"ちょっと外から見た日本"

今、スペインに住んでいます。
大好きな日本のこと、
外からの視点で触れて見たいと思います。

“神の手を持つと言われる脳神経外科医の心得”

2011-12-02 04:41:40 | 日記

致知出版社の「人間力メルマガ」よりです。

(転載開始)
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     致知出版社の「人間力メルマガ」

                【2011/11/30】 致知出版社編集部 発行
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 このメールマガジンでは、
 月刊誌『致知』より
 皆さまの人間力を高めるエピソードを
 厳選してご紹介しています。

 本日は、2010年6月号の『致知』より、
「神の手」を持つといわれる脳神経外科の名医・
 佐野公俊氏のお話をご紹介します。


──────────────────────────────────


       「“神の手”を持つ脳神経外科医の流儀」
       
       
           佐野公俊
          (明徳会総合新川橋病院副院長・脳神経外科顧問、
           藤田保健衛生大学名誉教授)


             『致知』2010年6月号
              特集「知識・見識・胆識」
              
                       ※肩書きは掲載当時

─────────────────────────────────

【記者:手術に臨まれる時は、どんなことを心掛けておられますか?】


まずは手術前(ぜん)の下準備ですね。
事に当たる前に、手術がどんなふうに進んで、
どのあたりで難しくなるかといったことを考える。

だから易しい症例でもちゃんと絵を描いて、
チェックポイントを頭の中に置いた上で臨んでいます。


昔はなんとなく頭の中で考えて、
という人が多かったけれども、
私が「絵を描かなければダメだ」と常々言ってますから、
いまではほとんどの人が描いてくれるようになりました。

それと、絵に描くことのもう一つの利点は
「いや、実はこんなふうに思っていたんだよ」と、
後で言い訳ができなくなることです。

合っていれば合っている、間違っていれば間違っている。
そうすると、自分の反省にもなるでしょう。

あぁ、これだけずれていた。ここはこうしたほうがいいんだな、
というのが分かるから、次回に修正することができる。
どんな症例でも絵を描いてから臨まなければ、
手術はなかなかうまくなりません。


それから術後に自分のビデオを「他人の目」で見ることも大切です。
ほとんどの外科医は、自分はもの凄く腕がいいと
思い込んでいるんですよ。

だけど自分のビデオを早送りせず、通常の速度で観ると、
何をもたもたやっているんだとほとんどの人が感じると思う。


だからまず、己を知らなければ。
「彼を知り己を知れば百戦殆からず」ですよ。



【記者:手術中の心得はいかがですか?】



それはもう、術前に描いたとおりにやることですね。
手術が始まれば、後は平常心です。
予想外のことが起こった時に、
どれだけ平静さを失わずに対処できるか。
それこそが医師の経験のなせる業なんですね。

ただ、その瞬間はやっぱり修羅場ですよ。
でもそこで慌てて、ガシャガシャッ、とやったら
大変なことになる。

だからぐっと気を落ち着けて、
いまやるべきことは何かをきちっと見極め、
それを実行に移す。

その辺がやっぱり、エキスパートと生半可との違いに
なってくるんじゃないでしょうか。




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       ●『致知』1月号 特集テーマ「生涯修業」
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(転載以上)


手塚治虫さんの「ブラックジャック」に始まったのでしょうか。
伝説的な外科医が主人公となるドラマもありますね。

佐野公俊さんは、世界でも極めて少ないと言われる無血手術を行う腕を持っていらっしゃるそうです。
特にクリッピング手術と言われる分野では世界的に有名な方で、手術された件数はギネスブックにも認定されているそうです。

「神の手・仏の心を持つ医師」と呼ばれているのですね。
また、「ブラックジャック」ならぬ「ホワイトジャック」と呼ぶ人もいるそうです。


ここで佐野さんが説明されている、手術までの準備段階、手術中の心得のお話には、様々な分野に通ずる普遍的で重要なポイントが含まれているように思います。

“易しい症例でもちゃんと絵を描いて、
チェックポイントを頭の中に置いた上で臨んでいます。”

実践のシュミレーション、本番通りに細かくイメージすることが、やはり一番の近道であるということでしょうか。
“なんとなく頭の中で考える”だけでは充分ではないのですね。

自分でわかっているからいいと思っていても、いざ、本番が始まると、そのあいまいな部分が出て来てしまうということ、私にも思い当たることがあります。
仕事上でプレゼンがある時には、朝スタッフが来る前に、一人で声を出して歩き回ったりしている時があります(笑)。
そうしていると、お客様に伝えるべき大変重要なポイントが抜けてしまっていることに気がついたり、こんな質問が出るのかな、とよりリアルに感じることが出来るような気がします。

“後で言い訳ができなくなること”

“合っていれば合っている、間違っていれば間違っている。
そうすると、自分の反省にもなるでしょう。”

“あぁ、これだけずれていた。ここはこうしたほうがいいんだな、
というのが分かるから、次回に修正することができる。”

だから、佐野さんは、“「絵を描かなければダメだ」と常々言って”いらっしゃるのでしょうね。
どんな分野にも参考になるお話だと思います。


“それから術後に自分のビデオを「他人の目」で見ることも大切です。”

これは、自分に自信があると思っている人にとっても、逆に自信がないと思う人にとっても、なかなかシビアなことだと思います。
でも、それを避けて通ることと、冷静に受け止めて観察することの間には大きな開きがあるのでしょうね。

それは、他人から見た自分と、自分が見た自分の間には、大きな乖離があるということでもあると思います。
その差を埋めていくことは、自分を知るという意味でも重要なことなのでしょう。
私も、自分のゴルフのスイングをビデオで見ると愕然とします(笑)。

“「彼を知り己を知れば百戦殆からず」”

手術の話で、孫子が出てくるとは思いませんでした。


手術中の心得について、

“それはもう、術前に描いたとおりにやることですね。
手術が始まれば、後は平常心です。”

精度の高い準備をしているからこその平常心なのでしょうね。


しかし、予想外のことが起こる時もある。

“どれだけ平静さを失わずに対処できるか。
それこそが医師の経験のなせる業なんですね。”

“ぐっと気を落ち着けて、
いまやるべきことは何かをきちっと見極め、
それを実行に移す。”

修羅場でこそ、その人の本当の姿が顕わになるのでしょう。


“成功さえも試練だということ”

2011-12-01 05:29:28 | 日記
致知出版社の「人間力メルマガ」よりです。
 
(転載開始)
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     致知出版社の「人間力メルマガ」
 
                【2011/11/30】 致知出版社編集部 発行
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   このメールマガジンでは、
   月刊誌『致知』より
   皆さまの人間力を高めるエピソードを
   厳選してご紹介しています。
 
       * *
 
   本日は、月刊『致知』で長年、「巻頭の言葉」を
   ご執筆いただいていた京セラ名誉会長・
   稲盛和夫氏の記事をご紹介します。
 
 
────────────────────────────────────
 
 
        「成功さえも“試練”である」
       
       
            稲盛和夫(京セラ名誉会長)
        
            『致知』2003年4月号
             連載「巻頭の言葉」より
 
 
────────────────────────────────────
 
私は、「試練」とは、一般的にいわれる
苦難のことだけを指すのではないと考えています。
 
 
人間にとって、成功さえも試練なのです。
 
 
 
例えば、仕事で大成功を収め、
地位や名声、財産を獲得したとします。
 
人はそれを見て、
「なんと素晴らしい人生だろう」とうらやむことでしょう。
 
ところが実は、それさえも天が与えた厳しい「試練」なのです。
 
 
成功した結果、地位に驕り、名声に酔い、
財に溺れ、努力を怠るようになっていくのか、
それとも成功を糧に、さらに気高い目標を掲げ、
謙虚に努力を重ねていくのかによって、
その後の人生は、天と地ほどに変わってしまうのです。
 
つまり、天は成功という「試練」を人に与えることによって、
その人を試しているのです。
 
 
いわば人生は、大小様々な苦難や成功の連続であり、
そのいずれもが「試練」なのです。
 
そして、私たちの人生は、その人生で織りなす「試練」を、
どのように受け止めるかによって大きく変貌していくのです。
 
 
私たちは、苦難あるいは僥倖、そのいずれの「試練」に遭遇しても、
決して自らを見失わないようにしなければなりません。
 
つまり、苦難に対しては真正面から立ち向かい、
さらに精進を積む。
 
また成功に対しては謙虚にして驕らず、
さらに真摯に努力を重ねる。
そのように日々たゆまぬ研鑽に励むことによってのみ、
人間は大きく成長していくことができるのです。
 
私は、現代の混迷した社会を思うとき、
私たち一人ひとりが、どのような環境に置かれようとも、
自らを磨き、人格を高めようとひたむきに努力し続けることが、
一見迂遠に思えても、結局は社会を
よりよいものにしていくと信じています。
 
 
 
……………………………………………………………………………………
■稲盛和夫氏から『致知』へのメッセージ
……………………………………………………………………………………
 
 昨今、日本企業の行動が世界に及ぼす影響というものが、
 従来とちがって格段に大きくなってきました。
 
 日本の経営者の責任が、今日では
 地球大に大きくなっているのです。
 
 このような環境のなかで正しい判断をしていくには、
 経営者自身の心を磨き、精神を高めるよう
 努力する以外に道はありません。
 
 人生の成功不成功のみならず、
 経営の成功不成功を決めるものも人の心です。
 
 私は、京セラ創業直後から人の心が経営を決めることに気づき、
 それ以来、心をベースとした経営を実行してきました。
 
 経営者の日々の判断が企業の性格を決定していきますし、
 経営者の判断が社員の心の動きを方向づけ、
 社員の心の集合が会社の雰囲気、社風を決めていきます。
 
 このように過去の経営判断が積み重なって、
 現在の会社の状態ができあがっていくのです。
 
 そして、経営判断の最後のより所になるのは
 経営者自身の心であることは、
 経営者なら皆痛切に感じていることです。
 
 我が国に有力な経営誌は数々ありますが、
 その中でも、人の心に焦点をあてた
 編集方針を貫いておられる『致知』は際だっています。
 
 日本経済の発展、時代の変化と共に、
 『致知』の存在はますます重要になるでしょう。
 
 
 
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 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 
(転載以上)
 
 
 
