2019年9月25日(水)、シカゴ連銀のエバンス総裁は今年はもう利上げはないとの見通しを明らかにした。
米連銀(Fed)の金融政策を決定する公開市場委員会(FOMC)の定員は12名。現在は二人の欠員があり10人体制となっているが、そのうちの一人がエバンス氏。
9月のFOMCではボストン連銀のローゼングレン総裁とカンザスシティー連銀のジョージ総裁が金利据え置きを主張して利下げに反対票を投じており、エバンス氏をくわえるとFOMCの10人中3人が利下げに反対の立場ということになる。
なおFOMCには投票権を持たない地区連銀総裁も出席し議論に参加している。このメンバーをくわえるとFOMC参加者は現在17人。
9月のFOMCではこのうち 5人が年内1回の利上げを、5人が年内金利据え置きを予想しており、年内利下げを予想するのは7人にとどまっている。
投票権のある10人中5人はトランプ大統領が任命した者で利下げ志向が強い者が多いと思われるが(とくに最近任命された者)、雇用や株価が好調を維持するなか年内に再び利下げがあるのかどうか注目される。
2019/10/5追記
上記の発言のあと、ISM製造業景況感指数などに景気悪化を示唆する結果があいついだ。しかし、エバンス・シカゴ連銀総裁は2019年10月3日、ブルームバーグとのインタビューで、まだ利下げが必要か確信に至っていないと述べた。
なお同じインタビューでエバンス氏はインフレ率の低迷に懸念を示し、一時的にインフレ率が2%を超えても問題ない(インフレ目標の一時的なオーバーシュートの容認)との発言も行っている。