平昌冬季五輪・アイスホッケーの扱いがひどい

　承前

朝鮮日報 平昌五輪：アイスホッケー女子南北合同チーム、スイス・日本は反対 記事入力 : 2018/01/20 09:16

「南北が閣僚級・次官級実務会談で合意したことで、平昌冬季五輪のアイスホッケー女子南北合同チーム推進問題が一気に動き始めた。南北代表団は20日、スイス・ローザンヌの国際オリンピック委員会（IOC）本部で南北合同チーム問題を話し合う」

　韓国・北朝鮮両国の合同チームが組めること自体は喜ばしいことなのだが、それ以外に問題多発。

「南北合同チームが完全実現するまでには、関門がもう1つ残っている。それは、平昌五輪出場国の同意を得られるかどうかだ。南北は、合同チームを結成して既存の韓国代表選手23人に北朝鮮選手が加わる「23＋α」案で合意した。この規定は「全23選手、試合出場22選手」というアイスホッケー公式エントリー規定に反する」

　ルール無用！

「このような重大事案は、本来なら臨時総会を開いて話し合うべきことだが、開幕が迫っているため総会開催は事実上、不可能だ」

　会議無用！

　…いやあ…なんぼなんでも…。

「韓国が以前のようなくみしやすい相手ではなくなったため、五輪競技の直接的な利害関係者が南北合同チームのエントリー枠拡大に強く抵抗してくる可能性がある」

　そういう問題じゃなくてね、一貫したルールのもとに勝負してみるってフィールドがあって、それをその場の都合やスポーツ以外の理由で好き勝手に左右するのは原則的によくない、ということであってね…。

朝鮮日報 女子アイスホッケー韓国代表GK「選手たちは傷付き、士気低下」 記事入力 : 2018/01/19 11:22

「「（韓国より）実力のある選手が来るとしても、チーム全体の競技力は下がることになる。ホッケーは個人競技ではなく、組織力が勝負を大きく左右するチームプレーのスポーツだからだ。約2週間一緒に練習できるだろうが…。私たちが五輪で200％の力を発揮できたとしても奇跡が起こるかどうかなのに」と、特に「チームの組織力」を心配していた」

　私の記憶どおり、アイスホッケーはチームで戦うものであって、いかにトッププレイヤーだろうが『はい、ここにはめ込みネ』といわれて勝てるかどうか、試合がまっとうに動くかどうか…。

　…そりゃあ例えば、中学生リーグにマラドーナやメッシやを突っ込めば、それだけでそのチームは勝てるでしょうけどね…。

　なお組織側は『選手はわがまま言うんじゃないよ』とお諭しあそばされるらしい：

朝鮮日報 平昌五輪：「南北合同チーム、選手個人の欲でなく歴史作る誇りを持て」 記事入力 : 2018/01/20 09:39

「京畿道教育庁（教育委員会に相当）の李在禎（イ・ジェジョン）教育監（教育庁トップ）は19日、平昌冬季五輪アイスホッケー女子南北合同チーム問題について「選手たちが個人的欲望やチームの希望を超越した大きな歴史を作るという自負心を持てばと思う」と語った」

「「選手たちにとっては本当に残念なことかもしれないが、（南北合同チームを結成すれば）金メダルを取る以上に国際社会でとてつもなく大きな注目を浴びるだろう」」

　はい、スポーツの政治利用発言、いただきましたー…。

「大統領府関係者もこの前日の18日、「南北合同チーム結成問題がなかったら、誰もアイスホッケー・チームに注目しなかっただろう。100％だ」と発言した」

　アイスホッケー競技にたいする軽視発言ー…。
　泉から水が流れ出すように垂れ流される失言のかしましい流れである。

「李洛淵首相は16日の記者団新年懇談会で「アイスホッケー女子（南北合同チーム）がメダル圏内にいるかと言えば、そうではない。韓国は世界ランキング22位、北朝鮮は25位だ」と発言していた。この発言が報じられると、「メダル圏内ではなくてくみしやすいから政治交渉の対象にしたというのか」という批判が相次いでいた」

朝鮮日報 「南北合同なければアイスホッケーは注目されなかったはず」　韓国大統領府内からまた暴言 記事入力 : 2018/01/19 11:21

「この関係者は「（合同チームの話で）若者の支持が多く離れた。十分に承知している」としながらも「これまで夢にも考えられなかった北朝鮮の参加に向けて話し合っている。（木ではなく）森を見てほしい」「（つい先日まで）韓半島（朝鮮半島）が北朝鮮の核により戦争の危機に直面していたことを考えれば、今は大きな幸せを経験している」などとも語った」

　十二分な、スポーツの政治利用発言。しかし国際的に、というより南北関係的な意味のそれであり、国内的にも支持を落とす微妙な一手というべきか。