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光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

蔡国強展 帰去来

2015年09月09日 | アート 現代美術

7月25日(土)に横浜美術館で開催されている蔡国強展”帰去来”に行ってきました。

 

 

入口にこの巨大な作品。 2階から撮影

《夜桜》2015年、火薬・和紙、800×2400cm、作家蔵

 

 

1階で  素材は和紙!

 

 

左側は篝火かな?

 

 

2階でこの作品の裏面を撮影。 和紙の裏面まで爆発の力が及んでいます。

 

 

《春夏秋冬》 白い磁器パネルに草花などが浮彫されています。 これも大きな作品です。

《 春夏秋冬》より (部分) 2014年、火薬・磁器、作家蔵

 

その表面を爆破処理して、あえて汚濁をつくり、清濁混合の美をつくっている。

 

 

 

そして驚いたのは、《人生四季》と題された、江戸時代の浮世絵師:月岡雪鼎の春画をモチーフにした絵画(火薬絵画と称している)

蔡のカタログテキストから、この作品と関連する考え方が明瞭に述べられていました。

”今回、私は日本絵画の構図や情感、東洋の文化思想や生き方について考え、現代絵画の言語や表現手法に置き換えることを模索した。
                ・・・
横山大観などの先人が描いた日本画はすでに形式化しており、自分なりの表現を加える余地はあまりない。一方、日本の春画の
自由さには興味をおぼえた。春画を描いた絵師は、いわゆる正統派ではなく、「古代中国の多くの著名な絵師も春宮画を描いた」
ことを根拠に、自らの絵も芸術であると主張した。伝統的な“日本画”はもちろん主流ではあるが、その画面は窓から見る景色の
ようで、単なる観賞の対象になっているものが多い。だが、春画の中にはいのちが流れており、自然の変化もとり入れられてい
る。さらには、東洋文化における時空一体の概念が含まれ、現代アートとも通じるものがあり、その意味で対話の余地が残され
ていた。
《人生四季》
春画のうち、私が最も多くのインスピレーションを受けたのは、月岡雪鼎が一組の男女のいのちの営みの変化を描いた《四季画
巻》である。中でも女性の描写が特に印象深かった。春、娘にはまだ陰毛が見えず、はにかんで潤んでいる。夏になるとよろこ
びを覚え、秋には朗らかで開放的となり、子を宿している。冬が来て、情けが深まり、男性の上に覆い被さってさえいる……。
女性の表情にそれほど大きな変化はないが、局部の色はピンクから紫へと徐々に変化しており、歳を重ねていることを感じさせ
る。それぞれの春画と対になった花卉図も、いのちの盛衰に沿ったものとなっている。
カンヴァスの上に火薬を使って描いた《人生四季》では、まず人物を中性化し、服装や時代的な特徴をなくした。肌の刺青は、
花札の図柄からとり、四季の動植物と対応させ、人が情欲を深めていく段階を示した。柔らかくぼんやりとした「春」の光の中
で、燕が鳴き交わし、欲望は子鹿のように無邪気にぶつかり合う。色鮮やかな「夏」では、百合や牡丹が花開き、カッコウが鳴
く中で、ひとしきりのおたのしみ。清々しい「秋」には、すっかり知り尽くし、菊や朝顔が咲き誇り、南へ飛ぶ雁や芒が秋風を
示す。「冬」はあたり一面の雪で、ゆったりとした深い情にあふれ、松の上に鶴が舞い飛び、梅の梢には小鳥が寄り添う……。
春画や刺青の表現などの試みのほかに、最も予想外だったのは、色がもたらす興奮だった。昼用花火の材料の爆発によって出し
た赤などの色は、フランシス・ベーコンの油絵のような制御不能の狂気とサディズムを感じさせる。局部の濃厚で強烈な色合は、
画面の大部分を占める、永久に安らかな灰色を挑発しているかのようで、そこには野獣を放ったような痛快さがあり、もう一人
の自分が解放された気分だった。黒い火薬の原始的エネルギーと昼用花火の色彩によって情欲を表現し、生きる上での喪失や渇
望を伝えていくことの今後の可能性は、少なくないようだ。”

