光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

東京国立近代美術館 所蔵作品展から 10室(2021.12.24鑑賞)

2022年04月09日 | アート 各分野
東京国立近代美術館の鑑賞、今回は3階の第10室です。

 

10室の概要・・・公式サイトからお借りしました。

10室 機械メカの美(後期:12月7日―2022年2月13日)

太田聴雨《星をみる女性》1936年
(展示期間:12月7日―2022年2月13日)

 

 近代化が進展した1920–30年代は、都市文化の繁栄とともに、機械ならではの美しさに対する意識が
新たに芽ばえた時代といえます。あたかも機械の部品のように、人体を各パーツへと解体し、幾何学的
な形態と組み合わせて再構成した萬鉄五郎の《もたれて立つ人》。
パブロ・ピカソやジョルジュ・ブラックがフランスで創始したキュビスムの影響を受けていることは明
らかですが、人間と機械を等価なものとするまなざしを見てとることもできます。

 一方、同時代の日本画はどうでしょう。望遠鏡やカメラは新しい時代の到来を象徴するモチーフとし
て描かれ、金属の硬さや重量感が、女性の若々しい透き通るような肌やしなやかさと引き立てあう効果
を生んでいます。戦後になると、パンリアル美術協会の三上誠や星野眞吾らは「写実的」という意味の
リアルではなく、「現実社会」という意味のリアルと向き合うための日本画を追求しました。

 彼らの作品には、生命感の希薄な動植物あるいは意思を持った機械のようなモチーフなど、生命と機
械が融合した心象世界が広がっています。

 

 

10室の奥、ご覧のように、落ち着いて鑑賞できる部屋です。

 

 

では個々の作品を

中村岳陵  《気球揚る》

中村岳陵が生まれた1890年(明治23年)、英国人によって日本で初めて気球が上がった。

洋装の貴婦人と和服で扇子を振る女性。洋と和、新と古の対比。 この作品が制作された

1950年(昭和25年)、岳陵は36年間も所属した再興日本美術院を去り、日展(日本美術

展覧会)に参加。気持ちも新たに制作したのでしょう。

 

胸から上の部分拡大。 精細な筆致がわかります。

 

 

北野恒富の美人画ファンなんです私は。 (#^_^#)

 

 

 

芸妓のアップです。

鹿の子絞りの着物、宮中絵巻風の帯柄、簪の翡翠など、緑を基調とした統一感が爽やか。

そして何より、真剣な表情の女性の情感が素晴らしい。 

 

 

古賀春江 《母子》 

昔、女性の画家と勘違いしていました。 本名は亀雄(よしお)、「春江」は通称。

写実、キュビスム、シュルレアリスム、クレー風絵画、と画風が変遷しています。

この作品は、金属感ゴリゴリのキュビズムだ・・・私は、へー!でした。

古賀春江はこの作品を描く前年、奥さんが死産、影響してますね・・

 

 

10室の入口側の作品、メカっぽさがより強い。

 

 

 

 

 

 

 

山口 長男《二人像》

1927年から1930年までパリにいて、帰国した年、二科展に出品し入賞した作品。

 

 

 

谷中安規  《版画集 5 冥想氏》

谷中安規も好きな作家。

 

 

谷中安規  《「方寸版画」創刊号・幻想集6.空》

 

 

 

小泉癸巳男  《「昭和大東京百図絵」より 54.城東区砂町風景》

小泉癸巳男 の版画は初めてでした。 大東京百図絵の他の景もWebで見ましたが

抒情的な作品のほうが多い。

彫刻線とか、人物の描き方は、人間的でヘタウマ的な面白さあり。

 

 

 

小泉癸巳男  《「昭和大東京百図絵」より 87.羽田国際飛行場》

 

 

 

谷中安規  《レコードと蓄音機》

 

 

 

古賀春江  《古賀春江作《梅》による版画》

古賀は生来病弱で、神経衰弱や各種の病気を患っていた。 また女性問題も多かった。

この作品が制作されたときは、古賀は梅毒で脳神経まで侵されていた。(この年に亡くなっている)

この作品に、機械の美というより、ぎこちなさを感じるのは、その影響だろうか。

 

 

なお、古賀春江作《梅》は、1920年頃制作された水彩画の作品だと思われます。 Webからお借りしました。


 古賀春江 《梅 Plum blossoms》1920年頃  鉛筆、水彩・紙  28.5×39cm

   

 

 

杉浦非水の雑誌表紙絵

 

 

仲田定之助  《女の首》 1924  白銅

 

 

 

 

 

 

 

佐々木象堂 《蠟型鋳銅置物 三禽》  1960  青銅、蠟型鋳造 

リズミカルで面白い。

 

 

 

  


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