀は、隋という新たな王朝ができたこと、楊堅が皇帝になったことを知る。曼陀が寺から出れたのも、皇后となった伽羅が願ったからだった。
「身なりを整えて鳳儀殿に参りましょう。兄弟姉妹で集まる宴です」と言う王氏。悔しい曼陀は「行かない」と言う。
王氏は「あれだけ修行をしても目が覚めぬと?あなたの妹は皇后です。政に参与して陛下と並び“二聖”と称される。このまま皇后と反目し合えば身の破滅ですよ。ご子息のことをお考えに」と説得する。再び陛下を怒らせて唐国公に母子の縁を切られてもよいのかと。
宴。伽羅が「姉上、お久しぶり」と言うと、曼陀が「罪深き曼陀が陛下と皇后様に拝謁します」と頭を下げる。さらに「私は独孤の血を引くも側女の子である己を憎みました。人を妬むようになり、心の扉を閉ざしました。陛下と皇后様のお慈悲により、どうにか生きながらえ今では己の罪を悟りました。亡き夫の冥福を祈るため、再び寺に戻してください」と言う曼陀。伽羅は「もう過ぎたことよ」と言う。
「お願いだから唐国公の屋敷に住んで。姉上には会いたい者がいるでしょう」と言う伽羅。そこに成長した李淵が来る。母に気づかず「叔母上、“お楽しみ”はなんですか?」と伽羅に聞く李淵。伽羅は曼陀を見ながら「誰だか分かる?」と李淵に聞く。初めは分からなかった李淵は「母上?」と言う。嬉しい曼陀は両手を出して「おいで、よく顔を見せて」と言うが、李淵は戸惑いを隠せない。
伽羅は「母子で話しなさい。これからは母親と一緒に屋敷で住むのよ」と言う。しかし李淵は喜ぶどころか「宏たちと皇宮で住めぬと?どうか私を追い出さぬよう」と言い、曼陀も目に入らない。「人聞きが悪いぞ。お前は禁衛軍を束ねる武官だろう。心配せずとも皇宮は逃げも隠れもせぬ」と言う楊堅。曼陀は衣を握りしめる。
曼陀と見送る伽羅を見ながら、楊堅は「改心したと思うか。装っているだけか」と冬曲に聞く。冬曲は「何とも…。ただし以前ならば目に涙を浮かべて、哀れを誘いつつ流し目を使った。今日は頭を下げて、しおらしい様子でした」と答える。「唐国公の屋敷に人を遣わし、見張らせよ」と言う楊堅。「はい」と冬曲が気の乗らない返事をし、楊堅は「皇帝となってから権力の恐ろしさが痛いほど分かった。二十数年にわたり築き上げた父娘の情も、根も葉もない噂だけで水の泡と消える」と話す。ゆえに、どんなことでも警戒を怠ってはならないと。
曼陀が帰り、楊堅は「今夜はよく眠れ。明日は激しい戦が待っておる」と伽羅に言う。「また陳が侵攻を?」と言う伽羅。楊堅は笑いながら首を振り「今日、朝議で6人の大臣が立て続けに上奏した。天下の才人や美女を後宮に集めるべしと。皇后の意はいかに?」と話す。「その度胸が?」と伽羅が聞く。楊堅は「あるはずもない。明日の朝議では、私は高齢で皇子も多いと断るつもりだ。しかし大臣はこれを聞いて私のことを“役立たず”と陰で笑うのではないか」と言って2人で笑い合う。
「今後は世間の評判や史書の記述で単に“嫉妬深い性格”と罵られてしまう。いわれなき悪名に耐えられるか」と言う楊堅。伽羅は「史書は他人が読むけど、人生は私たちのものよ。世の人々から、あなただって当世の曹操とみられているわ」と返す。楊堅は笑い「我らはまさにお似合いの夫婦だな」と伽羅を胸に抱く。
家に帰ってきても楊堅たちの話を楽しそうにし、夕餉も伽羅の作った冷麺を食べてきた李淵。李淵が剣の稽古に行き「憎らしい楊堅め。数年、山寺に追いやれば愚か者に成り下がると?間者に気づいたわよ」と曼陀はつぶやく。
