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てんちゃんのビックリ箱

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映画 「かくかくしかじか」観賞 感想

2025-06-18 09:50:24 | 映画



映画名:かくかくしかじか
原作/脚本:東村アキコ
監督:関和亮
キャスト:永野芽郁、大泉洋
観賞日:2015年6月12日

1.経緯
 まんがの原作を読み、このストーリーおよび東村アキコに興味を持っていた。実写映画化され、脚本および製作、そしてキャスティングまで彼女が関わったということで、見に行こうと思った。
 これはほぼ彼女の自伝であり、自分の役として永野芽郁を自ら選んできて、撮影風景から彼女を天才と評価したそうだが、残念ながら映画公開前にスキャンダルが勃発した。その天才という演技、そして実際の本人(先生)にそっくりという大泉洋の演技に興味を持った。

2.ストーリー (Wikiをベースに作成)
 林明子(東村アキコの本名)は、宮崎県の片隅で伸び伸びと育ち、自分は絵の天才だと思い込みながら「少女漫画家」になることを夢見ていた。そして高校生になって、「美術大学に進学して、在学中に漫画家としてデビューする」という無謀な計画を立て、高校3年生で「日高絵画教室」の美大進学コースに入る。
 しかし講師であり自らも画家の日高健三に、それまでの自信と天才との思い込みを粉々に打ち砕かれ、竹刀など常軌を逸したスパルタ指導を受けた。厳しくも優しいが非常にユニークな恩師・日高先生と、調子者のミラクルガール・明子が、ときに反発しながら二人三脚で美大合格を目指し、紆余曲折しながらも合格。ただし先生は美術バカで当然美術をやってくれるものと信じていたが、明子はやはり漫画家を目指してある意味その期待を裏切っていった。この2人の関係が中心の映画である。
 先生はかなり常軌を逸した人と原作漫画に描かれていたが、そこに所属した他の人の話しでも原作にかなり近かったとのこと。
 原作と実際の違いは、実際は先生の奥さんも教室に関わっていたそうだが、漫画の原作は先生と弟子のある意味エキセントリックな人間関係を強調するために、原作ではそれが除かれていて、映画も原作に沿っている。

3.感想
 原作を映画で実現するには、日高先生の破天荒さを、いかにてらいもなく自然に演じるかということ、そしてそれを主役の明子だけでなく、その他の生徒たちが当たり前かの様にうけとめるかということである。
 そして、明子さんの調子もののミラクルガール、そのミラクルとは頑張るときには不思議に頑張って運も味方についてしまう、という役を表現できるかということであった。
 それに対して、日高先生役の大泉さんは実在の人物に顔も似せ、美術バカっぷりを見事に表現している。ずっと 「描け、描け、描け」と言っているのが かっこついているのは立派。期待して一生懸命指導して、自分の気持ちは伝わっているはずと思っているのに、裏切られていく切なさが出ていた。
 明子さん役の永野芽郁については、まずは役割よりもそのスタイルのよさにびっくりし、これは東村さんとは違うなと思った。しかし金沢美大に行っての、現スキャンダルを彷彿させる恋愛状況や羽目が外れた遊びかたは東村さんの評判そのもので、東村さんの上位互換を再現しているのだなとおもった。先生とのお付き合いも、こちらは時間軸がずれていて、直接会っている時の言葉などに大いに反発しつつも、思い返してみて先生の意図が理解出来、裏切っていってしまった切なさがよく出ていた。
 この2人で、美しい宮崎、ロマンチックな金沢の風土を生かした映画を作っている。とてもいい出来であり、彼女が宣伝で活躍すればもっとヒットしただろう。

4.その他
 日高先生は、日岡兼三氏をモデルにしているとのこと。
 この人の作品を探すと、抽象画なのでびっくりした。原作および映画の雰囲気から具象画とおもっていた。
 下記のURLから引用した作品2点を最後に示す。

 この人は非常に安い月謝で絵画指導をしていたそうだが、その目的はなんだろうと思った。特に体調不良になってからも指導しようとしたとのこと。若し私だったら、指導はやめて全力で表現したいものを大量に遺そうとするだろうに。
 教育によって、生徒から得られるものもある、そして自分が先生から学んだように、教えることで歴史を繋いでいくのが当たり前と思っていたのだろうか?




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