てんちゃんのビックリ箱

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名古屋城での写生

2024-07-14 22:49:04 | 絵画
 先日絵画のクラブの先生引率で、15人程度が名古屋城の写生会に参加した。
 テーマは名古屋城近辺で選び、描写方法は自由だった。途中で先生が順にチェックに入る。私は現場ではこれまで習ってきた鉛筆画(黒)で、風景を描くこととした。

 ほとんどのメンバーがお城を描き始めたが、私はぐるりと振り向いて、移転中のドルフィンズアリーナを描くことにした。
 理由はこういった建設途上のものは、今しか風景として存在せず現在の記録になるからである。これはよく海外旅行している知人に教わった。彼は海外の工事現場に出合うといつも写真を撮っているそうだ。
 そういった経験は私も持っていて、海外から出張してきた人にその国に出張したときに撮った工事現場の写真を見せると、珍しい、欲しいといわれたことがある。

 工事現場を描きながらも時々先生の指導を見に行き、帰ったら城も描いてみようと思った。

 今回の鉛筆画での表現の狙いは、5段階の硬さの鉛筆(2H、HB、2B、4B、6B)の使い分け、それにも関連するが、濃度を使った遠近の表現。

結局この写生会に関連して描いたのが、下記の3点
・工事現場鉛筆画(現場および帰宅追加)
・工事現場水彩画(帰宅後)
・名古屋城鉛筆画(帰宅後)

 それぞれについて、説明する。

1.工事現場 鉛筆画
 曲線状の松の枝の中に、ドームがありクレーンが廻りを囲んでいた。その松の囲み方が面白くて描いた。手前には堀を隔てて名城公園がある。
 その状況は、ピッタリの写真がなかったが、だいたい以下のような感じ。問題はドームがくっきりしていないこと。



 先生に見てもらった際は枝が未完だったが、枝のサークル状の曲線が面白いといわれた。その後どうするかと言われて、サークルの外は暗く中を明るくして、中央を引き立てると答えて、それもいいと言われた。またクレーンはきちんと書くように、定規を使ってもよいと言われた。

 上記の意見と最初の狙いを元に描いたのが下記。現地写生で2時間、家に帰ってから断続的に計3時間くらいか。



 以下が、配慮したポイント。
・曲がった枝を最も近いとして、濃い鉛筆使用。遠くに行くに従い薄い鉛筆にした。
・重要なクレーンはきちんと定規で描いたが、ドームの記憶が曖昧でアピールできるようにできない。間違ったらまずいので、ぼんやり記憶に残った印象でおさめることとした。
・松の葉 タッチで尖ったように見せて描いた。

 鉛筆画は、写真では黒鉛の光沢のためうまく表現できない。何度か撮ってもっともイメージの近いものを掲載した。


2.工事現場 水彩画
 家へ帰って、工事現場の絵を水彩で描いてみた。目標として3時間で描くことを狙ったが、ほぼ完成後に手を入れて行って +1時間が追加された。一応の完成したのが、次の絵。



 枝の曲線をうまく描くことはほぼ同じで、本来は中の工事の部分を目立たせるはずだったのが、曲がった枝を書くのが面白くて、そっちが目立つようになってしまった。枝の松の葉は、今回がゴールではないと考えて、各部分でいろんな書き方を試してみた。
 ただやっぱり色をつけるのは楽しい。

 1と2の2枚のこの状態を先生に見てもらった時の評価は、以下の通り。
・やはり中央の工事状況がきっちり描かれていたほうがテーマがすっきりする。
・ドームがぼんやりしているのなら、手前の樹々でくっきり書き分ければいい。名城公園の緑も、もっと描き方がある。
・枝と葉のリングも、鉛筆のピッチの粗密を使えば立体感がでる。


3.名古屋城鉛筆画
 私は現場では描かなかったが、描いた人が多くてそれぞれに先生が指導をしていた。その指導内容を聞いて、私も描いてみようとおもった。それで写真を撮って、それを元に描いてみた。
 描こうと撮影した写真を次に示す。



 先生が鉛筆画に対して指導していたのが、おもに下記の点。
 ・建物だから線の遠近法はちゃんと描くこと
 ・建物の日陰と日向の濃淡をつける
 ・建物の下の階と上の階の壁の、日の当たっている所と影のところが、階ごとに少し違うということを感じて描ければいい。
 ・周辺に樹々を描く場合は、近い樹木と遠くの樹木を描き分けること。
 下の2点は、鉛筆の濃淡や傾き(線の幅)を工夫して書いていれば感じがわかるようになるとのこと。

 そして描いた絵が下記。特に考えたのは以下。
・全体 城をきっちり描く実力はないので、廻りからの樹々と組合わせた構図にする
・城そのもの 先生の意見を取り入れ、階ごとに濃淡に注意
・石垣 エッジの石はちゃんと書く。そのほかはリズムを感じて区分けする
・樹々の葉 ざっと塗るがエッジ近辺や前方のほうは、少し葉の形を入れる



 この絵に対しても、もっと鉛筆のピッチの粗密をもっとうまく使ったら良くなる、特に周りの葉の部分、ということだった。

 鉛筆画も面白いけれども、やはり色を付けたほうが楽しいということ、そして鉛筆画は光沢の魅力が写真に撮るのが難しいというのがよくわかった。


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