空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

「両親があなたみたいな年寄りと結婚するなっていうの」「ン年も学費出させてか」

2023-01-28 14:19:09 | Newsメモ
 ウガンダ。そうまで殺伐としていないという点で、このくらいで済んでいれば世の中まあまあ平和だなあというニュース。30代の女性が60代の男性と恋仲になり、将来のためにというわけだろう、大学の学費を出させて、でまあ学位は取れたのだろうか、しかし親が反対しているから婚約破棄ね!とやったところ、さすがにそれ慰謝料だせやという判決が。

BBC Woman told to pay ex-fiancé for breaking his heart 27 Jan 2023

A Ugandan woman who broke up with her fiancé has been ordered to pay him financial damages for psychological anguish.

The court in Kanungu said Richard Tumwine paid 9.4m shillings ($2,550; £2,060) for Fortunate Kyarikunda's law studies, which she must now repay plus his legal fees.

By calling off their engagement after four years, Magistrate Asanasio Mukobi ruled that Ms Kyarikunda had broken a promise to the detriment of Mr Tumwine.


Meanwhile Sheila Kawamara, of the women's advocacy group ED EASSI, warns there are sometimes exploitative circumstances whereby a man gives money to a woman on the condition that she will marry him.

 現地の新聞記事。

Monitor Court orders woman to pay Shs10m for breach of marriage promise Friday, January 27, 2023 By Juliet Kigongo

The court heard that the woman came up with an excuse that her parents have stated that their daughter should not get married to an older man.

Court records show that Richard Tumwine and Fortunate Kyarikunda, both teachers started their love relationship in 2015 and that the duo later entered a promise to marry agreement in 2018.

 日本語版は女性側親の話が入っていない。

AFP 学費出させて婚約破棄した女性に返還命令 ウガンダ裁判所 023年1月28日 12:15 発信地:カンパラ/ウガンダ [ ウガンダ アフリカ ]

AFPが確認した裁判文書によると、元教師の男性(64)は、30代前半とされる女性と婚約中、相手の大学の学費を支払った。しかしその後、女性は「年寄りとは結婚できない」として婚約を破棄したとされている

しかし、元倫理相で女性の権利活動家のミリア・マテンベ(Miria Matembe)氏は「不公平な」判決だと非難。「いかに司法制度が男性に有利かを示す典型例だ」と述べた

 そしてろくでもない(と、男性である私は判断する)コメントがついている。
 婚約は法的な契約ではないから慰謝料を支払う法的根拠が薄い、だから払わせるのは男性優位社会のバイアスだというような説明をしないと、さすがに阿呆すぎるコメントに見えないか、これ。

 …だからといってこの女性が倫理的に正しいかというのはまた別だが。
 これがいわゆる「援助交際」であれば、性的サービスの対価として金銭を支払ったのだから契約は十分果たされた(だから返金の必要はない)という理屈はつくだろうが(売春を禁止している法律の下ではやっぱり駄目な感はあるが、それでも契約は正確に履行されたとはいえる)、しかしこの場合は「ふたりの将来の生活のために」という意味での投資の属性が高いとみなされたわけじゃなかろうか。

 私としては、判決は妥当と見たい。
 これを「女性はこうでもしなければ大学に行けない、そんな不当な男尊女卑社会に生きている。だから補償を受ける権利がある」といった理屈で合理化しようとしても、任意の男性を選定して男性社会の罪の補償をその個人から任意に取り立ててよいというルールは、さすがに正当化の余地に欠け過ぎる。というか単なる詐欺である。



 うまくやってくれ、うまく…!
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