空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

公然の秘密と藁人形たたき

2018-10-25 14:09:33 | ノート
NHK 「地獄だった」安田純平さん機内での主なやり取り 2018年10月25日 6時22分

ー解放のときはどういう状態だったんですか?どなたが助けに来られたんですか?

助けではなくて、彼ら自身が車で国境まで運んできて、それでトルコ側が受け取って、そのまま23日入っていた施設に入れられたんですけど。

ーその時の気持ちとしてはどうでしたか。ほっとしたとか?

いや、とにかく荷物がないことに腹が立って、ということと、トルコ政府側に引き渡されるとすぐに日本大使館に引き渡されると。そうなると、あたかも日本政府が何か動いて解放されたかのように思う人がおそらくいるんじゃないかと。それだけは避けたかったので、ああいう形の解放のされ方というのは望まない解放のされ方だったということがありまして。


 …うんまあ、3年も拘束されていたので精神的に参ってしまっているという理解で、ひとつ。いや元からの思想ではあるけど。



 日本政府が”動いた”ことは公然の秘密というやつで、触れないお約束になっている。そこを捉えて、「日本政府がなにかやってくれたはずがない」との旨、しかも救出された側が言うのはどうかと。

 ということで、日本政府は一切何もやっていない建前なので、まあ批判者はなんぼでも「国民を見捨てる薄情な日本政府!」と言い募ることができるわけです:



 しかし、少なくとも諸種のコストは支払っているわけで



 ここらへんが、おそらく我々の「フリー」ジャーナリストの根性の足りなさ、理論的弱体…を示唆する・「下支えする」ところで、ここがどうにかならんとフリー・ジャーナリズムへの尊敬も得られないと思う。
 が、「権力に反抗する勇敢な私」という自己イメージを強化して、いまの顧客から確実な稼ぎを確保するため、彼らはそうした自己批判・検討をせずに済ますだろう。まあ世界標準のフリージャーナリズムに到達できなくても死ぬわけじゃないしな。







 でまあ、カタールに三億以上の利益供給をすることなろうし、そういう点―



 ―というあたり、ふつーの大人、つまり「暗黙の了解」「公然の秘密」を理解している層は日本の「フリー・ジャーナリズム」に対する不信感を強め、その類友に対する支持の気持ちを減少させていくものと思われるのですが、まあどうせこの人たちは後進を育てようとかしてないっぽいからどうでもいいか。個人的には惜しいことだと思うけど。


 追記



 …乱暴な物言いではあるけれど、まあ実際そうだしなあ…という…。
 世間様の、わりと無視できない割合がこんな感じになるかと思われ、マーケティングはそこそこするといいのじゃないかな、と「フリー」ライド「ジャーナリズム」なひとたちにはご注意いただけるといいかなーとか。

 …ふつーは「関係各位に感謝申し上げる」くらいはいうもんだと思うんだが。

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