長文でしたが、現代絵画に翻訳した春画が見事でしたので、引用させていただきました。

9月13日追加:本日、図書館で蔡国強さんがインスピレーションを受けた月岡雪鼎の《四季画巻》を見てきました。 
芸術新潮1月号の月岡雪鼎特集にありました。  
 雪鼎の原画もさすがです。 江戸の浮世絵師とはちょっと違い、上方の細や
かなリアリティが感じられます。

《人生四季 春》

 

《人生四季 夏》

 

《人生四季 秋》

 

《人生四季 冬》

 

蔡は美術を目指した頃、キャンバス作品を制作していたが、その後、火薬ドローイングやインスタレーションで国際的に有名になった。

今回は、火薬を用いて絵画に回帰してみたかったとのこと。 帰去来にはそうした意味もある。

 

 

 

そして《壁撞き》

 

 

 《壁撞き》 2006、99 体のオオカミ[鉄芯、 藁、石膏、着色された羊の毛皮、合成素材]のレプリカ、ガラス壁[合わせガラス、鉄骨ベニヤ貼り、塗装仕上げ台座] 400×800×3200(ガラス壁:290×350×340)cm ドイツ銀行蔵

 

 このオオカミの毛、羊の毛を着色して植え付けたものとか。 ベルリンの壁、崩壊後の目に見えない壁をモチーフにしてつくられた巨大インスタレーションの

ダイナミックさと、細かいディテールまで手を抜かない緻密さ、・・・世界で活躍するのも当然でしょう。

こちらは、芸術新潮9月号の蔡国強展の紹介ページです。 オオカミ、爆破、春画・・・わかりやすい
コンセプトです。

 

その土地々々の文化や、伝統などを織り込みながら制作する蔡国強さん、頭の良い人という印象も受けました

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李傑展、韓国料理  銀座(2015.6.28) 

2015年08月16日 | アート 現代美術

2015.6.28(日)の美術館巡りなど

午前中、東京国立近代美術館で
「No Museum, No Life?―これからの美術館事典
 国立美術館コレクションによる展覧会」を鑑賞・・・ベリーグッド!
         ↓
午後、銀座のソフトバンク店
         ↓
   資生堂ギャラリー《李傑展》・・・面白い!
         ↓
   韓国料理(有楽町のガード下)

今日は、午後のコースを紹介。(2か月近く前の記事ですみません)

銀座のソフトバンクのショップ。

3年前、オープンした時の面白さは無くなり、普通の販売ショップになりましたね。

唯一、残るお父さんの像。  午後1時。

 

 

■ 李傑(リー・キット)展「 The voice behind me」 

資生堂ギャラリーで2015年6月2日(火)から7月26日(日)まで開催された個展で終了しています。

台北在住の香港人アーティスト、
リー・キットは、1978年香港生まれ。2008年まで香港中文大学美術学部修士課程

にて学んだ後、2013年のヴェネチア・ビエンナーレでは香港館の代表に選ばれています。

 

壁の青とhiの文字、青い椅子が印象的な作品。(作品名はパンフに書かれていたようですが、もらいませんでした。) 

 

 

中央の椅子も作品の一部。  左の女性はギャラリー職員で作品ではありません。

 

 

それぞれのモノが調和して心地よい空間になっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映像が流されるのですが、映像はうるさいような気がします。

 

 

意味は分かりませんが、光景として心地よいものがあります。

 

 

 

 

 

 

 

壁にかけられている作品は  《man in suit 2014》

 

 

時々、出合う見学者。 外人の方もいました。

 

 

鑑賞後、帰りの階段から撮影。   インスタレーション作品は好きではないのですが、李傑展は見終って、しっくりくるものがありました。

 

 

銀座から、山手線のガード沿いに有楽町まで歩いていくと、韓国料理の店があり、入りました。  午後1時40分。

屋台料理っぽい雰囲気が庶民的でいい。

 

 

冷麺、4月にソウルに行って以来、韓国料理に関心があります。  味はグーでした。

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川田祐子展 ー道草ー

2015年07月05日 | アート 現代美術

現代美術家 川田祐子さんの個展が7月7日(火)からKANEKO ART TOKYOで開催されます。

一足早く、内容を紹介します。

神田駅東口から歩いて6分の画廊は少しわかりずらいかもしれません。 写真は右端に画廊、道路向こうに見える高架が神田駅方向になります。

 

 

 

 画廊正面です。

 

 

 

入口正面の作品。 作品の撮影は川田さんに許可をいただきました。

 

メイン展示室

 

 