普通、“仕事で大成功を収め、地位や名声、財産を獲得した”ら、それで大満足です。
 
申し分ありません。
 
 
しかし、稲盛さんは、
 
“実は、それさえも天が与えた厳しい「試練」なのです。”
 
とおっしゃいます。
 
 
“天は成功という「試練」を人に与えることによって、
その人を試しているのです。”
 
ともおっしゃいます。
 
 
“いわば人生は、大小様々な苦難や成功の連続であり、
そのいずれもが「試練」なのです。
 
そして、私たちの人生は、その人生で織りなす「試練」を、
どのように受け止めるかによって大きく変貌していくのです。”
 
 
本当に素晴らしい言葉で、思わず感動してしまいます。
 
 
よく、あの人は器が大きいとか、小さいとか言います。
 
その器の大きさとは、その人が大切にするものの考え方から、にじみ出てくるものなのかも知れないと思います。
 
 
“私は、現代の混迷した社会を思うとき、
私たち一人ひとりが、どのような環境に置かれようとも、
自らを磨き、人格を高めようとひたむきに努力し続けることが、
一見迂遠に思えても、結局は社会を
よりよいものにしていくと信じています。”
 
 
社会をよりよいものにしていくということが、稲盛さんの生き方の原点になっていることがよくわかる言葉です。
 

“深夜まで記者会見に応じた橋下徹さん”

2011-11-30 05:10:10 | 日記

天木直人さんのメールマガジンよりです。

(転載開始)

□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
■□■
□■ 天木直人のメールマガジン2011年11月29日第838号
■ 
 
 =============================================================

  深夜まで記者会見に応じた橋下徹の姿                                     
   
 ============================================================


 賢明な読者ならお分かりだと思うが私は橋下徹を手放しで褒めている
わけではない。

 それどころか彼の言動は根本において私の考えと相容れないもの
がある。

 いずれ彼の正体がわかるだろう。そして私は彼を政治家として批判
する事になるかもしれない。

 しかし彼はおよそ私が知っている政治家にはないものを持っている。
私はそれに期待するのだ。

 私が彼と最初に面識を持ったのは今から6−7年ほど前のことだった。

 大阪
読売テレビのスタジオで「やしきたかじんのそこまで言って
委員会」の収録前に挨拶を交わした時だ。

 その時まだ彼はテレビに出始めたばかりでもあり、腰の低い好感の
持てる人物だった。

 その後彼は「行列のできる法律相談所」のレギュラー出演者などで
あれよあれよとメディアの寵児となり、大阪府知事になってからは
文字通り日本を動かす政治家になった。

 私がいくら連絡を取ろうとしてもとれない人になった。

 人は境遇によって変わる。橋下氏が変わってもおかしくはない。

 それでも彼の言動の中には感心するほど私の共感を呼ぶものがある。

 たとえば彼はテレビの前で言っていた。

 政策などは誰でも語ることはできる。しかし政策を実現するのは
権力だ、と。権力がなければ実現したい政策は決して実現できない。
そのための政治家であり権力なのだ、と。

 これこそが私が言い続けてきたことだ。

 ただの人がいくら平和を訴え、日米同盟からの自立を訴えても徒労
に終わる。しかし政治家であるならば事情はことなる。たとえ政権を
握らなくても、たとえひとりの政治家であっても、官僚を動かして政策
実現に影響力を与えられる。それが
有権者の付託を受けた政治家の権力
というものなのである。

 問題は今の政治家に政策実現のために権力を正しく行使する力量と
覚悟のある政治家がひとりもいないことだ。

 護憲政治家が無力であるのは、彼らが万年野党だからではない。
辻元清美の言うように政権政党の中に入らなければ何もできないのでは
ない。

 誰ひとり、政治家としての権力を正しく使っていないからである。

 権力は使い方を間違うと危険だ。しかし権力がなくては正しいことも
実現できないのである。

 前置きが長くなったが私がこのメルマガで言いたいことはこれから
書くことである。

 きょう(11月29日)の産経と朝日が、大阪ダブル選挙の当確が
決まった選挙当日の9時過ぎから始まった橋下の記者会見の内容を記事に
していた。

 記者会見をテレビで聞いていた私にはその内容には興味は無い。

 私が感動したのは質問が終わるまで記者会見を続けるという方針を
貫徹した橋下の姿勢である。

 テレビ放送は記者会見の途中で終わったが、結局その記者会見は夜中
過ぎまで延々と三時間以上も続いた事を私はこの新聞記事で知った。

 ただでさえ記者の執拗な質問を敬遠する政治家だ。

 古くは
佐藤栄作首相の記者会見拒否騒動がある。

 いまの菅、野田首相は記者会見さえ逃げている。

 あの小泉首相でさえぶら下がりでは自分の都合の言いことしか言わ
なかった。メディアを通して国民に答えるというより自分を売り込む
手段に使っただけだ。

 しかし橋下は違う。

 どんな質問にも正面から答えようとつとめた。

 選挙直後で疲れ果てていたに違いないのに、不勉強な記者のつまら
ない、執拗な質問に最後まで答えた。

 こんな政治家がかつていただろうか。

 ここに私は橋下に対する期待を感じるのである。

 国民とともに政治をする、そのようないままでにない政治家になって
貰いたい。

                             了  
(転載以上)                    
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昨日、日本からのお客様と食事をさせて頂きました。

「今の日本には、組織を動かせる政治家がいない。」

という言葉がありました。


その中で唯一橋下さんの名前が挙がりました。

「やらせて見ればいい。そのやり方はともかく、彼は命を懸けている。そのような政治家が増えればいいのだが。」

とおっしゃっていました。

そのお客様は保守的と言われるバックグランドでいらしたので、そのコメントには意外感があり、とても新鮮に感じました。


今回の選挙において、橋下さんは、大阪の知事から、なんと市長選へと切り替え、見事、知事選とダブルで勝利しました。

相手候補には、民主党と自民党が相乗りになるどころか、共産党も味方する内容でした。

回りは敵ばかりということでしょう。

そしてその大部分は、既存の利権や自分の利益を壊されてとは困るという背景だったような気がします。


選挙当日に、深夜までエンドレスで記者会見に応じる政治家が、今、日本に何人いるでしょうか。

それ一事を見ても、私利で動ける次元はとっくに超えていることがわかります。


橋下さんの政治手法、また個人のプライベートに関すること含めて、これからも様々なうわさばなしや、中傷が出てくるでしょう。

既存のマスメディアにも、守るべきものがあるでしょうから、喜んでそのようなトーンで報道すると思います。


その際、なぜそのような話が出ているのか、一体だれが流しているのか、

そして、真実
はどこにあるのか、ということはちゃんと見て行った方がいいと思っています。


“人生、すべて当たりくじ”

2011-11-29 06:08:07 | 日記

致知出版社の「人間力メルマガ」よりです。

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     致知出版社の「人間力メルマガ」

                【2011/11/28】 致知出版社編集部 発行
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 このメールマガジンでは、
 人間力を高める月刊誌『致知』から、
 そのエッセンスの一部をご紹介しております。

 本日は、2009年7月号の『致知』より、
 イトーヨーカ堂の店舗展開という重責を担い、
 商習慣の異なる中国の地で見事その実を結んできた
 セブン&アイ・フードシステムズ元社長、
 塙昭彦氏のお話をご紹介します。


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       「人生、すべて当たりくじ」
       
       
          塙昭彦
          (セブン&アイ・フードシステムズ社長・
           前イトーヨーカ堂中国総代表)


             『致知』2009年7月号
              特集「道をひらく」より


                       ※肩書きは掲載当時

─────────────────────────────────

私どもの会社はセブン&アイホールディングスの
フード事業会社として一昨年(2007年)設立されました。

デニーズジャパン、ファミール、ヨーク物産の三つを吸収合併し、
レストラン、ファストフード、それに社員食堂などの
コントラクトフード事業の店舗展開
(2009年2月末現在、計959店舗)を図っています。

いま、「生活で何を節約しますか」と聞かれて
約七割の方が「外食」と答えるような時代です。

このように外食産業が大きな曲がり角にある厳しい時だけに、
やはり事業を集約して仕入れ先などを統合し、
食という一つのテーマを追求していくべきではないかと。

ただ、業績は大変厳しくて、初年度は赤字でした。
何とかこれを黒字にしたいと思いまして
目下奮闘している最中なんです。


もう一つ、私にはイトーヨーカ堂取締役中国総代表という
仕事があります(取材当時)。
月に約一週間は店舗がある中国の北京や成都に行って
現地のイトーヨーカ堂の責任者たちと会議をして、
今後の事業展開などを話し合うんです。

売り上げは一千億円弱といったところでしょうか。
おかげさまでこちらのほうは大変順調に利益が伸び続けております。


セブン&アイ・フードシステムズが設立された後、
中国から呼び戻され、二つの重責を担うようになりました。

中国室長の辞令をいただいたのは十三年前の平成八年、
メンバーは私一人でした。

それまで営業本部長だった私には
二万五千人の部下がいたんです。
それが突然ゼロ、しかも中国は初めての土地です。

周囲からは左遷と見られ、
これから一体どうなるのかという思いでしたね。


しかし、一緒に行きたいと名乗り出る仲間が現れて、
彼らが必死にやってくれたおかげで
今日があると思っています。

中国という大地に播いた種は、
花を咲かせて、実を結ぶようになりました。


やはり大事なのは、どのような厳しい環境でも、
そこに踏みとどまって頑張ることだと思いますね。
逆境や不遇の時、「いやだ、いやだ」と逃げ回ったり
自己逃避したり、じっとしてるだけでは
何の解決にもなりませんから。

そんな時は、自分の心を強くして、闘い、
克つ以外にないんです。


人事異動でも何でも世間の誰もが
「外れくじ」と思う出来事ってありますね。
でも、世間や周囲の人がどうあれ、自分だけは


「このくじは当たりだ」


と思うことが大事なんです。

そのように考えたら、何事があろうと


「人生すべて当たりくじ」


じゃないですか。

私は子供の頃から、随分と劣悪な環境の中で生きてきましたが、
その時、常に自分に言い聞かせてきたのが、
この「人生、すべて当たりくじ」という言葉でした。




……………………………………………………………………
○人間力メルマガ読者の方からのご感想
……………………………………………………………………

  毎日、メルマガを楽しみにしています。
  毎日の配信ありがとうございます。

 驚くことはその内容が何年も前の記事であっても、
 内容が全く古いことを感じさせず、
 むしろ今必要な情報であることが多いので、
 毎日勉強させていただいています。