曼陀は王氏を縄で縛りつけていた。「どうかしら、おば上。腹は決まった?」と聞く曼陀。王氏は「たとえ殺されても、皇宮の抜け道は教えません」と言う。このままでは身を滅ぼします、性懲りもなく陛下と皇后に敵対を?よもやアシナ皇后と手を組むとは、今や隋にとって突厥は天敵なのですよ、と。しかし曼陀は「どうせ私には何も残されていないもの。私の淵はまるで他人の子みたいだわ。楊堅は私の夫になるはずだった。皇后の冠を頭に載せたのは私だったはず。あの2人が私を陥れたのよ」と聞こうとしない。さらに曼陀は「逆賊の悪名を負うのを楊堅は恐れてるのよね。待ってなさい」と言う。
宇文闡が身体中を切り刻まれ殺されたと鄭栄が楊堅に知らせに来る。朝臣や民から真っ先に疑われ、陳に身を寄せた司馬消難(しばしょうなん)が敵討ちを旗印に挙兵するやもしれぬ、と思う楊堅。
司馬消難が欲するのは新帝擁立の功だが、擁立するための主を持っていなかった。先帝に子はいないが、周の宣帝の遺児は莱王と郢王、武帝の遺児は漢王・宇文贊や秦王・宇文贄など6人が存命。鄭栄は「陳の刺客の仕業に見せかけ、宇文家を皆殺しにすれば、先帝を殺した疑いは消えるでしょう」と話す。
「ならぬ。朕は伽羅に宇文家の安泰を約束した」と言う楊堅。鄭栄は「国の存亡とどちらが重要ですか。未熟な王朝が揺らげば臣下だけでなく陛下も、皇后とお子も命はない」と言う。そしてひざまずき「本日にて私は官職を辞し、悪事に手を染めます。全て私が勝手に行うことゆえ、陛下は約束を破ることになりませぬ」と言う鄭栄。
しばらく考えた楊堅は「行くがよい。もはや二度と会わぬ」と告げる。
鳳儀殿。訪れた楊堅に闡を殺したのかと詰め寄る麗華。王座を降りました、天下を手放したのにまだ足りぬのですか、と。楊堅が「私は先帝殺しに関わっておらぬ」と言ったところに、冬曲が急報を伝えに来る。漢王と泰王が刺客に襲われ、曹王・宇文允が落馬し、道王・宇文充は発作を、蔡王・宇文兌と荊王・宇文元は自害なさったと、と話す冬曲。楊堅が「6人そろって偶然のはずがない。刺客の捕縛は?」と聞くと、冬曲は「いいえ。鄭栄が捕まえた者は毒を飲み死にました」と答える。
震える声で「生き残りはいるのよね?」と伽羅が言う。冬曲が首を横に振った所に「莱王と郢王のご遺体が太液地で揚がったと」と新たな知らせが。「これで私の無実を信じたであろう。いくら愚かでも、同日に宇文家を皆殺しにせぬ」と麗華に言う楊堅。
冬曲は「鄭栄が刺客の衣を調べました。陳の織物だとか」と話す。座り込んだ伽羅は、泣きながら約束を守れなかった宇文邕に謝り、気を失う。
「約束したはずだ。なぜ私の子孫を死なせた?」と宇文邕に責められる夢を見て、はっとして目を覚ます伽羅。傍にいた楊堅が「太医が言うには、ひどく驚いたせいだと」と話す。
楊堅は伽羅に薬を飲ませようとする。しかし楊堅が宇文護に襲われた時、夫が助かるなら薬は経つと誓っていた伽羅は飲まない。楊堅は「己の身を犠牲にするな」と話すが、伽羅は「無理してない。約束なの」と言う。
伽羅はあれから調べが進んだか聞く。楊堅は「手配は済ませた。莱王の下働きの男が持っていた血書には、私が自害を迫ったと記されていた。隋の文武百官は愚かではない。陳の国主が私を陥れた罠だと見破った」と答える。「どうするの」と言う伽羅。楊堅は「宇文一族を手厚く葬り、陳の討伐に打って出る」と言う。それに突厥との国境もきな臭い、これから数年はまた苦しい日々が訪れる、と。
国は勇に任せて、心置きなく行けばいい。心配なら私も政に加わるわ」と言う伽羅。楊堅は伽羅の手を取り「宇文家を守りきれず、すまなかった」と謝る。伽羅は楊堅の手から自分の手を放し「謝らないで。夜も更けたし、早めに休んで」と言う。麗華を来させよう、と立った楊堅に、伽羅は「あなたは本当に関わりがないの?」と聞く。楊堅は「もちろん」と返し、天子の名において、宇文一族の死と関わりがないと誓う。偽りであれば隋の命運は50年で尽きるであろうと。