制作された川田さんがご覧になっているところ。 中央の作品が今回のメインヴィジュアルの《一輪として》

  

 

 

ドローイングの作品。

 

 

 川田さんの作品は過去にも、相模原時代と、長野時代の作品として紹介しています。

今回は作風に変化がありますが、ハッチングによる制作は一貫しています。

 《一輪として》を再掲。  この写真では白い花びらの微妙なグラデーションが伝えられませんが、凛とした気品が感じられます。

 

 

花芯部を拡大

 

 

さらに拡大。  細かいハッチングの集合体が気を放っています。(7月11日撮影)

 

 

花びらの部分も拡大。  この密度感が堪らない。(7月11日撮影)

 

 

 

オレンジ系の色も艶やかな《花のディテール》

  赤丸は売約済の印だそうです。

 

 

中央部を拡大。    微妙な色合いの変化が、あちこちに潜んでいます。

 

 

 

《白いワルツ》 花のワルツを踊る姿と見れば、色香を感じるのも無理はないですね。

 

 

右下の部分を拡大しました。 細かいハッチングがつくる色や形のグラデーションが、素晴らしい味わいを生んでいます。


 

 

《連花》この作品も白と緑が綾なす気品に、強さが加わって好きな作品です。

 

 

 

 

右下の部分を拡大。  ハッチングの色、形、ボリューム、動感が極まってきています。(7月11日撮影)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドローイングの作品から

《不二》ピンクの紙を活かした作品ですが、ピンクの濃淡の奥深さや、背景との立体感が素晴らしい。 

 

 

下部を拡大。  黒い部分にも、花びらの部分にもいろんな色が、隠し味のように効いています。

 

 

同じくドローイングの《苞》 わかりやすいシンプルな形ですが、何かを訴えているようです。

 

 

少し拡大してみました。

 

 

《囁き》 今回の作品には、色香を感じるものが多い。 峻厳な作品がある一方で、こうした情感漂う作品は

素直に、いいなと思います。    

 

 

 

 《影と実在》 これはグリーンの紙を活かした作品。 雑草なだけに華がなく、地味に見えるのですがなぜか気になる作品です。

川田さんによると、次の作品が、この雑草から飛び出るように、咲いていた小さな花とのこと。 

 

 この花です。

 

 

油彩に似た作品がありました。 《光滲花》(7月11日撮影)

  

 

 

 

《amagakeru6》モノトーンのドローイング。 想像を膨らませる何かがあります。

 

 

 以上、川田さんの個展作品を紹介しました。  白無垢の壁に掲げられた作品、活き活きとしていました。

なお、この記事は、ヴェトナムのダナンからアップします。 一足早く夏休みです。  

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ソウルにて 国立現代美術館ソウル館

2015年06月14日 | アート 現代美術

4月28日(火)の朝、ホテルから南山方向を撮りました。 6時15分

 

 

さて朝食は、7,8分ほど歩いて、ロイヤルホテルの前の神仙ソルロンタン。  24時間営業の店で、日本人のお客も多い。

 

 

キムチリゾットという感じですが、キムチ、特にカクテキの酸っぱ辛さが絶妙。  朝食としては食欲が進みます。

 

 

今日の見学は、国立現代美術館 ソウル館。

昨日行った国立民俗博物館の道路向かいです。  昨日は、地下鉄安国駅から、大通り沿いに行ったのですが、

途中、雰囲気の良さそうな小路があったのでそちらを通ることにしました。 地図に赤線をひいた道です。

 

 

女子高が両脇にあって、古びた石壁と並木に風情を感じます。

 

 

 

もう少し歩くと、小洒落た店や、クラシックな店などがあり、ギャラリーも多い。

 

 

左へ曲がると、国立現代美術館の北側の入口。 10時開館で、現在時刻は9時40分。  近辺を歩くことに。

 

 

大通りを北に上がっていくと、嘆きのピエタ風の彫刻が屋上に!

