今年はネズミ年ですが、約15年前、ネズミに苦労したことがあります。それについての思い出話。
中秋の名月の頃、寝ていると、天井でごそごそと音がしだした。ネズミかなとおもったが、その後数日は音がしなかったので、ほおっておいた。配偶者も時々ということで、あまり気にしていなかった。
しかし私が出張でいなかった夜、天井で大運動会が始まり、2時間程度大騒ぎだったとのこと。出張先まで電話がかかり、配偶者はかんかんで、なんとかしろと厳命がくだった。
ともかく帰宅した夜様子を見ることとした。
夜の11時電気を消すと、天井から先ずトトトトトトッと軽い足音、その後暫くしてドスン、バサン。ネズミのサイズから考えてどうすればあんな音がでるんだ。これはネズミとともに猫でも入ったのじゃないかとおもって、慌てて起きて天井を懐中電灯で覗き込んだが、当然何も見当たらない。その日はそのまま静かになった。次の土日に対策をとろうとのことで、就寝。
次の日は金曜日だったが、前日途中で運動会を中止したためか、すごかった。
やはり11時頃から騒ぎ始めた。2匹がおっかけっこをしているようだった。天井を2度覗いたが、その時は静かになるが暫くすると騒ぎ出す。夜半になってようやく静かになった。
これは大変ということで土曜日、インターネットでネズミ対策のホームページを見るとともに、先ず侵入経路を調べるため、家の周辺を調べた。親指が通るぐらいの隙間があれば入ってくるそうであり、その候補として2箇所を見つけ、布等で塞いだ。それとともにホームセンターに対ネズミ対策のグッズを買いに行った。
配偶者は殺鼠剤を撒くことには反対した。即ちそれを食べて、家の中のどこかわらないところで死んだらいやだということである。
そこで、臭いスプレーと粘着シートを購入した。
先ず臭いスプレーを天井および縁の下に噴射。2~3日は利いた。コトコトと音がしたが騒がなかった。平和裏にお引取りしてくれることを願った。
だけど、数日たつと、播いて暫くすると騒ぎ出しすようになった。そこで粘着シートを天井裏に設置。入ること自体厄介だったけど、数箇所設置した。
するとその夜、あっさりと一匹引っかかった。その日は、私は午前様だったので状況は聞いた話だが、1匹が大きな声で鳴いて、それからもう1匹が鳴いた後仕掛けた周辺でばたばたと音がしたとのこと。
次の日、天井を覗くと、敵意を感じる紅い眼。それをシートごと下ろしてみると、大きなハツカネズミが身体中に粘着剤をつけて牙を向いて、こっちを見ていた。貼り付いてからも一生懸命逃げようと暴れたのであろう。
それとともにびっくりしたのが、粘着シートそのもの。他のネズミが助けようと、大体1/4ぐらいを噛み切ってぼろぼろになっている。
かわいそうだが?、水死の刑に処した。
それで懲りるかとおもったら、またまた騒ぎ出した。ただし最初の粘着シート設置場所のあたりには絶対近づかなくなった。
いろいろ場所を変えてもう1匹捕獲。捕獲場所がショックなことに部屋内であった。大騒ぎで、いろんなものをクリーニングした。一応部屋内への侵入経路は目処がつき、徹底的に処置した。
このあたりから配偶者が本当に怒り出した。結局スプレーも粘着シートも、完全にそこから追い出すようなものではない。
そこで、この家を建てた建設会社に調査と対策を依頼した。
2日後にきた社員は、外回りをチェックし、外壁で隠れているが基礎と実際の壁の間に隙間があることを、それが当たり前であるかのように指摘した。そしてその処置とネズミ駆除に約50万円弱の見積もりを出してきた。隙間に細かいメッシュを貼るとともに、殺鼠剤を撒き3~4度チェックしにくるというものである。その隙間については、私も後で、家全体をチェックした。
