空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

「正気に戻れ」「正道に戻れ」

2022-08-01 10:29:40 | 国語
「正気に戻れ」「正道に戻れ」、いずれがよりきつそうか。そしていずれがより文脈に適するだろうか。

 …キッツいのは「正気に戻れ」の方でしょうね。正気じゃない、狂気であるぞと相手を規定し、さあ戻れというのだから。つまり「診断」が入る(という印象がより強い)。客観的な指標として狂っているのであり、正気に戻らねばならない。

 他方「正道に戻れ」であれば、…思ったのだが、これあからさまに右翼っぽいなと。速やかに正道に立ち戻れ、って、ふつう左翼なら言わなさそうだ。そこで



 …自らを進歩派と位置付けるひとであれば「正道に戻れ」とは言い辛いものかなあ、とちょっとメモ。
 いや、これこそ「正道に戻れ」だと思うが。しかし政治的な立場、思想的な立場によって使いやすい単語・使いづらい単語というものがあるだろう。
 この場合、「進歩派」のKOMIYA氏としては「正道」なる、どうも右翼くさい単語を使えず、「正気」と言ってしまい―

 ―フーコー的にものすっごくマズくなったのじゃあるまいか。
 相手を狂気と名指す・暗示することで正気の序列を定め・暗示し、その序列の判定者として立ち現れる。この権力性を批判し、その序列化への意思を批判し、序列化による理性の劣化を懸念する―というのは、現代ではちょいと気の利いた高校生ならすぐさま作文できるかとおもわれ(何しろ「公共」や「倫理」で彼の名は必修事項扱いなのだ)、これは迂闊と評されるかもしれない。論文で書くのじゃなければ―twitterで書き流すくらいなら、まあまあ、うん、そう、うん、まあ、とは思うが。
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