 また、いいなと思った記事は
 会社の課の中で回覧してシェアをさせて頂いております。
 物事の真髄をついた言葉は月日を経ても色あせないこと、
 むしろ輝くことをメルマガを読ませて頂いて
 実感させて頂きました。

 今後も宜しくお願い致します。


……………………………………………………………………………………
人間力メルマガのベスト記事26本を書籍化
一流たちの金言』(藤尾秀昭・監修)
 ⇒ 
http://www.chichi.co.jp/book/7_news/book934.html


(転載以上)
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「人生すべて当たりくじ」、とてもシンプルな言葉ですね。

一見不本意な異動だったり、出来事に遭遇したりすると、つい、なんで自分が、と思ってしまったりします。


しかし、そうなったという事実はもう変わらないわけですから、そのことを正面から受け止めて、新たな一歩を踏み出して行くしかないわけです。


そんな時に、これは「当たりくじ」なんだ、と何度かつぶやいて、本当にそう思えるようになったら、段々力が湧いてきますよね。


そして、それはやはり真実の言葉なのだと思います。


“今を生きるということ”

2011-11-28 05:17:16 | 日記

致知出版社の「人間力メルマガ」よりです。

(転載開始)

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     致知出版社の「人間力メルマガ」

                【2011/11/27】 致知出版社編集部 発行
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本日は『致知』の人気連載コーナー「致知随想」の中から、
特に反響の多かった記事をセレクトしてご紹介します。

今回は2003年9月号の『致知』より
写真家・菊池和子さんの随想です。

ぜひ最後までお読みください。


────────────────────────────────────
■「致知随想」ベストセレクション 
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       「いまを生きたい」
       
                   
                          菊池和子(写真家)

        
               『致知』2003年9月号
                     致知随想より

────────────────────────────────────
 
数年前、新しい小学校へ異動したばかりの頃のことです。
朝、車椅子を押した女性が昇降口を目掛けて走ってきました。


「おはよう!!」

「きょうもしんちゃんのことよろしくね!!」


その女性は校庭で遊ぶ生徒たちに明るく声を掛けながら、
ギュンギュンとものすごい速さで車椅子を押しています。

今度赴任する学校の六年生に「筋ジストロフィー」に冒された
「しんちゃん」という男の子がいることは聞いていました。
あの車椅子はしんちゃん親子だ。すぐに察しがつきました。

しんちゃんのお母さんはとにかく明るい人でした。
彼は二十四時間の看護を必要とします。
授業中はもちろん、自分の力で寝返りを打てない
しんちゃんのために熟睡せずに側にいるのです。

しかし、彼女はいつも元気で笑顔。
一度も疲れた顔や暗い顔を見せたことがないのです。

これまでの教師生活の中でも、
障害児とそのご家族と接する機会がありましたが、
しんちゃんのお母さんは少し違いました。

明るいというより、むしろ突き抜けている。

ありのままの息子を心から愛し、いまを楽しんでいるのです。

素敵だな。そう思いました。

そして、私は彼女に
「あなたの写真を撮らせてもらえない?」と申し出たのです。


しんちゃんと出会う少し前、私はいまで言う
「自分探し」をしていました。
四十代半ばにさしかかり、教師生活も折り返し地点を
過ぎてしまった。

わが子も手が離れ、これから自分が
一生取り組んでいけるものは何だろう――。

様々なことにチャレンジしながら、
最後に私の心を射止めたのは雑誌で見つけたこの言葉でした。


「写真もあなたの言葉です」


以来、写真を自分の表現手段と決め、昼間は教師をしながら、
夜間と土日に専門学校へ通って勉強を続けていました。

「旬の女」。

そんなテーマを設け、授業の空きがあれば
しんちゃんのお母さんを撮り続けました。

学校だけでは飽き足らず、家やしんちゃんの
かかりつけの病院にもついていきました。
しかし、お母さんを写すにも、隣にはいつもしんちゃんがいます。

自然と二人の写真が増えていきました。
ある日、二人の写真を専門学校の先生に見せると、


「お母さんも素敵だけど、しんちゃんの表情は
 なんとも言えない味があるね」


と言われました。

しんちゃんは、確かに味のある顔をしています。
生まれながら難病・筋ジストロフィーに冒され、
一度も立ったことがありません。

お医者さんには「恐らく長く持っても十五歳が限度」と言われ、
いつも死は隣り合わせです。

それでもしんちゃんはどんな時も
優しい微笑を浮かべています。
気がついたら、私のカメラはいつの間にか
しんちゃんへと向かっていました。

撮影を通して、私は筋ジストロフィーという
病気の恐ろしさを知りました。
次第に筋力が衰えていくこの病気は、
手足だけでなく、胃や肺、心臓などの内臓の筋肉までも
衰えていくのです。

食べることもままならず、ちょっと唾液が肺に入れば、
自分で吐き出す力もなく、それが原因で死ぬことだってありうる。

さらに、患者は何万人に一人と少数のため、
がんやエイズに比べて、真剣に治療法を
研究しようという人が非常に少ないといいます。

知れば知るほど、これほどまでに過酷な状況において、
なぜこの家族はこれほどまでに明るく、
ゆったりと構えていられるのか不思議でした。

私も子を持つ親です。
もしも自分が不治の病の子どもを持ったらどうだろうか……。

しかしある時気がつきました。
彼らは「明日がある」とは考えていません。

いつもいまを精いっぱい生きているのです。
しんちゃんが外に行きたいと言えば、
何をさておいても連れて行きます。

お寿司が食べたいと言えば、万難を排して連れて行き、
明日しんちゃんがいなくなっても
後悔しないようにしているのです。

彼が願うことをご両親は精いっぱい叶えてあげる。
それがこの家族の喜びなのです。

もしかすると五体満足の子を持った親は、
遠い将来を見すぎなのかもしれません。

大学に行くために小学生のうちから勉強させる。
スポーツをさせる。ひどい場合には
「隣の○○ちゃんが行っているから、あんたも塾に行きなさい」など、
勝手に親が焦り、子どもが望んでいないことをやらせる。
そこに子どもの意志はないのです。

私はしんちゃんが小学校を卒業するまでの一年間を
写真に収めました。
その間で多くの気づきと反省があり、そして転機がありました。

しんちゃんの写真が認められ、個展を開催するとともに、
写真集『しんちゃん』を出すことになったのです。

私は教職を辞して、写真家の道を歩む決意をしました。
やはり二足の草鞋では、どちらにも百%の力は注げません。
食べるだけならなんとかなる。

いまを精いっぱい生きたいという思いから写真に賭けてみたのです。

「後悔しないで生きる」。

口で言うのは簡単ですが、実践するのは
並大抵のことではありません。

しかし、しんちゃんとご両親の姿を見て、
自分も二度とない人生を懸命に生きたいと思っています。

今年の秋、しんちゃんは十六歳になります。
迫りくる死に臆することなく、
自分の命を燃やし続けるしんちゃん。

私も負けずに写真への情熱を燃やし続けたいと思います。



……………………………………………………………………
○人間力メルマガ読者の方からのご感想
……………………………………………………………………

  現在はメルマガのみの購読ですが、
  いつも楽しみに読んでいます。

 時には微笑み、また、
 涙がでそうになったりしながら・・



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人間力メルマガのベスト記事26本を書籍化
『一流たちの金言』(藤尾秀昭・監修)
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       ●『致知』12月号 特集テーマ「孔子の人間学」
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         ※『致知』は書店では販売しておりません。
    
     
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(転載以上)

 

不治の病と言われる筋ジストロフィーのしんちゃんには、だれかが24時間ついてあげなくてはなりません。

24時間つきっきりで見ていらっしゃるお母さんには、プライベートの時間もなければご自分が寝る時間もありません。

それなのに、しんちゃんのお母さんがなぜこんなに明るくされているのか。 

しんちゃんには、明日か来るのかどうかもわからない、だから一日一日を生きて欲しい。
だからそのための苦労はもう苦労と思っていらっしゃらないのかも知れません。

お母さまは、今という時を生き切っていらっしゃるのですね。

言うのは簡単なことですが、実際にその生活を毎日毎時毎分続けていかれるということは、いかに大変なことなのか、少し想像するだけでもわかります。

しかし、このお母さんにとっては、それが紛れもない現実であり、真正面から向き合うことに文字通り命を懸けていらっしゃるのですね。

そして、その覚悟は、突き抜けた明るさとなって行ったのでしょうか。

しんちゃんは、そのお母さんの姿を一瞬一瞬、全身で受け止めているのでしょうね。
しんちゃんの素晴しい表情はそれを物語っているのでしょう。

そして、しんちゃん親子を撮り続ける菊地さんも、また、今を生きている方なのだと思います。


“孔子はハローワークだった”

2011-11-26 05:07:07 | 日記

致知出版社「偉人たちの一日一言」よりです。

(転載開始)
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

    「偉人たちの一日一言」
 
     〜致知出版社が贈る人生を養う言葉〜
               発行 (株)致知出版社

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


世界三大聖人の一人である孔子は、
どのような人生を歩んだのでしょうか。

月刊『致知』最新号では、「孔子の歩いた道」をテーマに、
多数の著作のある中国文学者・守屋洋氏と
独自の漢文授業を行ってきた佐久協氏が対談され、
不遇の人生を送った孔子の生涯が反響を呼んでいます。


本日から3回にわたり、
その中から仕事や人生に役立つ孔子の生き方の
エッセンスをご紹介します。

参考にされてみてください!


