大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

米石油採掘企業が破綻

2020年04月28日 | 経済

 2020年4月26日(日)、新型コロナウイルスによる経済悪化の影響をうけ、アメリカの海洋石油採掘企業ダイヤモンド・オフショア・ドリリングが日本の会社更生法にそうとうする破産法第11章(chapter 11)を申請した。

 負債総額26億ドル(2800億円:1ドル=110円)。

 フィナンシャルタイムズによれば、同社は10日前に5億ドル(550億円)の社債の利子を支払えず、ムーディーズは4月16日に同社の格づけを21段階の下から4番目に引き下げたところだった。

 現在、各国中銀が社債やCP(コマーシャルペーパー)の買い入れをはじめたり、その金額を増やしているが、対象となるのは基本的に投資適格の企業。

 Fed(米連銀)は、最近になって投資不適格に格下げされた企業の社債も買い入れ対象にしているが、現在もっとも資金を必要としている長く格づけの下位に沈んでいた企業に救済が拡大される見込みはいまのところゼロ。政府が補填できないほど大きな損失を中銀がかぶる可能性が高いためである(一部で、減産と引きかえに資金援助との報道もあったが実現は難しそう)。

 原油価格が低迷するなか、このような動きがどこまで広がるか注意してみていきたい。



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