大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

アメリカ連邦最高裁、保守派が少数派に転落の可能性

2016年02月14日 | 日記

  ようやく試験の採点が終わった。徹夜を覚悟していたが、10時まえに終わった。ふー。

 ところでアメリカ連邦最高裁判所スカリア裁判官が亡くなった。アメリカの政治、司法を大きく変えるかもしれない大事件だ。

 米連邦最高裁判所の裁判官は9人。大統領が指名し任命するが(上院の同意が必要)、定年はなく、文字通り死ぬまで終身身分が保証されている。自分から辞めるか、亡くなる以外に交代させられることはない。

 最近の勢力バランスは保守派5人、リベラル派4人。昨日までは、このバランスが相当長い間続くものと思われていた。

 ところが先のニュースである。スカリア氏は保守派の最右翼とされていた人物。オバマ大統領の任期中の死去ということで、かわりにリベラル派の裁判官が指名、任命される可能性がでてきた。もっとも上院は共和党が多数派を占めており、すんなり任命が決まることはなさそう。

 近年、米最高裁判所は、保守的傾向(アメリカの保守主義はティーパーティー運動に見られるように国家の権限を極力小さくしようとする立場で、日本の保守主義とは全く異なる)を強めていたが、もし最高裁の勢力バランスが変わることがあれば、オバマ大統領の誕生ぐらいインパクトのある大事件だと思う。これからの動きを注視していきたい。

2016年2月25日追記

 上院で過半数をにぎる共和党は、スカリア氏の後任は次期大統領が決めるべきと主張し、それまで審議に入ることを拒否するとしている。ところが2月24日のWSJは、オバマ大統領はスカリア氏の後任として穏健保守派のネバダ州知事サンドバル氏(共和党)を考慮していると伝えた。事態打開につながるか注目される。 



最新の画像もっと見る