―――――――――――――――――――――――――
 今日の言葉【特別版1】2011年11月23日(水)
―――――――――――――――――――――――――
<孔子はハローワークだった>


【佐久】

(孔子は)門弟三千人ともいわれていましたね。
 実際に三千人いたかどうかは分かりませんが、
 名前は相当通っていたでしょう。
 
 意外といえば意外ですが、孔子はそこで、
 いまのハローワークみたいな活動を一所懸命やっていました。

 自分の思想に基づいて人を育て、
 その就職斡旋を通じて自分の思想を広めていこうと。
 それができるという自信があったのでしょう。
 有名な、

「逝く者はかくのごときか。昼夜を舎めず」

 という言葉は、最晩年の嘆きというのが一般的な解釈ですが、
 そういう嘆きは孔子に相応しくない。

 すべては川の流れのように滔々と
 未来に向けて受け継がれてゆくものだ、
 と未来への希望を述べたものという解釈もあります。

 私もここには、そんな肯定的な気持ちが含まれていると思います。


【守屋】

 そういう孔子の生き方から、何を学ぶべきか。
 いまの私の心に響くのがこの晩年の言葉です。

「その人となりや、憤(いきどお)りを発して食を忘れ、
 楽しみて以って憂いを忘れ、
 老いの将(まさ)に至らんとするを知らざるのみ」
 
 気持ちが盛り上がってくると食事も忘れてしまうと。
 孔子のやる気、ものごとに取り組む姿勢を表しています。
 孔子は晩年までそういう姿勢を持ち続けていたということですね。
 
 それから、楽しみて以って憂いを忘れと。
 これはどっちかというと中国流で、楽しみなくして何の人生ぞやと。
 孔子には酒や音楽も楽しみでした。
 しかし一番の楽しみはやはり、
 弟子を育てる楽しみだったでしょうね。

 ・・・明日につづく


●対談「孔子の歩いた道」
     守屋洋(中国文学者)&佐久協(作家、元高校教師)

⇒ 
http://www.chichi.co.jp/monthly/201112_pickup.html#pick1



******************************

★好評★ 初めての孔子・論語 特集号!
 日々の心の糧となる名言が満載です。

  月刊『致知』最新12月号・特集テーマ「孔子の人間学」
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http://www.chichi.co.jp/monthly/201112_index.html

******************************
(転載以上)


孔子が素晴らしいと思うのは、孔子は、日常の生活、仕事をきちんとこなして行かれたということです。

決して人里離れて隠遁生活をしていたわけではありません。


“いまのハローワークみたいな活動を一所懸命やっていました。”


社会とのかかわりを持つ、というよりもむしろ、積極的にその中に入っていったということは、このエピソードからもわかりますね。


そして、その人生は決して順風満風と言えるものではありませんでした。

むしろ悪戦苦闘の連続だったと言えるでしょう。


しかし、そのような経験を重ねる中から、実際に使える真理を見つけ、それを練り上げて行ったところが素晴らしいと思うのです。

だからこそ、「論語」に書かれていることは、時を越えてもびくともせず、私たちの心に訴えかけ、人生の基軸となり続けるのだと思います。


“人生の意思決定をする瞬間について”

2011-11-24 04:29:30 | 日記

致知出版社の「人間力メルマガ」よりです。

(転載開始)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     致知出版社の「人間力メルマガ」

                【2011/11/23】 致知出版社編集部 発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


本日は『致知』の人気連載コーナー「致知随想」の中から、
特に反響の多かった記事をセレクトしてご紹介します。

今回は現在発行中『致知』12月号より
SPIあ・える倶楽部社長・篠塚千弘(ちひろ)さんの随想です。


※明日24日(木)放映の人気テレビ番組
『カンブリア宮殿』に、ご主人の篠塚恭一氏が
 登場されるそうです。ぜひご覧ください。
 
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/yokoku.html

 篠塚ご夫妻は『致知』の熱心な愛読者でもあります。


────────────────────────────────────
■「致知随想」ベストセレクション 
────────────────────────────────────


       「介護旅行で深まる絆」
       
                   
                          篠塚千弘(SPI あ・える倶楽部社長)

        
               『致知』2011年12月号
                    「致知随想」より

────────────────────────────────────


 寝たきり、持病、車いす……。
 体に様々な不安を抱える方々の夢を
 我われトラベルヘルパーが叶えます――。
 
 皆様はあまり馴染みがないかもしれませんが、
 トラベルヘルパーとは高齢者や障がいを持つ方の旅行などに、
 専門の介護技術を持つ者が同行し、
 お客様のサポートをさせていただく、外出支援専門員のことです。


 例えばこんな事例があります。
 
 お嫁さんが重い介護状態のお母様の世話をしておられ、
 たまには旅行に連れ出してあげたいけれど、
 自分一人では介助が大変だと困っていました。
 
 そこで女性二人のトラベルヘルパーが同行し、
 お母様は綺麗な景色を温泉に浸かりながら見ることができ、
 すごく嬉しかったと言ってくださいました。

 また、お嫁さん自身もお母様の表情を見て、
 「また介護を一所懸命しようという気になりました」
 と言ってくださり、いまでは
 年に二回の温泉旅行をとても楽しみにしておられます。

 このように、ご本人はもちろんのこと、
 介護をしておられるご家族の方々のよい気分転換にも繋がり、
 それがお互いの絆を深める機会にもなるのでしょう。

 私たちがお手伝いをするのは旅行だけではありません。

 共に障がいを持ち、別施設で暮らす母と子が
 数時間だけ一緒の外出を楽しんだり、
 お孫さんの七五三祝いに行かれる方などご要望も様々で、
 咋年はおかげさまで一昨年度の二倍近い
 五百名のお客様にご利用いただきました。


 社内にはスタッフ約十名が常駐し、
 お客様からご相談があると綿密に打ち合わせを重ね、
 全国各地にいる六百五十名の
 登録トラベルヘルパーの方へ業務を依頼します。

 弊社は、私の夫である篠塚恭一が
 一九九一年に創業しました。
 その頃私は三人の子供を育てながら、
 経理や会計の手伝いなどをしていました。

 夫はその前に先輩に誘われて別の会社を立ち上げたのですが、
 バブルの煽りを受けて経営が立ちゆかなくなり、
 残った六十数名の派遣契約のスタッフを
 食べさせていくのに四苦八苦していました。

 私には会社の状況は詳しく分からなかったのですが、
 お金がない、ということは分かります。
 私も親元から借金をしたり、
 保険会社から貸し付けをしてもらうなど、
 自分にできるあらゆることをやりました。

 ただ、私はこのような状況にあっても、
 なぜか不安や危機感はなく、
 むしろその状況を「楽しい」とさえ感じていました。

 当時弊社はツアーコンダクター(団体旅行の添乗員)の
 派遣事業をメインにしていましたが、
 夫は介護つきの旅行がシニア層向けの
 新しい仕事になるのではないかと、
 時折私にも話してくれていました。

 いつものように車で夫を駅へと送る途中、
 
 「これからはどういう時代になるのかな。
  何がうちにとって一番いいことなのかな?」
  
 と質問をされました。
 
 その時、私はとっさに
 
 
 「これからはトラベルヘルパーの時代だと思う」
 
 
 と言ったことをはっきり覚えています。
 新たな事業に対するこの確信ともいえる
 思いがあったからこそ、
 どんなに大変なことがあってもそれを支えに、
 乗り越えてこられたのではないかと思うのです。

 これは介護旅行を利用されるお客様の場合でも同様で、
 この先に何か楽しいことがあると思えると、
 どんな辛さや苦労ですら
 楽しめるようになるのではないかと感じています。

 弊社のお客様の中に、自分ではもう歩くこともできず、
 毎日一人で施設の天井を見ているだけという
 寝たきりの方がおられます。
 
 この方が年に二回五日間だけ、
 弊社のサービスを利用し旅行や外出を楽しまれるのです。

 ご自身で「ウィッシュリスト」というものを作っておられ、
 「○○を買いたい」「○○を食べたい」など、
 次の旅行へ行った際に自分がしたいことを
 一つひとつ書いているのです。

 そのお客様は
 
 
 「一年のうち三百六十日間、旅先の五日間に
  何をするか楽しみに考え毎日を暮らしています。
  その五日間があるから毎日元気に過ごせるの」
  
 
 と話しておられました。

 私には思いもよらない言葉でしたが、
 そのように毎日希望を持って生活していただける方を
 一人でも二人でも多く増やしていくことが
 私たちの仕事ではないかと感じています。

 また、そういうお客様の喜ぶ姿に感動し、
 「サービスの質をもっと上げるにはどうしたらいいか」
 と皆で活発に意見を出し合いながら、
 主体的に取り組んでくれるスタッフが
 増えてきたことも嬉しいことです。

 私は二年前、NPO法人日本トラベルヘルパー協会理事長に
 なった夫に代わって、弊社の社長を継ぎました。
 現在ではトラベルヘルパーの存在も
 徐々に知られつつありますが、
 会社を始めた頃は、偽善だのお金儲け主義だのと
 夫は様々な誹謗中傷にも遭ってきたそうです。
 
 それまで行ってきた一般の観光事業を
 介護旅行にシフトしていくと伝えた途端、
 社員数十人がごっそり辞めてしまい、
 売り上げが七割減に陥ったこともありました。

 私はそんな夫の事業を手伝いながら、
 幼い頃、祖母がいつも言って聞かせてくれていた言葉を
 常に反芻していました。


「いいことをしても、悪いことをしても、
 地球を三回廻ると、自分の元に返ってくる――」
 
 
 情けは人のためならずといいますが、
 誰かのために一所懸命ことに当たっていれば、
 それは巡り巡って自分自身に返ってくる。
 
 おかげさまで、弊社は現在創業二十年を迎え、
 売り上げも一億七千万円にまで発展させていただきました。
 弊社の事業を通じて、祖母が聞かせてくれた言葉の重みを
 日ごとに実感しています。




■編集部ブログで、介護旅行の写真をご覧いただけます。
⇒ 
http://ameblo.jp/otegami-fan/day-20111109.html

(転載以上)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


トラベルヘルパー、恥ずかしながら今までそのお仕事について知りませんでした。

素晴らしい役目を担っていらっしゃるのですね。


もともとは、ツアーコンダクター(団体旅行の添乗員)の派遣事業がメインだった、

そこからの方向転換。


介護つき旅行の成長性については、ご主人からたびたび聞かれていたようですが、

やはりそれを決める決定的な瞬間があったのですね。


“いつものように車で夫を駅へと送る途中、
 
 「これからはどういう時代になるのかな。
  何がうちにとって一番いいことなのかな?」
  
 と質問をされました。
 
 その時、私はとっさに
 
 「これからはトラベルヘルパーの時代だと思う」
 
 と言ったことをはっきり覚えています。”


“偽善だのお金儲け主義だのと様々な誹謗中傷にも遭ってこと”
 
“社員数十人がごっそり辞めてしまい、売り上げが七割減に陥ってしまったこと”