 

 

アート関係の建物が続いているようです。

 

 

ここにも

 

 

 

 

10時近くなったので戻ってきました。 国立現代美術館の敷地には以前、国軍機務司令部(キムサ、前身は国軍保安司令部)があったところ。 そういえば

米田知子さんの写真展でも採りあげられていて、ブログで紹介しました、米田知子さんのアーティストトークに、現代美術館の由来が述べられています。

米田知子さんのアーティストトークを再掲

タイトルの《Kimusa》は、シンプルにその場所の名前で、韓国国軍機務司令部だった所です。
1910年代、そこには李氏朝鮮の官庁がありました。写っている建物は1930年代、日本の植民地時代に
官立病院として建てられたもので、韓国にはもうあまり残っていないといわれるモダニズム建築の1つです。
これが戦後は韓国の軍事病院として使われ、1970年代には国軍機務司令部になりました。今から2年後の
2012年には、国立の現代美術館になるそうです

 

 

 

この建物が、旧キムサです。 

そんな歴史の因縁の場所に建つ現代美術館、この写真には写っていませんが、若い人が大勢、開館を待っていました。

 

入場料は4,000ウォン、日本円で400円くらい。  1階の展示室1は撮影禁止

地下1階に展示室が集中し、展示室3以降は、撮影OKでした。

写真かなと思ったら、絵でした。 キャプション撮り忘れです。

 

 

表情とか面白い。

 

 

 

 迫力があります。

 

 

 

 

 

この展示室も異様といえば異様ですが、面白い。

 

 

 

 

 

 

不気味ではあるけれど、迫力は感じます。

 

 

人間、動物標本の屋台。    うーん でも面白い。

 

 

 

 

 

 

 

なんじゃこれ!  昨日、東大門でみたケーブルが絡み合った電柱が蘇ったようなこの作品。 

  

 

 

部分を見ると、細部のディテールもしっかりとつくられている。

 

 

この作品も、最初に見たときは、展開絵本だな・・・と思いましたが

 

 

細かく見ると、透かしのように像が浮かんでいる。  不思議な感じ。  キャプションにDijitalfilm 3D-collage と書かれてあり納得。

 

 

 

通路の光景も絵になります。  

 

 

ソウルボックスと名付けられた展示室。 国立現代美術館のWebサイトから引用します。

<韓進海運ボックスプロジェクト>は、国立現代美術館の象徴的な空間であるソウルボックスで現代美術の実験性と未来のビジョンを提示する作品を展示する長期プロジェクトである。 昨年のソ・ドホに続き、国立現代美術館は<韓進海運ボックスプロジェクト>の二番目の作家として、国際的な作家レアンドロ・エルリッヒ(1973)を選定した。

レアンドロ・エルリッヒ(1973-)の作品  <対蹠点の港 Port of Reflections>

波止場に浮かぶボートを下から眺めた風景。  こうして見学者が見上げる光景も一つの絵になります。

 

 

 

いろんな観客。

 

 

あ然とするほどの色彩

 

 

 

 

地下1階ですが、外光が入って地下という感じがしません。

 

と思ったらまともに地下。  展示≪ロボットエッセイ≫

左端の人の足ロボットは、蹴りのように動きます。  以前、ハービー・ハンコックの「ロックイット」のミュージックビデオで見たものを思い出しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは作品ではありません。  ポールの設備を修理している光景です。

 

 

ここでも子供達の学習ツアー。 

レアンドロ・エルリッヒ(1973-)の作品  を1階から見た光景。

窓の奥に見える光景は、朝鮮王朝時の建物を復元したものとか。

 

 

ソウルボックスと玄関をつなぐロビーを行く子供達。中央の女性二人は美術館の学芸員と見受けました。 子供達の教育ガイドの役目。

 

 

楽しめました。 さらに驚くのは、現代美術館はここソウル館を含め、四つの施設があることです。 以下、公式Webサイトから

建築、デザイン、工芸などの幅広い視覚芸術ジャンルを扱い、自然の中での安らぎをお届けする果川館、
歴史の息づかいの中で国内外の近代美術が鑑賞できる徳寿宮館、
同時代の美術をご案内する都心のソウル館、
収蔵機能が一層強化された清州館・・・2017年完成予定

次の機会には、全部、見て回りたい。

なお、調べると、美術銀行という事業組織をつくり、美術作品の購入や貸し出し、展示活動による国内美術市場の活性化と美術文化の大衆化、

文化享受権の伸張を目的に設立されています。 

韓国は、アートも経済と同じように、世界戦略として拡大・振興を図っています。 唸りますね。

子供達の学習ツアーが多いのも、その一環でしょう。

 

さて、堪能した後の帰途、来た道を戻ります。  11時20分頃。

なお、途中で若い女子高生ぐらいの二人が挨拶しました。 揃いのジャケットをきていて、外人観光客などへのボランティアガイドをしているようです。

いいですね。

 

