欧米は6月に入ると夏休みをむかえるところが多く経済紙も記事が少なくなっているが、そんな中、ウォール・ストリート・ジャーナル(2018年6月30日)に新興国の債券利回りが上昇しているという興味深い記事がでた。
同紙によると、新興国が発行するドル建て債券はこの10年に3倍増えて2兆ドル(220兆円:1ドル=110円)にまで増加している。
しかし今年に入って、アメリカの金利上昇や新興国経済への不安の高まりをうけ、新興国への資金流入が減少。
新興国が発行するドル建て債券の利回りは、年初の3.7%から4.7%に上昇している。
新興国債券のデフォルト(債務不履行)も増加。WSJは、とくにアジアのハイ・イールド債(低格付け企業が発行する債券)のデフォルト率が上昇しており、2010年以来はじめて南米、中東、アフリカの数値を超えたと指摘している。
WSJは、現在の状況は行き過ぎ(売られすぎ)だとする見方も紹介しているが、新興国に再び資金が向かう流れがくるのかどうか気になるところである。