そうした苦境を乗り越えることが出来たのは、“新たな事業に対するこの確信ともいえる思いがあったからこそ”、だったのですね。
 

「いいことをしても、悪いことをしても、
 地球を三回廻ると、自分の元に返ってくる――」


ご主人の事業を手伝いながら、常に反芻していたおばあさまの言葉・・・。

この言葉を反芻しながらご主人について行かれたちひろさん、夫婦の深い絆があってこそのことだったのだと思います。


“ブータン国王、国会での演説全文”

2011-11-23 04:15:15 | 日記
来日されたワンチェク国王が11月 17日に国会でスピーチをされました。その全文を下記より転載させて頂きます。
 
(転載開始)
天皇皇后両陛下、日本国民と皆さまに深い敬意を表しますとともにこのたび日本国国会で演説する機会を賜りましたことを謹んでお受けします。
衆議院議長閣下、参議院議長閣下、内閣総理大臣閣下、国会議員の皆様、ご列席の皆様。世界史においてかくも傑出し、重要性を持つ機関である日本国国会のなかで、私は偉大なる叡智、経験および功績を持つ皆様の前に、ひとりの若者として立っております。
皆様のお役に立てるようなことを私の口から多くを申しあげられるとは思いません。
それどころか、この歴史的瞬間から多くを得ようとしているのは私のほうです。このことに対し、感謝いたします。
妻ヅェチェンと私は、結婚のわずか1ヶ月後に日本にお招きいただき、ご厚情を賜りましたことに心から感謝申しあげます。ありがとうございます。
これは両国間の長年の友情を支える皆さまの、寛大な精神の表れであり、特別のおもてなしであると認識しております。
ご列席の皆様、演説を進める前に先代の国王ジグミ・シンゲ・ワンチュク陛下およびブータン政府およびブータン国民からの皆様への祈りと祝福の言葉をお伝えしなければなりません。
ブータン国民は常に日本に強い愛着の心を持ち、何十年ものあいだ偉大な日本の成功を心情的に分かちあってまいりました。
3月の壊滅的な地震と津波のあと、ブータンの至るところで大勢のブータン人が寺院や僧院を訪れ、日本国民になぐさめと支えを与えようと、供養のための灯明を捧げつつ、ささやかながらも心のこもった勤めを行うのを目にし、私は深く心を動かされました。
私自身は押し寄せる津波のニュースをなすすべもなく見つめていたことをおぼえております。
そのときからずっと、私は愛する人々を失くした家族の痛みと苦しみ、生活基盤を失った人々、人生が完全に変わってしまった若者たち、そして大災害から復興しなければならない日本国民に対する私の深い同情を、直接お伝えできる日を待ち望んでまいりました。
いかなる国の国民も決してこのような苦難を経験すべきではありません。しかし仮にこのような不幸からより強く、より大きく立ち上がれる国があるとすれば、それは日本と日本国民であります。私はそう確信しています。
皆様が生活を再建し復興に向け歩まれるなかで、我々ブータン人は皆様とともにあります。
我々の物質的支援はつましいものですが、我々の友情、連帯、思いやりは心からの真実味のあるものです。
ご列席の皆様、我々ブータンに暮らす者は常に日本国民を親愛なる兄弟・姉妹であると考えてまいりました。
両国民を結びつけるものは家族、誠実さ。そして名誉を守り個人の希望よりも地域社会や国家の望みを優先し、また自己よりも公益を高く位置づける強い気持ちなどであります。
2011年は両国の国交樹立25周年にあたる特別な年であります。しかしブータン国民は常に、公式な関係を超えた特別な愛着を日本に対し抱いてまいりました。
私は若き父とその世代の者が何十年も前から、日本がアジアを近代化に導くのを誇らしく見ていたのを知っています。
すなわち日本は当時開発途上地域であったアジアに自信と進むべき道の自覚をもたらし、以降日本のあとについて世界経済の最先端に躍り出た数々の国々に希望を与えてきました。
日本は過去にも、そして現代もリーダーであり続けます。
このグローバル化した世界において、日本は技術と確信の力、勤勉さと責任、強固な伝統的価値における模範であり、これまで以上にリーダーにふさわしいのです。
世界は常に日本のことを大変な名誉と誇り、そして規律を重んじる国民、歴史に裏打ちされた誇り高き伝統を持つ国民、不屈の精神、断固たる決意、そして秀でることへ願望を持って何事にも取り組む国民。
知行合一、兄弟愛や友人との揺るぎない強さと気丈さを併せ持つ国民であると認識してまいりました。
これは神話ではなく現実であると謹んで申しあげたいと思います。
それは近年の不幸な経済不況や、3月の自然災害への皆様の対応にも示されています。
皆様、日本および日本国民は素晴らしい資質を示されました。
他の国であれば国家を打ち砕き、無秩序、大混乱、そして悲嘆をもたらしたであろう事態に、日本国民の皆様は最悪の状況下でさえ静かな尊厳、自信、規律、心の強さを持って対処されました。
文化、伝統および価値にしっかりと根付いたこのような卓越した資質の組み合わせは、我々の現代の世界で見出すことはほぼ不可能です。
すべての国がそうありたいと切望しますが、これは日本人特有の特性であり、不可分の要素です。
このような価値観や資質が、昨日生まれたものではなく、何世紀もの歴史から生まれてきたものなのです。それは数年数十年で失われることはありません。
そうした力を備えた日本には、非常に素晴らしい未来が待っていることでしょう。
この力を通じて日本はあらゆる逆境から繰り返し立ち直り、世界で最も成功した国のひとつとして地位を築いてきました。
さらに注目に値すべきは、日本がためらうことなく世界中の人々と自国の成功を常に分かち合ってきたということです。
ご列席の皆様。私はすべてのブータン人に代わり、心からいまお話をしています。
私は専門家でも学者でもなく日本に深い親愛の情を抱くごく普通の人間に過ぎません。
その私が申しあげたいのは、世界は日本から大きな恩恵を受けるであろうということです。
卓越性や技術革新がなんたるかを体現する日本。
偉大な決断と業績を成し遂げつつも、静かな尊厳と謙虚さとを兼ね備えた日本国民。他の国々の模範となるこの国から、世界は大きな恩恵を受けるでしょう。
日本がアジアと世界を導き、また世界情勢における日本の存在が、日本国民の偉大な業績と歴史を反映するにつけ、ブータンは皆様を応援し支持してまいります。
ブータンは国連安全保障理事会の議席拡大の必要性だけでなく、日本がそのなかで主導的な役割を果たさなければならないと確認しております。
日本はブータンの全面的な約束と支持を得ております。
ご列席の皆様、ブータンは人口約70万人の小さなヒマラヤの国です。国の魅力的な外形的特徴と、豊かで人の心をとらえて離さない歴史が、ブータン人の人格や性質を形作っています。
ブータンは美しい国であり、面積が小さいながらも国土全体に拡がるさまざまな異なる地形に数々の寺院、僧院、城砦が点在し何世代ものブータン人の精神性を反映しています。
手付かずの自然が残されており、我々の文化と伝統は今も強靭に活気を保っています。
ブータン人は何世紀も続けてきたように人々のあいだに深い調和の精神を持ち、質素で謙虚な生活を続けています。
今日のめまぐるしく変化する世界において、国民が何よりも調和を重んじる社会、若者が優れた才能、勇気や品位を持ち先祖の価値観によって導かれる社会。
そうした思いやりのある社会で生きている我々のあり方を、私は最も誇りに思います。
我が国は有能な若きブータン人の手のなかに委ねられています。我々は歴史ある価値観を持つ若々しい現代的な国民です。
小さな美しい国ではありますが、強い国でもあります。
それゆえブータンの成長と開発における日本の役割は大変特別なものです。
我々が独自の願望を満たすべく努力するなかで、日本からは貴重な援助や支援だけでなく力強い励ましをいただいてきました。
ブータン国民の寛大さ、両国民のあいだを結ぶより次元の高い大きな自然の絆。言葉には言い表せない非常に深い精神的な絆によってブータンは常に日本の友人であり続けます。
日本はかねてよりブータンの最も重大な開発パートナーのひとつです。
それゆえに日本政府、およびブータンで暮らし、我々とともに働いてきてくれた日本人の方々の、ブータン国民のゆるぎない支援と善意に対し、感謝の意を伝えることができて大変嬉しく思います。
私はここに、両国民のあいだの絆をより強め深めるために不断の努力を行うことを誓います。
改めてここで、ブータン国民からの祈りと祝福をお伝えします。ご列席の皆様。簡単ではありますが、(英語ではなく)ゾンカ語、国の言葉でお話したいと思います。
「(ゾンカ語での祈りが捧げられる)」
ご列席の皆様。いま私は祈りを捧げました。小さな祈りですけれど、日本そして日本国民が常に平和と安定、調和を経験しそしてこれからも繁栄を享受されますようにという祈りです。
ありがとうございました。
 
(転載終了)
 
 
感動的なスピーチですね。
 
日本、ブータン、それぞれの国民への思いに満ち溢れています。
 
 
福島を訪問された時の子供たちへの言葉も素晴しかったですね。
 
 
皆さんは龍を見たことがありますか?

