光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

国立近代美術館(2013.11.16)「何かが起こっている:1907-1945の軌跡」 #6

2013年12月31日 | アート 各分野

10章「誰か故郷を想わざる」の続きです。 1920年代から1940年代の日本画が堪能できました。

1942年3月に開催された「日本画家報国会 軍用機献納作品展」の出品作から 

     

 

左側白壁の絵は、小野竹喬の戦後の作品で、別になります。

 

 

 

 

 

田中咄哉州の国華をピックアップ。  清楚な趣で良いのですが、タイトルが国華となると、あーやはり、となります。 

 

 

  

 

 

 奥村土牛の倭鶏・・・考えずに見たいのですが、戦争への意識がありますね。

 

 

 ここからは、1920~1940年代の通常の日本画。  

 

 

吉岡堅二のこの作品は、好きな作品です。  なるほど、ピカソのキュビズムなどの影響も感じます。

 

 

 

渋い配色の絵で、吉岡28歳の時の作品。  作者の思い入れが感じられる。

 

 

 

当時としては、新しいイメージの日本画。 説明にある”皇統尊崇の心に裏付け…”までは感じません。

 

 

展示光景。 天井と床が黒なので、落ち着いた雰囲気です。

 

 

 

続いて川合玉堂。  初秋の雨の雰囲気がいいですね。

  

 

 

こちらは、玉堂の「軍用機献納作品展」に出品した「祝捷日」。  間に合わせに描いたような感じ。

  

 

 

こちらは、横山大観が「軍用機献納作品展」に出品した「春風万里乃濤」。  こちらも手間暇かけているような絵には見えません。 

 

 

こちらは、大観の「南溟の夜」。  南溟とは南方の大海の意味ですが、夜空が妙に明るく、白い点状の光は何?…高射砲の炸裂光か?

 

 

川端龍子の絵にも、困惑した様子がうかがえます。  

 

 

古径の絵も、普通に見れば栗の静物画ですが、勝ち栗の意味で見ると戦争協力画になる。

 

 

里芋と戦争を結びつけるもの? しかし、軍用機献納作品展には徳岡神泉も「緋鯉」で出展している。
絵としては、シンプルな構図と色ですが、深味がありいい感じです。

 

 

もう一度、展示光景。  ゆっくり座って見たいと思わせる造りです。

 

 

 

ここからは、大家の画帖。  13名中、4名をピックアップします。

 

 

 

 

 

 

安田靫彦の梅は、溜息がでるような可憐な美しさ。



 

 

前田青邨は武者絵で、戦時の題材ですが、太腿丸出しで怒った表情は、レジスタンスのあらわれか。



 

 

戦後の作品、小野竹喬の「雨の海」。  数年前、ここ近代美術館で小野竹喬展を見たのですが、もやっとした描写と、きれいな色使いが印象に残っています。
印象は同じですね。



 

 

 

先ほど、芋図を紹介した徳岡神泉です。  戦前も戦後も画風あまり変わっていません。 
よく見ると、木肌模様の一部が人の姿のように見えます。   要らないものをそぎ落として、対象に迫った神泉、馥郁たる香気を放っています。


  

 

大晦日いかがお過ごしでしょうか。  皆様、よいお年を。


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