日米欧の主要紙がトランプ氏批判を強めている。そうした中、茶会系のテッド・クルーズ氏が票を伸ばしている。気になって、氏のホームページで公約を調べてみた。
とくに驚いたのが、所得税を10%に統一して、IRS(国税庁)を廃止するというもの。ちなみに低所得者には免税をおこない、四人家族であれば3.6万ドル(410万円:1ドル=115円で計算)までは無税。クルーズ氏は、これにより10年間でGDPが13.9%、賃金が12.2%、雇用が480万人増えると主張している。
また茶会系候補の当然の公約として、結婚は男女に限る(同性婚は認めない)。中絶は認めない(pro-life)。
また国境管理を強化し、オバマ政権が進める不法移民へのアムネスティー(長期滞在の事実など一定条件を満たせば市民権を与えること)は認めない、などなど。
一律10%の所得税は極端な政策に思える。しかし現在、上院と下院は共和党が過半数を握っており、その状況が変わらなければ(その可能性がきわめて高い)、あながち実現不可能とも思えない。
過去には、イギリスでサッチャー首相が人頭税(家族人数分、定額の住民税を払う仕組み、ただし低所得者への免税あり)を導入したこともある。
カーター元大統領が、トランプ氏とクルーズ氏だったらトランプ氏を選ぶと言った理由が少しわかった。
どちらの候補がいいかはわからないが、どちらになってもアメリカの政治、経済は大きく変化することになるだろう。
トランプ氏とともにクルーズ氏の動きを注視していきたい。