大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

カナダのGM工場でストライキ

2017年09月21日 | 日記

 2017年9月17日(日)、カナダ・オンタリオ州にあるGMのCAMI工場でストライキが始まった。

 交渉の焦点は、生産継続の保証

 これまで同工場では人気が高い小型SUVシボレーEquinoxGMC/Terrainを生産していたが、今年の7月にGMC/Terrainがメキシコに生産移管され、およそ600人の雇用が失われた

 GMは残るEquinoxの生産のためこれまで同工場に6.6億ドル(730億円)を投資しているが、同車種はメキシコでも生産されている。

 Unifor(労働組合)は将来Equinoxがメキシコに生産移管されることを恐れ、EquinoxをCAMI工場だけで生産することを求めているが、GMの同意が得られずストライキに突入した。

 ちなみに同工場は、もともとはスズキとGMの合弁工場だったが、スズキの北米撤退にともない現在はGMの工場となっている。

 ストライキはこれを書いている2017年9月20日(水)現在も続いている。

2017/10/17追記

 2017年10月16日(月)、カナダ・オンタリオ州にあるGM工場(CAMI)で労働協約の批准投票がおこなわれ、技能労働者86%、専門労働者79%の賛成批准がきまった

 これにより9月17日からおそよ1か月続いていたストライキは解除され、10月16日(月)19時から生産準備に入ることになった。

 結局、Unifor(労働組合)が求めていた生産車種EquinoxのCAMIへの集中や生産継続の保証は認められなかった。

 ただ、賃金については、4年間で4%の賃上げのほか、協約締結時の6千ドルのボーナス、4年間で8千ドルの一時金の支給などがきまった。

 また新規採用者の昇給ペースのアップ(従来の労働者の賃金水準に達するまでの期間短縮)もきまった。