 

女子高生たちは、半ドンなのかな。

 

 

 

 

地下鉄安国駅付近のバス停のスナップで最後にします。

 

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横浜美術館(2015.3.28)コレクション展 その2

2015年04月17日 | アート 現代美術

第5章の「そこにある身体」

遊園地の観覧車とコースターは分かるのですが、華奢で今にも壊れそうな造作に驚きました。

材料も髪の毛!、ほこり!、布。  小さな作品です。  つくるの大変だったと思います。

でも何とも言えない、面白さを感じました。

 

 

 

一見して、今村紫紅の「熱国の巻(朝の巻)」を思い出しました。 作者も意識して描いているなと感じます。

 

 

 

 

この作品の左隣の作品は、たしか日本画滅亡論のようなタイトルでした。 そしてこちらが日本画復活論。

タイトルが踊ってしまって、?

作品はおどろおどろしいところがありますが、迫力は感じます。

 

 

 

 これは通路壁の案内標識で作品ではありません。  でも何となく、いい感じなので

 

 

通路奥に資料室のようなものがあります。 行ったことはありませんが。

 

 

ゾッとしますね。 以前もコレクション展でハンス・ベルメールの人形写真の異様さには驚きました。

 

 

 

ベルメールの恋人のウニカをモデルに、針金で縛り上げ、変形した肉体を表出する。 この不気味さはベルメールが意図して作ったもの。 見る者の意識

の深いところに作用を及ぼしているのが自覚できます。

※画像は公序良俗で問題ありとのことで削除しています。

 

 

 

 

顔半分の強い眼差し、肩を抱く右手、これも一つ一つは慣れ親しんだ事物の像ですが、この組み合わせが、観る者の意識に強い作用を与えます。

 

 

 

鏡のひずみを使った画像で、肉体の変形を行うという意味では、ベルメールと同じ思考ですが、この写真では歪んでいない顔の部分も重要です。

 

 

 

2008年にマリオ・ジャコメッリの写真展があったのですが、見逃したのが残念です。

 

 

 

加工処理された写真ですが、独特のムードの強烈さを味わうべき作品

 

 

 

 ウェストンの手にかかると、肉体の重量を感じるような表現に

 

 

 

以上、存分に楽しんで、美術館を出ました。

外では 満開のモクレンが今見た美術作品のようでした。

 

 

 

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横浜美術館(2015.3.28)コレクション展 その1

2015年04月12日 | アート 現代美術

東京の美術館に質・量とも、ひけをとらない横浜美術館、コレクション展が丁度始まった時に行ってきました。

ここのコレクション展は、過去に何度も採りあげていますが、いいんですよ。 2013年7月2014年4月2014年12月

 

外は快晴。  左手が横浜美術館

 

 

入ると、いつもと違って暗い!

 

 

企画展「石田尚志 渦まく光」が同時に開催されていて、その関連で、壁面にプロジェクターから投影されていました。

企画展も見ましたが、こちらは感性が合わないのでパスします。

 

 

展示構成は6章からなっていて

まず第1章は「変幻する身体」

ベーコンの絵を見れば、わかります。

 

 

 

コミック誌の1場面を拡大したかのようなこの作品、人間もヘリも浮遊して、見ている私もふわーと浮くような、変な感覚になります。

 

 

 

2章 顔と向き合うーポートレイト

少女漫画的な風体ですが、奈良美智もしかり、強い訴求力があります。

 

 

 

どこか優しい、女性がつくった作品というのが、良くも悪くも印象に残りました。

 

 

 

 

この写真ポートレート、大きさもあるし、2枚並んで展示されていて、迫力がありました。

 

 

 

 

 

 

 

異様な雰囲気の作品。 考えないですーとみることにしています。

 

 

 

3章 とらえられた身体

 

 

 

 

 

 

 

4章 入れかわる身体

壁面の森村泰昌の作品と、網のような平野薫の作品が目を引きます。

 

 

 

 

この作品、平野が2008年に横浜美術館で滞在制作したもので、衣服をほどき再構成したもの。

不思議な魅力を感じます。

 

 

そして、本コレクション展のメインビジュアルにもなっている森村泰昌の「私の中のフリーダ(赤い髪飾り」

衣装や飾りの妖しさ、なりすました森村の眼や表情、倒錯した世界と現実が入り混じって、迫力がありました。

 