私はあります。

皆さんそれぞれの中に龍はいます。
龍は『経験』を食べて大きくなります。
年をおう
ごとに龍は大きくなるのです。

皆さん、自分の中の龍を
大切にしてください。”
 
 
ブータンについては、この日記でも過去、何度か紹介させて頂きました。
 
 
今の国王のお父様の時に、「グロス・ナショナル・ハピネス(GNH国民総幸福量)」という指標を発表されたのですね。
 
そしてその考え方は今では国民の間に根づき、浸透しています。
 
 
国王や王妃もそうですし、写真で見るブータンの方々の顔つきや雰囲気、日本人ととても似ていますよね。
 
なにかとても懐かしい感じもします。
 
 
ブータンの国旗には、龍の姿が描かれています。
 
西の龍の国、ブータン、東の龍の国、日本。
 
 
私は、今回ワンチェク国王が来日され、このような素晴らしい言葉を残して行かれたことには大きな意味があると思っています。
 
そして、その意味がわかる時がきっと来ると思っています。
 
 
国王は、今回ご結婚されたばかりの王妃と来日されました。
 
国王がまだ17歳だったとき、王妃になる女性ジツェン・ペマさんは当時7歳でした。
 
その幼い一般人の少女が、国王に「大きくなったら結婚してください」とお願いし、国王は「大きくなっても覚えていたらね」と返事をされたそうです。
 
14年の歳月を経て、国王31歳、王妃21歳で、見事にその約束を果たされたわけですね

“神仏に頼らないということ”

2011-11-23 04:05:06 | 日記

致知出版社「偉人たちの一日一言」よりです。

(転載開始)
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

    「偉人たちの一日一言」
 
     〜致知出版社が贈る人生を養う言葉〜
               発行 (株)致知出版社

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

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 今日の言葉  2011年11月22日(火)
―――――――――――――――――――――――――

【神仏に頼りすぎない】

鬼(き)神(しん)を敬(けい)して、
之(こ)れを遠(とお)ざく。(論語・雍也第六)


<解説>

鬼神というのは日本で言うなら神仏である。

神仏をありがたがるのはいいけれども、
無闇に近づいてはいけない、と言っている。

それで思い出すのは宮本武蔵である。
武蔵が吉岡一門との決闘を前に、
通りかかった神社で武運を祈ろうとする。
そこでハタと気がついて、神は尊ぶべし、
頼る気は起こしてはいけないと思い直す場面があった。

また、私の母はなんでも神前で祈る人を軽蔑していた。
母の観察によれば、そういう人たちは縁起かつぎでよくない。
普通の人は盆と正月と命日だけ行けばいい、というのである。

私の観察では、日本人であまりにも
教会に熱心に通う人は付き合いにくいタイプが多いようだ。

本当に立派な信者もいるけれども、多くは偽善的になりやすい。
日本人のセンスから言うと、多くても週一回か、
あるいはクリスマスなどの大きな祝日に行けばいいのでは、
という感じがするのである。

『四書五経 一日一言』渡部昇一・著より(致知出版社刊)



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孔子の生き方、『論語』の名言の数々が反響を呼んでいます!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  月刊『致知』最新12月号・特集テーマ「孔子の人間学」
  ⇒ 
http://www.chichi.co.jp/monthly/201112_index.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(転載以上)


渡部昇一さん、なかなか厳しいことを言われていますが、やはり真実を衝いている面もあると思います。


武蔵が、吉岡一門との決闘を前に武運を祈ろうとする気持ち、よくわかるような気がします。

しかし、そこでぐっと踏みとどまって、


“神は尊ぶべし、
頼る気は起こしてはいけないと思い直す”


武蔵のそうした姿勢にこそ、神様は味方されるのかも知れませんね。


“習い方がうまい人とは”

2011-11-23 03:58:57 | 日記

致知出版社の「人間力メルマガ」よりです。

(転載開始)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     致知出版社の「人間力メルマガ」

                【2011/11/22】 致知出版社編集部 発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   このメールマガジンでは、
   月刊誌『致知(ちち)』より
   皆さまの人間力を高めるエピソードを
   厳選してご紹介しています。

       * *

   2009年8月号の『致知』に掲載され、
   大きな反響を呼んだ元読売ジャイアンツ・荒川博コーチと
   王貞治氏による初の師弟対談。
   
   本日はその記事の中から、
   お二人が初めて出会われた時の
   印象的なエピソードをご紹介します。

 
────────────────────────────────────


      「習い方がうまい人とは、習う素直さがある人」
       
       
            荒川博(日本ティーボール協会副会長) 
        
            『致知』2009年8月号
             対談「世界の王」はこうしてつくられた」より
      
http://www.chichi.co.jp/monthly/200908_pickup.html#pick3


────────────────────────────────────

【王氏:思えば僕が中学二年の時、草野球の試合に出ていたのを
    目に留めていただいたのが、荒川さんとの初めての出会いでしたね】

そう、忘れもしないね。
昭和二十九年十一月二十三日の、午後二時頃だ。

当時二十四歳だった私は毎日オリオンズ
(現・千葉ロッテマリーンズ)の選手だったけれど、
その頃のプロ野球には秋季練習なんてなかったから、
暇を持て余して近所の隅田公園へ出掛けていった。

そしたらそこに凄いピッチャーがいたんだ。


ところがその子は左で投げているにもかかわらず、
打つ時になると、なぜか右で打つんだよ。

で、初めは黙って見てたんだよね。
一打席目三塁ゴロ、二打席目ショートフライ。

それで三回目の打席に立った時にね。


「ちょっと待って、坊や。君は何で右で打ってるの?
  本当は左利きなんだろう?
  次の打席は左で打ってごらん」
  
 
と声を掛けたら、


「はい」


って素直に言ったんだよ。

これがすべてのきっかけだな。

普通、それまで左で打ったこともない子が、
試合中にいきなりそんなことを言われたら、


「できない」


って言うのが当たり前だよ。

ところが次の打席で左ボックスに入ったその坊やは、
いきなり二塁打をかっ飛ばした。


右中間真っ二つ、ビックリするくらいのいい当たり。
私はその時に、あ、この子を、
母校の早稲田実業に入れようと思った。
そうすれば絶対に甲子園で全国制覇ができるって。

それで試合が終わるまで待って、早実に入るよう勧めたんだ。


私はともかくも早実へすっ飛んでいって
こういう選手を見つけたから、二年後には
何が何でも入れてくれと頼み込んだ。

ところが翌週に少年の家に行くと、
お父さんからけんもほろろに断られてしまった。


「うちの子には野球なんかやらせない。
 両国高校へやって東大に行かせるんだ」
 

って。いや、これは頭がいいんだなと思ったね。


でも私はそこで諦めなかった。
人生には「もし」ということがある。
もし落っこちた時はどうすんだ、と。

そこで近所の知り合いのオヤジに


「もしあそこの家の子が受験に落ちた時には、
 俺のところへ知らせてくれ」
 
 
と頼んでおいた。そしたら結果的に志望校を落ちて、
早実へ入ることになったんだな。


しかし、それにしてもあの時、
左で打てと言われて


「はい」


って答えた素直さね。

これが王の一番のいいところであって、
それが今日の成功をもたらしたんだよ。
この「はい」が。


だから私はいつも



「習い方がうまい人とは、習う素直さがある人だ」



と言うんだよ。これがもう第一条件なんだよね。
王はその後も、私に口答えしたことは一回もない。

(転載以上)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


当時、荒川コーチは24歳、王貞治さんは14歳。

たまたま出掛けていった隅田公園で、荒川さんが当時まだ中学生だった王さんを見かける確率は一体どれほどのものでしょうか。

「世界の王」誕生の瞬間とも言える出会いに感動します。


“「ちょっと待って、坊や。君は何で右で打ってるの?
  本当は左利きなんだろう?
  次の打席は左で打ってごらん」
  
 と声を掛けたら、

「はい」”


今まで右で打っていたのに、見知らぬ人に言われて「はい」と言っていきなり左に変えることが出来る人は、やはり本当に少ないのでしょう。


“これが王の一番のいいところであって、
それが今日の成功をもたらしたんだよ。
この「はい」が。”


荒川さんが、中学生の王さんに出会った時に見抜いたのは、野球の才能だけではなかったのですね。

才能よりも、むしろ“習う素直さ”の方が大切だと考えられたのでしょう。

この「はい」が、“今日の成功をもたらしたんだよ”とおっしゃっているのですから。


素直に「はい」と言った王さんと、そこまでの眼力で王さんのことを見抜いた荒川さん、

教えられるものと、教えるものとの運命的な出会いに感動します。


“物事には終わりがなく、すべてが始まりだということ”

2011-11-22 04:11:22 | 日記

致知出版社の「人間力メルマガ」よりです。

(転載開始)

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                【2011/11/21】 致知出版社編集部 発行
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       * *

   海千山千の勝負師たちがひしめく麻雀代打ちの世界で、
   20年間不敗の伝説をつくり上げ、雀鬼の異名をとった
   麻雀の達人・桜井章一氏。

   現在発行中の『致知』12月号では、
   好評連載「20代をどう生きるか」にご登場いただき、
   若い世代に向けてのメッセージを送っていただきました。

   先日に引き続き、本日はその記事の中から
   一部をご紹介いたします。


────────────────────────────────────


        「準備、実行、後始末」
       
       
            桜井章一(雀鬼会会長) 
        
            『致知』2011年12月号
             連載「20代をどう生きるか」より
       
http://www.chichi.co.jp/monthly/201112_pickup.html#pick8


────────────────────────────────────

 私は昨年一年間だけで二十冊ほどの本を出版したが、
 本を書くために取材へ出掛けたりしたことは一度もない。
 そのすべては、いまある人との繋がりの中から生まれてくるものである。
 
 今夏発刊された『一流たちの金言』の中にも、
 
http://www.chichi.co.jp/book/7_news/book934.html
 
 
 
 「準備、実行、後始末」



 という私の言葉が紹介されているが、
 これもいまの麻雀道場から生まれてきた言葉だった。
 
 私の道場にいる若者は、ほとんどが
 一流大学や大学院を出た者たちだが、
 「この子、なんでこんなことができないんだろう」と
 思って見ていると、間違いなく準備をしていない。
 
 物事を実行に移す以前の問題である。
 また、実行まではしても、後始末をできない者もいる。
 
 
 後始末の「つ」は、実は準備の「じ」にくっついていて、
 準備、実行、後始末の三つはグルグルと回っているのである。
 したがって物事には終わりがなく、
 すべてが始まりであるとも言える。
 
 この「始まり」ということを年がら年中考えていくと、
 毎日変化があって人生が楽しくなる。
 同じ仕事をするのでも、日々変化を加えていけばいいのだ。



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 時々、メルマガを読んで、心が震え、
 涙が出ることがあります。
 
  ともすると、すぐに楽な方に流れようとする自分には、
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(転載以上)


どんな分野でも、そこで一流になられる方々は、必ず、全てに通ずる原理原則を体得していらっしゃるように思います。

上記の言葉には、噛めば噛むほど増してくるような深い味わいや含蓄がありますね。


“後始末の「つ」は、実は準備の「じ」にくっついていて、
 準備、実行、後始末の三つはグルグルと回っているのである。
 したがって物事には終わりがなく、
 すべてが始まりであるとも言える。”


極めて具体的な言葉が、なにか宇宙の普遍的な真理をついたものに思えて来ます。


“この「始まり」ということを年がら年中考えていくと、
 毎日変化があって人生が楽しくなる。
 同じ仕事をするのでも、日々変化を加えていけばいいのだ。”


