2018年6月7日(木)、IMFはアルゼンチンと3年間にわたって500億ドル(5.5兆円:1ドル=110円)の融資枠を設定することで合意した。
フィナンシャル・タイムズなどによれば、今回の融資枠の設定の条件としてIMFは、
1) 今年度は現政権がきめた財政赤字をGDPの2.7%以下におさえるという目標を尊重して、変更は求めない
2) 2019年度の財政赤字はGDPの1.3%以内にすることを求める(従来目標は2.2%)
3) 財政均衡を達成する時期を従来の2021年から2020年に早めることを求める、としている。
アルゼンチンのインフレ率は28%。IMFのもとで、アルゼンチンはインフレ率を2019年に17%、2020年に13%、2021年に9%にすることを目標にするとしている。
ところでこれから新興国で大きな問題となりそうなのが、緊縮財政と景気後退。
現在、多くの新興国で通貨安、高インフレを抑制するため金利が急速に引き上げられている。ここに、緊縮財政が加わると景気に大きな影響が出ることが懸念される。
たとえば同じく通貨安、高インフレにみまわれているトルコは、2017年には積極財政のおかげでGDPが7.4%の大幅上昇をとげたが、ムーディーズは、それが2018年には2.5-4%に大きく低下することを予想している。しばらくの間、新興国の金融政策、景気動向を注意してみていきたい。
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アルゼンチン、IMFに信用供与求める(2018/5/9)