 

 

葬祭の花輪のように並んだ作品

 

 

 

                                          

 

 

 

高さ4,5mほどの大きな作品です。

写真を加工したものなので、リアルさと漫画チックなものが同居しています。

 

 

 

 

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少し前の鑑賞記録 「ヂョン・ヨンドゥ 地上の道のように」

2015年04月02日 | アート 現代美術
2ケ月前に行った現代美術展
展覧会名  ヂョン・ヨンドゥ 地上の道のように
会場    水戸芸術館 現代美術ギャラリー
会期    
2014年11月8日[土]~ 2015年2月1日[日]
最終日に行きました。 立川から水戸までは3時間、交通費も
結構するし、迷っていたのですが、行って良かった。
展覧会の撮影は、携帯電話のカメラならOKという変わったもの。
 
 
韓国を代表する現代美術作家、ヂョン・ヨンドゥ(1969年~)による大規模な個展です。  
 
さまざまな国からの移民が地域ごとに暮らす街の特性を活かして制作された映像作品〈Six Points〉(2010)
横長の巨大なスクリーンの映像が右から左にゆっくりと流れていき、町の風景が変わっていきます。
 
 
 こちらは《奥様は魔女》だったと思います。  ヂョンが2001年以降、各国で出会った人々に未来の夢やファンタジーについて
インタビューをおこないそれらのイメージを写真で視覚化した作品です。  日本のやなぎみわさんの「My Grandmothers」
コンセプトと似ています。
 
 
社交ダンスの写真をちりばめた壁紙。
 
 
見慣れた街の風景を映画の中のような異世界に変化させる映像のトリックを応用した〈日常の楽園〉(2010) 
 
 
 
 
鑑賞者が映画の中の登場人物になった気分を味わうことができる体験型映像作品〈ドライブ・イン・シアター〉(2013)
 
 
 
 
私も座席に座って、スクリーンに映る私を撮影しましたが、もちろんボツ。
 
 
 
 2連の写真として、主題の写真とそのメーキング写真を展示。  深い意味はわかりませんが、単純に面白い
 
 

 

小津安二郎監督の東京物語を主題にした作品。  この映画、見てはいないのですが世界に影響を与えている。

 
 
 
 
メイキング写真の背景は本当の38度線のように見えます。
 

 

メーキングには鳥が凄いのですが、主題の写真には何も写っていない?

 
 
韓国を代表するマジシャン、イ・ウンギョルやジャズピアニストの小曽根真とコラボレーションした、水戸の街角を舞台
に色々なハプニングがまきおこる映像作品、
 
映写室の壁には、鳥の飾りが
 
 
新世代ゴーグル型3Dデバイスで鑑賞する体験型の新作。
ゴーグルで見る映像は美しい里山の風景、周りはがれき、虚実の隔たりがいかに少ないかを訴えているようです。
 このガレキ、作者が水戸近辺で集めてきたようです。 東北大震災のガレキとは関係ないとのこと。

最後に、本展の公式Webサイトから、解説を引用。

”ヂョンは夢や理想と現実、過去と未来のように相反する要素を写真や

映像の中で統合する一方、写真や映像といった媒体が、肉眼では見逃

してしまう現実を浮き彫りにする機能を持っていることに注目してい

ます。 また、一般人を映像や写真の登場人物とすることで、映像や

写真で表わされるフィクションの世界が、実は私たちの日常生活の延

長線上にあることを示唆します。そしてスペクタクルなイメージや、

写真や映像の虚構性が人々の注意力や心の動きにどのように作用して

いるのか、考察を促します。 中国の文学者、魯迅による短編小説

「故郷」の一節から展覧会のタイトルを引用した本展は、新しい視覚

体験やウィットにとんだ映像作品を通して記憶と忘却、希望の意味を

問いかけます。”

 

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FACE展2015を観て その2

2015年02月26日 | アート 現代美術

どこかで見た光景だな・・・過去の記憶を照合していき、鹿児島の枕崎を思い浮かべたりしました。
似たようなイメージを誰しも記憶の底に持っているのではないでしょうか?
色調がいいですね。

46 鶴崎正良 Masayoshi Tsurusaki 《右へ曲がる土手》 2014  油彩・キャンバス130.3x193.9

 