年がら年中考えて、それを具体的な変化に繋げていくこと・・・


人は、常に何かを考えていますよね。

何も考えてない時間というのはほとんどないのではないでしょうか。


考えている時間とは実は膨大なものであって、

だからこそ、

その人が何を考えるのかということは、その人の生き方や運命に直結するものなのだろうなと思います。


“人生の転換点とは”

2011-11-20 04:33:33 | 日記

致知出版社の「人間力メルマガ」よりです。

(転載開始)

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   一度は離れた音楽の道――。
   会社勤めを経て、思い新たに挑戦した
   東京芸術大学受験は失敗の連続。

   心が萎え、どん底まで陥った村上彩子さんが向かったのは、
   長野県にある戦没画学生の画が飾られる無言館でした。

   戦没者の声なき声が村上さんに届いた時、
   彼女の心に大きな変化が訪れます。

   本日は、7度目にして試験に合格した
   村上さんの軌跡をご紹介します。
   
────────────────────────────────────


        「歌に命を込めて 私は歌い続ける」
       
       
            村上彩子(ソプラノ歌手) 
        
            『致知』2011年12月号
             連載「第一線で活躍する女性」より
       
────────────────────────────────────


諦め切れずに受けた5回目の試験がダメだと分かった時には、
大泣きしながらとぼとぼ家に帰りました。
絶望し、もうこのまま死んでしまおうって。

何も口にしない日が何日か続いたある日のこと。
ふと以前テレビで観た戦没画学生の絵画などが飾られている
無言館のことが頭に浮かんできました。

その瞬間、何かに突き動かされるように、
私は取るものも取りあえず
一路無言館のある長野へと向かったのです。


館内に飾られた画を一枚一枚眺めているうちに、
こんなにも才能ある学生たちが戦争で散っていったのかと、
大きなショックを受けました。

そのうちに、今度はどこからともなく
悲痛な叫びが聞こえてきたんです。

「本当は生きたかった」と。

そして「おまえは生きていくことができるんだぞ」って。


私、頭をガツンと殴られた感じがして、その場に泣き崩れました。

こんなにも才能溢れる方々が無念のうちに亡くなられた。
それに引き換え自分はたった五回の受験に
失敗したくらいで死のうとしたことが、
とてもおこがましくて恥ずかしく思いました。



翌年一次試験を突破し、七回目にして晴れて合格しました。
実はこの間、心のうちに大きな変化がありました。
無言館から帰ってからバイト先を一新し、
明るい自分を演じ始めました。

大学に入ったらオペラを勉強したかったので、
なんの希望がなくても演じてみようと心に決めたのです。
そうしたら自然と仕事が楽しくなって
一所懸命頑張るようになりました。

すると今度は周りの人に感謝されるようになって、
応援してくださる方まで出てきたんです。


私はそれまでずっと親を憎むことを
生きる唯一のエネルギーにしていました。
それがこの時、心の中に初めて
人に感謝するという心が芽生えて、
それが私に力を与えてくれました。

親を恨んだり、周りの裕福な受験生を憎む心が
知らず知らずに私が奏でる音楽に乗り移っていたのだと思います。
このことを私に気づかせるために、
こんなにも長い期間が必要だったのかと
納得がいったら元気が漲ってきましてね。
最後の一年は何の迷いもなく勉強に打ち込むことができました。

(転載以上)


1回の受験の失敗でもなかなかつらいものがあるのに、5回受験して失敗。

村上さんの気持ちがひしひしと伝わって来ます。

でもその時の思いが、後で振り返ると人生の転換点になるのですね。

“ふと以前テレビで観た戦没画学生の絵画などが飾られている
無言館のことが頭に浮かんできました。

その瞬間、何かに突き動かされるように、
私は取るものも取りあえず
一路無言館のある長野へと向かったのです”

 

そして、その絵から若しくて亡くなった方々の声が聞こえて来ます。

“おまえは生きていくことができるんだぞ」って。

私、頭をガツンと殴られた感じがして、その場に泣き崩れました。”

そして、バイト先を一新し、明るい自分を演じ始めると、仕事が楽しくなって、

今度は周りの人に感謝されるようになって、応援してくださる方まで出てくる。

まさに好循環、開運のスパイラルに入っていかれたのですね。

 

“私はそれまでずっと親を憎むことを
生きる唯一のエネルギーにしていました。
それがこの時、心の中に初めて
人に感謝するという心が芽生えて、
それが私に力を与えてくれました。

親を恨んだり、周りの裕福な受験生を憎む心が
知らず知らずに私が奏でる音楽に乗り移っていたのだと思います。
このことを私に気づかせるために、
こんなにも長い期間が必要だったのかと
納得がいったら元気が漲ってきましてね。
最後の一年は何の迷いもなく勉強に打ち込むことができました。”

とても示唆に富む言葉だと思いました。


“イタリア、そしてスペインの国債について”

2011-11-19 04:43:21 | 日記
週刊ダイヤモンドオンラインより、野村證券シニアエコノミスト岸田英樹さんの記事です。
 
タイトルは、
 
金利急上昇!狙われたイタリア国債
ユーロ第3の大国は金融支援に追い込まれるか です。
 
 
最近イタリアの国債金利が急上昇しました。
確かに、累積の政府債務は、GDP比で120%となっていますが、年間の財政赤字は決して大きくはないのですが。
 
“11年にはイタリア一般政府のプライマリーバランス(利払費を除く財政赤字額)は黒字化し、同年のイタリア一般政府財政赤字対名目GDP比率は4.0%と、ユーロ圏全体の4.1%を下回る見込みである。”
 
ではなぜ、イタリアの国債が狙われてしまったのか?
 
岸田さんは、その主な理由に以下三点を挙げています。
 
①“政府が高水準の債務を抱えるため重い利払い負担に直面する一方、景気低迷の長期化により、債務残高対名目GDP比率の上昇が止まらないのではとの懸念が高まっていること”
 
②“ESM(欧州安定メカニズム)が13年6月以降金融支援を実施する際、投資家に負担を求める姿勢を有していること”
 
③“10月末以降のギリシャ政府の債務不履行懸念の急激な高まりを通じ、財政懸念のあるユーロ圏諸国の国債が一斉に売られたこと”
 
私が言うのも変ですが、よくまとまっていてポイントをついていると思います。
 
是非本文もお読みください。
 
あともう一つ加えるとしたら、ベルルスコーニプレミアムでしょうか(笑)。
 
 
私自身は、今のユーロ危機は、統一通貨ユーロの構造的な欠点が表に現われて来たものだと思っていますので、それを修正して行かない限り根本的な解決は難しいと考えています。
 
ユーロ危機は、政治の混乱によるものという論調が多いように思いますが、それはあくまでも、目先のキャッシュ不足をどうやって補うかという意思決定に関するもので、根本的な対策に関するものではないように思います。
 
ユーロからの退出基準を設けることや、ユーロ諸国共通のユーロ債を発行する等の根本的な対策を、ユーロがスタートする時はもちろん、今でも用意していないということは、やはり政治力不足ということになるのかも知れませんが、目先のキャッシュ不足がなかなか解決されないという点で、責任を政治に押し付けるのは酷なような気がします。
 
今は、だれが首相になっても難しいときだと思っているからです。
 
他の国にお金を出すことは、国民も、その国民に選ばれる政治家もいやだからです。
 
お金を受ける方も、それが自分の生活に影響してくるのはいやだからです。
 
 
しかし、それを割り引いても、やはりベルルスコーニ前首相には、問題が多かったと思っています。
 
 
直近では、スペインが狙われています。
 
スペイン10年国債利回りとイタリアの同利回りは、もともとスペインの方が高かったのですが、イタリアの危機説が出てから、イタリアの方が高くなり、最近ではスペインを1%近く上回っていました。
 
それが、今日(18日)には、一時再び逆転して、スペインの利回りの方が高くなってしまったのです。
 
 
スペインでは、この日曜日に総選挙があります。
 
そこで、現サパテロ首相の与党社会労働党が、野党第一党の国民党に負けることが予想されています。
 
ラホイ党首率いる国民党は、過半数の議席を占めると言われています。
 
 
政権交代による不透明感もあると思いますが、国民党は中道右派と言われています。
 
中道左派の社会労働党よりも、今後さらに緊縮政策を取ると見るむきが多く、その結果、国民の不満が溜まり、景気も停滞するのではないかという懸念が出ています。
 
そうしたことも、今、スペインが狙いうちにあう要因となっているようです。
 
 
スペインの累積政府債務は、今年年末予想でGDP比70%。イタリアの120%はもちろん、ドイツの80%と比べても低い水準です。
 
スペイン経済が不調になったのは、不動産、建設バブルが弾けたからであり、本当は、今は積極的な財政政策を取るタイミングだと思います。
 
そうして需要を喚起することによって、設備投資や消費を伸ばして行き、経済成長を取り戻す。
 
それによって、税収も増えるので少しずつ財政赤字も減らしていく、というステップが取れる国だと思っています。
 
 
しかし、最近のユーロ危機の風潮の中で、それをだれも言い出せない、言い出したら逆にマーケットから狙われてしまうだろう、というところが、なんとも歯がゆいところですし、今後について全く楽観視出来ない状況です。
 

“世界王者を撃破した全日本女子バレーの精密力”

2011-11-18 05:23:45 | 日記

致知出版社の「人間力メルマガ」よりです。

(転載開始)
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     致知出版社の「人間力メルマガ」

                【2011/11/17】 致知出版社編集部 発行
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       * *

   先日のバレーボール女子ワールドカップで
   世界ランク1位のブラジルを撃破し、
   昨日のケニア戦にも快勝した
   全日本女子バレー、通称「火の鳥NIPPON」。

   今回は、いま注目を集める同チームを率いる監督・
   眞鍋政義氏のお話をご紹介します。

 
────────────────────────────────────


      「世界王者を撃破した全日本女子バレーの精密力」
       
       
            眞鍋政義(全日本女子バレー監督) 
        