冬曲は「アシナ太皇太后が先帝殺しを指示し、昔の抜け道を刺客に使わせたとか」と楊堅に伝える。「病死させよ」と言う楊堅。しかしアシナ太皇太后はすでに自害していた。
ひざまずいた冬曲は「私は刺客を追って傷を負い、あと数日の命です。家に帰らせてください」と頼む。楊堅が鄭栄から聞いたのか尋ねると「皇后には妹のようにかわいがられ、こんな形で裏切り合わせる顔がありません。それに鄭栄も…」と言う冬曲。楊堅は「分かった。去るがいい。手厚く葬ろう」と告げる。その会話を伽羅が陰から聞いていた。
乾安殿の階段を楊堅と上がりながら“陛下は梁と陳を滅ぼし、中原を統一した。500年以来なれ合わなかった突厥が、初めて漢民族に服従を示した。百官が褒めたたえる。私の夫は不世出の英雄であり、天命を受く天輪王だと。しかし、どうしてなのか、どれほど己を諭しても喜ぶことができない”と思う伽羅。伽羅と楊堅は文武百官や兵、宮女たちを見下ろす。
楊堅は“今日、ここに天下は統一され戦が起こることはない。乱世を終結させる者を独孤丞相は待ち望んだ。そしてついに、この手で成し遂げた。これぞ独孤の天下であり、まさに天下無敵だ”と思う。
鳳儀殿。“その後の20年間、知らぬふりをした。堅と冬曲の会話を心の奥底にしまう。言葉に出さずとも心の中で数え切れないほど問うた。果たして堅が鄭栄に指図したのか。問えない理由は分かってる。堅は夫であると同時に、一国の君主だからだ”と伽羅は涙を流す。
宴に体調を崩されたと伽羅は来ない。舞姫を見つめる楊堅を見た曼陀は笑みを浮かべる。
ーつづくー
曼陀は出て来るたびに何かやらかす( ̄▼ ̄|||)
ちょっと李淵のことは気の毒だなって思ったけど、もとはといえば観音廟に入れられたのも自分のせいなわけで…。
あれだけ世話になってきた王氏にまでひどいことを(;´д`)ノ
もう、救いようがない。
鄭栄や冬曲がこんな形で去ることになるなんて(;д;)
時には笑わせてくれたり、楊堅とふざけ合っていた鄭栄が…。
あの頃が懐かしい。
楊堅と麗華の溝も切ないけど、楊堅と伽羅の溝が悲しい(ಥ_ಥ)
あんなに愛し合って、支え合ってきたのに。
楊堅の気持ちも伽羅の気持ちも分かるような気がする。
皇帝にならなければこんなことにはならなかったかもしれないけど、手に入れなければわからないこともあるし、乱世を終結させたことはやっぱりすごいことだよね。
ただ、伽羅にとっては皇帝よりただの夫でいてほしかったと思う(;д;)
伽羅の「何もかも望まないで」という言葉が痛い。
最後の曼陀、また何か企んでるよね(@_@;)
残りも後1話!!
とんな最終回が待っているんだろう?
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うささんのいうように、皇帝になってから伽羅のうかない表情が辛いですね。
幼い先帝が切り刻まれてって、、恨みの元は、、まさか 曼陀が王氏から秘密の通路を無理やり聞き出して、、?鄭栄の提案を受け入れる前に伽羅に相談してほしかったなあ。冬曲は、夫婦なんですよね?傷を負って人生残り少ないという意味は、鄭栄と一緒に自害するつもりなのでは、、と勘繰ってしまいます。皇帝の立場を守る為だとしても、20年以上、親身を削って主人に仕えてきてご褒美もなくあまりにも酷な人生ですよね、、、、残された楊堅も、伽羅もさみしい、です。
この夫婦は幸せな皇帝夫婦でいてほしいのですが、、やはりその陰には、お姉さんあり、、なのかしら。