キチンとした描写力です。  

左 34 児島慎太郎 Shintaro Kojima 赤いポット2014 油彩・キャンバス194x122

右 31 木村佳代子 Kayoko Kimura Birth 2014 アクリル・麻紙・パネル162x130.3

 

こちらのパンも 

33 倉田和夫 Kazuo Kurata BREAD・80 2013-14 アクリル・麻紙130.3x162.1 

 

マシンを描いているのですが、そこに描かれていない人間の息吹きが感じられます。 

53 林 直人 Naoto Hayashi OIL FEED TYPE SCREW COMPRESSOR 2014 油彩・キャンバス97x146

 

 

実物は塩ビ板の反射できらきらしています。  童心に戻って描いたけど、大人のけれんみは隠せなかったかな。

38 白肌4 Shiratayon TOMOKOAKIKOKURUMI 2014 ミクストメディア・塩ビ板194x162

 

 中央、右側の部分拡大です。

 

 

 

 

 

 

 

 日本画の手法で、カラフルな山水画ふう背景、女性を大きく扱って面白いのですが、少し散漫かな。

24 奥村彰一 Shouichi Okumura  《おねえ山水/とらわれの実の無花果》 2014 墨・岩絵具・箔・皮紙・三彩紙197x130

 

 右上方の部分拡大。

 

 

 個性的な顔立ちの女性(同一人と思われます)が、ふすま絵を背景に強い印象を与えます。  でも何か惜しい感じ、ポーズや衣装が物足りないのかな。

17 上野由道 Yoshimichi Ueno  《娘》2014 油彩・綿布・パネル160x192

 

 

 色調など面白いのですが、さきの戦争時の軍装、若者の表情など、私にとっては、訴求するポイントがずれている感じです。

47 戸泉恵徳 Keitoku Toizumi 《日常とは異なる世界へ》  2014 アクリル・キャンバス160x190

 

 

 技巧は素晴らしい。 でも人物の表現意図には?です。

20 大野稜奈 Haruna Ohno 《知恵》 2014 油彩・パネル194x162

 

 

部分拡大。   階段の木肌や光の反射がリアル。 

 

 

 

   右 12 市村妙子 Taeko Ichimura 《小さく私に雨のふる》 2014 銀筆・鉛筆・水彩・石膏パネル130.3x162

   左 18 遠藤誠明 Tomoaki Endo 《thinking》  2014 岩絵具・箔・染料・麻紙162x75

 

 

 

 

 

 

 

 と、いろいろな作品を楽しめました。 

FACE展では、オーディエンス賞を設けて、投票券を頂いたのですが、どれが一番好きか?と自問しても答えがでず、今回は投票はパスしました。

もう一度、行って、そこで投票しようかと思います。 入場料は500円でリーズナブルです。

 

 

さて、ここの美術館ではいつも撮影する展覧会のポスターです。

 

 

 

 

 

 外へ出て、損保ジャパンのビルを振り返りました。  高層ビルに埋もれて目立たなくなっていますね。

 

 

 オペラシティアートギャラリーへ向かう途中、新宿アイランドで。  平成7年に竣工しているのですが、知らなかった。

途中、東京マラソンを翌日に控えて、イベント業者や、警察官の多かったこと。

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FACE展2015を観て その1

2015年02月22日 | アート 現代美術

損保ジャパン日本興亜美術館で開催された、FACE展2015の初日、2月21日(土)に行ってきました。

作家支援の理念のもと公募コンクール形式で決定された作品です。

 

 

まず、第一室には受賞作品が一堂に並んでいました。

中央右がグランプリの《WALL》、その左に優秀賞が3作品、右側は審査員特別賞の作品

 

 

グランプリ作品を再掲

宮里 紘規(みやざと ひろき) 1990年生まれ
《WALL》2014年    ミクストメディア 194×162㎝

 

WALL部分を拡大すると、印刷メディアをシュレッダーにかけ、貼り合わせたものですが、その配置には神経を配っています。
でも、私には今一つ、迫力に欠けます。

 

 

優秀賞の作品

和田 和子(わだ かずこ) 1951年生まれ
《ガーデン(木洩れ日)》2014年  油彩、キャンバス162×194㎝

面白い構図です。  

 

中央の水桶の部分を拡大 。   技巧としては冴えているわけではないのですが、朴訥に丹念にという姿勢は伝わります。

 

 

