ウォールストリートジャーナル(2019/3/20)によれば、米中政府は4月下旬までに貿易交渉をまとめることをめざし、来週、北京で新たな高官協議を開催することになった。
大詰めを迎えつつある米中貿易協議であるが、現在、2つの問題が未解決のまま残されている。
1つは、合意の違反や不履行があった場合、両国でそれをどのように解決するかという問題である。
アメリカ側は、両国の担当者でまず話し合いを行い、解決できなければ交渉責任者のライトハイザー氏と劉鶴(リュウ・ホー)氏で話し合いをおこない、それで解決できなければアメリカが関税を引き上げる仕組みを提案している。
問題は、アメリカが中国に対し対抗的に関税を上げないことを求めているのに対し、中国がそれを強く拒否していること。中国では、この仕組みはアメリカだけに一方的な関税権を認めるもので、不平等条約に等しいものだと強い反発が生じている。
もうひとつの問題は、関税の撤廃ペース。
中国は、トランプ大統領が昨年導入した対中関税すべてをすみやかに撤廃することを求めているが、アメリカは合意内容の履行状況をみながら徐々に関税を撤廃していくことを主張している。
またアメリカは2008年7月と8月に導入した500億ドル分(5.5兆円:1ドル=110円)、25%の関税については撤廃の対象外にすることを主張し、中国とするどく対立している(アメリカは2018年9月に導入した2千億ドル分-22兆円-、10%の関税撤廃については肯定的)。
とくに解決が難しいのが最初の問題である。これがどのように解決されるのか、両国指導者の対応に注目したい。