空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

Habsade殺害命令;アルシャバブの統治;アラブ連合の呼びかけ

2009-06-24 18:34:42 | ソマリア関連
 自ら勝ち取った自由でなくば,その使い方も維持の方策も意地も分からぬものだろうか(日記)。自由と権利を主張するようでいて,その実,奴隷となるべく声を張り上げる人の群れよとかそーいいたくなる気持ちも起こりがちなものではあろう。まあしらん。

ShabelleMediaNetwork Arab parliament calls to hold an urgent meeting on Somalia  Posted: 6/23/2009 3:34:00 PM

 アラブ連盟(議長)としてはアラブ諸国およびAUに呼びかけ,ソマリアの状態悪化について緊急閣僚級会合を開きたい意向。

 アルシャバブがきちんと治安維持ができ,近隣諸国とさほど険悪でない関係を結べるならそうまでの問題ではないでしょうけど,彼らは国際政治的な失策を幾つか犯しているかと思われます。無駄にエチオピア・ケニアに敵対的だったり(遠交近攻とか知らんのか。Sheikh Sharifはスーダンと誼を通じたが),無駄にスーフィを弾圧してみたり,武器弾薬の物流方面で死ぬほど後ろ暗かったり,人権侵害正面突破の無茶な裁判してみたり(自分たちが強姦した13歳少女を23歳成人淫売女として死刑にするのは突っ込み所満載),『アルカイダと関係持っているのじゃー』と疑い掛けられている疑惑の渦中に「いやアフガン人とかパキとかムスリムだから兄弟だから外国人でなんかありえないから」なんて堂々後ろ暗い腹を大全開しくさったり。

 特に最後の点はどーしよーもなく,『ぼくらソマリ人のソマリ人によるソマリ人のための祖国解放民族運動ですから,だから外国の傀儡を砕けばそれで満足なんですよ?』とゆー外装くらい維持できなかったのかと。

 国際テロ組織と密接な関係がありますよーと世界中に理解されるよーな,そーいうぶっちゃけは止しておくくらいの理性は働かなかったのかと。

 ここまでの間抜けだと,これをパートナー,カウンターパートに選ぶ物好きも限られようとゆー気が心の奥底から湧いてくるんですが。

 でまあ,アルシャバブ支配下での暴力狼藉事件の報道:

ShabelleMediaNetwork Gunmen kill 2, injure 4 others near Jowhar town  Posted: 6/23/2009 4:44:00 PM
Garowe Online Somalia: 2 killed in violent attack on passenger bus Jun 23, 2009 - 10:03:18 AM

 中Shabelle県都Jowharに向かう民間バスに銃撃,2名死亡,4名負傷。母親と2名の子供が犠牲者の列に入っているそうで。単純な物盗り山賊連中の犯行かと思われる様子です。アルシャバブ指導部からのコメントはない模様。
 またさらに支族民兵間の戦闘があり,8名が死亡したという。同機は復讐だとか。長老方の仲介を得たようですが。

 まーことほど左様に,暫定政府が治安維持能力に欠けるといって,アルシャバブが治安維持に長けているかといえばそーでもない。つか,そのあたりの能力は,アルシャバブは漸次減少させて行ってると私は疑うのですが。

 だって地元の有力指導者たちが続々暫定政府側に乗り換えたでしょう?
 彼らこそ,良し悪しはあれ,現地で「抑え」になっていたはずのところの人々で,ただの(田舎の)若造や外国人戦闘員で人数を埋めたところで,行政能力等々は代替がききませんよ,それ。

 軍事的意味で勝利を重ねていっても,占領地,新規獲得領土に適切な統治を施せないのでは,軍事的勝利は虚しいものだ―ということに「若者」たちが気付くのはいつのことでしょう。

 時に,Baidoaのアルシャバブ指導部の動静はあまり報じられない傾向にあるようですが:

Garowe Online Al Shabaab guerrilla threatens to kill Somalia Cabinet minister Jun 23, 2009 - 10:09:20 AM

 …またぞろ,アルシャバブの暗殺癖が首をもたげたかと思いきや,そう言いたくなる気持ちも分かるという,そんな事件です。

 アルシャバブの前報道担当,Muktar Robow "Abu Mansur"は声明を発し,運輸相Mohamed Ibrahim Habsadeを殺すぞとおどしつける。

 いや,無理もないです。
 アルシャバブがバイドアを攻め取った際,Habsade氏は捕虜となり,アルシャバブは寛大にも彼を解放したのでした。「我々はHabzadeを殺せと命令を発した,そして我々が本年当初,この都市(Baidoa)を獲得した際に寛容をしめしたところの者たちを―彼らは(二度と)許されることはあるまい」と彼は言う。

 Habzade氏は,(たしか)宣誓して解放されたにも関わらず,Bay及びBakoolを奪取するため軍事作戦を組織しつつあるなどと声明したのでありました。

 …そりゃアナタ,仁義に悖る者として,死刑執行命令だって出ようというものでしょう…。

 Baidoa自体は,アルシャバブの行動が問題となることもそうなく,さほど大過なく治められているような印象を持つのですが,さて実情はどうか私はチェックし切れてません。Kismayoよりは,切れ者がおさめているかなーと思ってるんですが。


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