新型コロナウイルスの広がりで経済活動が停滞するとの懸念から原油価格が下落し、シェールオイル採掘の採算が大幅に悪化している。
このため、エネルギー関連企業が発行したハイイールド債のデフォルト(債務不履行)がこれから増加していく可能性が高まっている。
ダラス連銀はシェールオイル採掘(原油が含まれる地層に水と化学物質を高圧注入して原油を抽出する採掘方法)の損益分岐点を調査、公表している。
ダラス連銀によれば2019年5月時点で、シェールオイル採掘の損益分岐点は地域により平均47.5ドルから53.63ドル(1バレル当たり:以下略)。
これに対し、現在の原油価格(WTI)は51.5ドル(2019/2/3日中)。
多くの企業が採算割れをおこしている(企業により損益分岐点は20ドルから75ドルまでの幅がある)。
ちなみに、原油価格は昨年から60ドルを下まわる水準で低迷が続いており、シェールオイル採掘業者の発行するハイイールド債のデフォルト(債務不履行)が上昇していた。
ウォールストリートジャーナルによれば、昨年8月時点でシェールオイル採掘業者の発行するハイイールド債のデフォルト率(債務不履行率)は5.7%と高水準。
これからさらにデフォルト率が上昇していくことが懸念されている。
WSJ紙によれば、2020年から2022年にかけてエネルギー関連企業が発行した1370億ドル(15兆円:1ドル=110円)のハイイールド債が償還をむかえる予定になっている。