ハードボイルド・エッグ

これはハードボイルドですね～。しっかりと、ハードボイルドのセオリーに則った造りになってます。・・・ただ、主人公以外のほとんどの登場人物が、それをまったく理解してくれないコトを除いてですが。

主人公はフィリップ・マーロウかぶれで、常日頃からマーロウじみた発言や行動をしているんです。ですが、それの対象となるものがあまりにショボすぎて、ギャップについニヤニヤしてしまう面白さがありました。
行きつけのジャズマニアのマスターのいる渋いバーが、いつの間にかおでんやカラオケを置くようになってしまっていたりするトコなんか、色んな意味で哀愁漂いまくりでした。

文体はしっかりとハードボイルドなんですが、とっても読みやすいです。多少、先の展開が読みやすい部分がありますが、それはそれで予定調和な世界では仕方のない事と言うよりは、むしろ優秀なお笑い芸人のように期待に応えてくれてる感じがありましたね。