私としては、配偶者対策上OKをしようとおもったが、作業ができないということで正面の金網塀を一部切除し、そのままにするところが特に気に入らなかった。また塞ぐ場所も中途半端に思えた。
ご近所を調査すると、右隣は以前にネズミが入ってきたということで猫を飼っている。左隣は、主人が建築関連の人だが家の建設段階でその隙間を見つけて指摘し、塞ぐように処置したとの事であった。同時期に立った12軒のうち4軒がちゃんと封鎖処置が取られていた。
建設業者に建築時の過失ではないかと迫ったが、いなされるばかりで聞いてもらえない。コンチキショウということで、自分で対処することを考えた。
業者の処置は恒久的だが、ともかくある程度の期間塞ぐことができて、かつしばらく固着できればいいとおもい、発泡スチロールと金網を巻いて塊にしたものを隙間形状にやや大きめに切って押し込とともに、アルミ箔の粘着テープできちっと抑えることとした。
アルミ箔ならばネズミさんもかじり続ける気にはならないだろう。通気についても問題がないことを、建設関係のお隣りさんに確認した。
土曜日に1時間程度で処置終了。費用は粘着テープと発泡スチロールパネル、屑の金網で1000円はかかっていない。私ひとりの人件費もしれたものであるはず。
処置の間、ネズミさんが外出しているということを望んだ。多分食料は外部調達だから出ているに違いないとはおもったが、もし中にいる状態で閉じたら、また配偶者がうるさい。
ただし、2階の高さに開口部がありそこからは落ちても入ることはないということを業者から聞いており、いよいよとなったらそこから飛び降りてもらえるだろうと楽観的に考えた。
結果は、その夜はっきりと明らかになった。
家の電気を消すと、外からネズミがなんども家の中へ呼びかけてくる。家の周りをまわって浸入路を探しているようであった。
あ、また鳴いているねといいながら、配偶者は寝入った。
そして私は各部屋に、順番に静かにたたずんだ。2階の1室で天井からごそごそ音がした。最低1匹は、閉じ込めてしまったらしい。だけれども勝手が違うようで、その後は静かになった。先ほどの外のネズミの鳴き声は、中のネズミを呼んでいたのかもしれない。
次の日からは、天井で運動会が始まることはなかった。
1週間くらいは、天井で時に小さな音がしたが、配偶者も聞こえていないかのように振舞った。その後完全に音がしなくなり、現在も継続している。
先週ちょっとチェックして、やや歪が出たせいか隙間のあるところが見つかったので、近く補修数るつもりである。
教訓
1.ネズミの家族は非常に愛情深い?。
最初に捕獲した粘着シートを、他のネズミが一生懸命かじったこと、また密閉後の外からの悲しそうな呼びかけ。
2.ネズミは浸入経路から遮断。
臭いスプレーや粘着シートは、あくまで受身の道具。侵入路を閉鎖しなければ、いつまでも暴れられる。
3.プロの目が必要。
ネズミの侵入路は、プロからみるとすぐわかる。むしろ建設段階でプロが見たら事前に防止できた。
4.近所との情報交換をちゃんとする。
ネズミの話は周辺は経験しており、対策を採っているところが多かった。もっと連携を深めるべきであった。
5.業者の話は、鵜呑みにしない。
業者はむしろ仕事を作ろうとする。個人で出来ることは工夫してちゃんとやる。
私の処置は、後で業者が様子を見にきた。暫定処置としてはなるほどといって帰った。
おまけ
こういったケースは、平穏な生活への脅威であり、ちゃんと処置しないと家庭を守れないと指弾される。
こんなことで別居なんて結果に至りたくない。
もうひとつおまけ。
こんな猫は役に立ちません。
<ネズミさん踊っていてもいいよ>
お前 ボーっと
寝てんじゃねーよ!
でもそれは
ネズミのステップ
楽しむためさ
お前 ボーっと
寝てんじゃねーよ!
でもそれは
ネズミのステップ
楽しむためさ