            『致知』2011年9月号
             連載「生気湧出」より
       
http://www.chichi.co.jp/monthly/201109_pickup.html#pick6


────────────────────────────────────

【記者:特に重点的に取り組まれていることはありますか?】


昨年(2010年)からですけれども、日本独自の戦術、
戦略というものを考えながら練習しています。

ご存じのように、バレーボールには
2メートル24センチというネットがあるんです。

試合では、日本人にはとても打てない鋭角のスパイクを、
ものすごいジャンプをして高い打点からドカーンと叩きつける
外国人選手がいるでしょう。

誰だって
「とても日本人は外国人選手にかなわないな」
と思ってしまいますね。
    
マスコミも含めてバレーボールは
オフェンスの強さで決すると思う方も多いですしね。


でも、考えてみてください。
いくらスパイクがうまく決まっても入るのは一点です。
   
だったら日本人の強みを生かしたやり方で
一点を取ることはできないかと。


実際、試合に勝つ要因は数え切れないほどたくさんあり、
スパイクはその一つにすぎないんです。


身長やパワーはすぐに改善できるものではないし、
それなら日本が得意とする技術で世界一になろうと決めて、
そのための到達目標を設定しています。

バレーボールはチームでボールを繋ぎ合うスポーツですが、
そこには集団の和という目に見えない力が求められます。
 
それに身長やパワーだけでなく、サーブ、レシーブ、アタックなどでは
手先やプレーの器用さも必要です。
相手の読みを外す、相手の攻撃を読んで守備をするといった
緻密な作戦も大事になってきますね。
 
考えてみたら、和、器用さ、緻密さといったものは
昔から日本人の特性とされてきたことばかりでしょう。



これらを私は


「精密力」


と言っているのですが、つまりバレーボールって、
とても日本人向けのスポーツなんですね。


ですから私たちはサーブレシーブをセッターに正確に返す、
相手のスパイカーが打ってくるコースを
データを読んでブロックする、といった小さなことにこだわり、
確実にこなすことに力を注いでいるんです。 

その小さな変化の積み重ねが大きな爆発力を生んで
32年ぶりのメダルに繋がったのだと思います。
 
 
特に今年は
「サーブレシーブ」「サーブ」
「ディグ(スパイクレシーブ)」「失点の少なさ」
の4つのジャンルで世界一になるのを目標に掲げています。
 
そういうことを踏まえて、最後はやはりチームワーク。

チームの総合力で世界と試合をして勝つ!
と皆で誓い合っているんです。



■眞鍋監督の写真入り記事はこちら(編集部ブログへ飛びます)
⇒ 
http://ameblo.jp/otegami-fan/day-20111116.html

(転載以上)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


眞鍋政義さん、選手時代も名セッターとして活躍されましたね。

「バレーボールのセッターのトス回しについてのゲーム分析的研究」(笑)というタイトルの論文を書かれたり、「精密力」という本を出されたり、やはり精密な分析力に優れていらっしゃるのでしょう。


試合中iPadを手にしながら選手に指示をした世界選手権で、女子バレーチームは、32年ぶりのメダルとなった銅メダルを獲得しました。

つい先日も、世界ランク1位のブラジルに勝利したりと、快挙を成し遂げていらっしゃいますね。

ともすれば、背の高い外国人選手が、角度のあるスパイクを打つのをみて、

“「とても日本人は外国人選手にかなわないな」”

で終わってしまうところ。

眞鍋さんは、

“いくらスパイクがうまく決まっても入るのは一点です。
だったら日本人の強みを生かしたやり方で一点を取ることはできないかと。”

と考えるわけですね。

そして、バレーボールで重要な要素は、

集団の“和”という目に見えない力であり、
サーブ、レシーブ、アタックなどで求められる、手先やプレーの“器用さ”であり、
相手の読みを外す、相手の攻撃を読んで守備をするといった“緻密な”作戦だ、と考えられたのですね。

“和、器用さ、緻密さといったものは
昔から日本人の特性とされてきたことばかりでしょう。”

実は、バレーボールは日本人向けのスポーツなのだと。

“小さなことにこだわり、
確実にこなすことに力を注いだ”結果、 

“その小さな変化の積み重ねが大きな爆発力を生んで、”

メダルの快挙に繋がったのですね。


2メートル24センチという高いネットがあるバレーボール。

そんなスポーツでも、日本人の持ち味を生かして世界の中で強くなることが出来るのであれば、
他の分野でも、その強みを生かせないはずはありませんよね。


海外で仕事する私の目から見ても、やはり同じことが言えると思います。

個人レベルで強烈なスパイクを決めることについては、日本人は決して得意ではないかも知れませんが、

“和”、チームワークを重視すること、
“器用さ”、そつのなさを発揮すること、
小さなことにも手を抜かない“緻密”な仕事をしていくこと、

こうした要素をトータルで発揮して行けば、間違いなく世界のどんな場所でもやっていけると確信します。




“TPPのISD条項について”

2011-11-17 06:31:31 | 日記

『三橋貴明の<ウラ読み>経済レポート』よりです。

(転載開始)

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□

野田首相が11月11日に
「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」と宣言し、
APECに向かいました。

この「協議に入る」の意味について、
民主党の反対派は「我々の意が通じた」と発言し、
推進派は「TPP交渉に参加することになった」と解釈し、
国民の方もわけがわからない状況になっています。

結局のところ、民主党内の反対があまりにも多く、
首相が「交渉に参加する」と言明することが出来なかった
という話なのでしょうが、
これほどの玉虫色の誤魔化しに基づき話を進めてしまうと、
党内の亀裂はますます深まることになるでしょう。

実際、首相の「協議開始」宣言の直後に、
民主党の鹿野農林水産大臣は、

「首相は参加表明とは言っていない。
 今までの情報収集から一歩進んで、協議をするということで、
 交渉参加を前提とするものではないと理解している」

と発言。

民主党内はもちろん、閣内ですら
全くコンセンサスが取れていない現実が
あからさまになりました。

国内の議論を放置したまま、
野田首相はAPECに向かったわけですが、
TPP首脳会談に招かれないという屈辱を味わいました。

さて、今後のTPP議論がどのように進むかはまだ不明ですが、
とにかく目立つのは推進派の
「抽象論」「イメージ戦略」「スローガン優先」の姿勢です。

数値的に、あるいは具体的にメリットを示ことが出来ず、
反対派が列挙する「具体的」「数値的」なデメリットに
反論することができないため、
抽象論ベースの議論をするしか無いわけです。

この状況は、
戦前に戦争を煽った大手新聞や軍部と全く同じであり、
わたくしは大変、危惧しています。

TPPのような大きな話を進める際に
「抽象論」で突き進むのでは、まさに亡国の道です。

TPP推進派は、

「日本の政治力で、TPPの問題点について解消すればいい」

と主張していますが、
APEC後にTPPサミットで合意した内容について、
すでにUSTRが発表しており、
その中にはISD条項、ネガティブリストなど、
日本としては到底受け入れられない協定が含まれています。

さらに、マレーシアのナジブ首相は

「すでに合意された事項について再交渉はありえない」

と断言しており(当然だと思います)、
日本がTPP交渉に参加し、
上記問題のある協定を撤廃させることは「不可能」です。

しかも、日本がTPP交渉に参加するには、
9カ国の合意を必要としており、
その協議に六ヶ月間は必要と言われています。

アメリカのオバマ大統領はTPPについて
来年夏に合意すると断言しているため、
日本が交渉に参加した後、
わずか二ヵ月後には正式合意になってしまうのです。

この二ヶ月という短期の間に、
「再交渉は有り得ない」と断言された条項を修正していくなど、
たとえアメリカであっても不可能です。

さらに、日本は世界の超大国でも何でもありません。

上記が「現実」であるにも関わらず、
「いや、日本が交渉すれば何とかなる」と思っていたとしたら、
その人は誇大妄想狂と呼ばれるべきなのです。 
 
□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
 
(転載以上)


三橋さんのTPP論については、先日の日記でも触れました。
http://blog.goo.ne.jp/tera-3/e/d64ccf3f2f04bba41cf4583428cd3786


TPPを声高に推進する新聞も、よく読むと事実を書いていることも一部あって、自分なりにそれを繋ぎ合わせて見ると、この三橋さんの論旨と全く同じものになりました。

ただえさえ、交渉力に不安がある中で、マスコミも含めた推進派の方々は、“協議に参加すれば交渉できる。だからこそ早く参加すべき。”と言って来ましたが、そもそもそれはありえないという事を、米国を含めた国々がちゃんと言っているのですよね。


ここで出ているISD条項とは、Investor-State Dispute Settlementの略です。

“あるTPP加盟国(A国)に投資した別の加盟国企業(B企業)が、A国の政策によって損害を被った場合、B企業は、世界銀行傘下の国際投資紛争仲裁センターに提訴できる。その場合A国で裁判は行わない。”
 
という内容ですね。


この問題について、佐藤ゆかり議員が、“TPP参加の協議に入る”と野田総理が宣言した直前に、野田総理に国会で質問したところ、

なんと野田さんは、しどろもどろになってしまいました。


そして、国家間の条約が国内法に優先するのにもかからわず、

“基本的には我が国の守ってきたその法律で、対応できるように交渉をしていきたい”

というとんちんかんな答えをして、議長が速記を止める事態になってしまいました。

発表当日になっても野田総理がTPPついて何も理解していないということが露呈してしまった訳です。


佐藤議員は、例として、日本の水資源を守るために海外からの山林投資について制限を加えたり、日本のある地区で、外資に対する規制を出した場合に、海外企業から訴えられるリスクについて説明していましたが、全くその通りだと思います。


今、米韓のFTAについて、韓国では猛反対の声が上がっており、このISD条項も槍玉の一つにあがっています。

しかし、なぜか日本のメディアは、“米韓FTAに日本は大きく遅れている。だから日本はTPP参加を急げ”の一点ばりで、韓国の騒ぎもほとんど取り上げません。

やはり異常な状況だと思います。


でも、少しずつ風向きも変わって来ている部分もありそうです。

大手メディアも、総論では、TPPを早く、ということで全く変えていませんが、その中に、多少デメリットの部分も入れるようになって来たからです。


うがった見方をすれば、TPP推進の論調を、後で批判されないためのリスクヘッジが始まったと考えられなくもありません。

また、マスコミが、米国以外に、陰で重視し応援している中国や韓国への配慮という部分も出て来ているのではないかと想像します。

急に中国が日本のTPPを警戒しているという記事も出て来ましたし。


いずれにしても、国の将来、国家のあり方にかかわることですから、政治もメディアも、情報を歪めず隠さず、透明な情報提供をして、きちんと議論することが大切だと思います。