同じく優秀賞

大橋 麻里子(おおはし まりこ) 1991年生まれ
《La Foret》 2014年   油彩、アクリル、色鉛筆、キャンバス194×97㎝

 

 

中央下部をクローズアップ。  水彩のような味わいもあり、面白いのですが一見では、良さがわかりづらかった。

 

 

同じく優秀賞

村上 早(むらかみ さき)  1992年生まれ
《カフカ》 2014年  銅版画 116×170㎝

 

 

手の部分を拡大。     細かな線が白の部分に入り、味わいのあるマチエールになっています。
作品全体から若い女性の感覚が伝わります。 成長していくのが楽しみな作家です。

 

審査員特別賞の作品
右から 黒木美都子 Mitsuko Kuroki 1991年生まれ   《月読(つくよみ)》 2014 岩絵具・布162x162
    大里早苗  Sanae Osato  1950年生まれ   《Echoes》     2014 油彩・キャンバス162x194
    児玉麻緒  Asao Kodama  1982年生まれ   《チュー》     2013 油彩・キャンバス194x162

 

3作のなかでは、大里早苗さんの作品が、目を引きました。 浮遊感を感じますし、色調も面白い、力強さがでてくれば、もっと面白くなると思います。

下野 哲人(しもの あきひと) 1955年生まれ 《Black lines on the white White lines on the black》 2014年 アクリル、キャンバス130.5×161㎝

 

もう一つ、【読売新聞社賞】で、平野 淳子(ひらの じゅんこ)《記憶》という作品もあったのですが、撮影していませんでした。

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クインテットⅡ 五つ星の作家たち #2

2015年02月08日 | アート 現代美術

続いては、水村綾子さんです。

 

 

展示コーナー

 

 



 

 

中央左のアップ。

 

 

 

 

 

 

次の展示コーナ

 

 

エスキースが展示されていました。

 

 

 

 

続いて、山本昌さんの展示コーナー

 

 

 

 

 

左端のアップ。

 

 

 

 

 

 

中央左のアップ。

 

 

 

 

 

最後は、岩尾恵都子さんです。

 

 

 

 

 

 

左上のアップ。

 

 

 

以下の絵には、子供やまつ毛が多く出てきます。

 

 

 

 

 

 

 

右上のアップ。

 

 

 

 

 

 

右下のアップ。

 

 

 

 

 

 

 

山に付けまつげ作品が多かったですね。

 

 

広いほうの展示フロアの入口からの光景。

 

 

多くの作品を見て、実景の都心の光景、ほっとします。

 

 

エントランスに掲示されている美術展のポスターは、いつみても面白い。

 

以上で、クインテットⅡの紹介を終わります。

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クインテットⅡ 五つ星の作家たち #1

2015年02月07日 | アート 現代美術

「クインテットⅡ 五つ星の作家たち」展を1月31日(土)に見てきました。

昨年のクインテット展では、川田祐子さんの作品に魅入られました。

今年は、5人の色彩の鮮やかさが印象に残りました。

美術館の企画主旨を公式Webサイトから転載させていただきます。

「本展は、「クインテット」(五重奏)と題し、継続的な作品発表の実績があり、将来有望な5人
の作家たちを紹介するシリーズ企画展第2弾です。富岡直子、平体文枝、岩尾恵都子、水村綾子
、山本晶の近作・新作約70点を展示します。

 昨年は“風景”をテーマに、様々な手法で捉えた作品で個性を際立たせ、「対比」を楽しむこと
ができました。本年は近接した技法・表現による「共振」を感じさせる企画です。

 5人の作家たちは、日常生活の中で接する景観の中で、光、風、音、天候、雰囲気、そして作
家の記憶や心の変化などを、豊かな感性で形象化しています。それらはもともと形容することが
難しい現象でもあり、抽象的で「色彩」を意識した「心象風景」になります。

 5人の絵画の前に佇み、画面から聞こえる響きを受け止めることで、あなたの心の中では五重
奏が奏でられ、その残響はしばらく続くことになるでしょう。」

企画が素晴らしいですね。  

美術館入口の42階フロアから見える光景です。

 

 

最初のコーナーは富岡直子さんです。  この色彩!

 

 

 

富岡さんのメッセージと略歴

 

 

色彩や、柔らかいぼかしに女性を感じます。

 

 

 一転、グリーン系の朝。

 

 

左下部分をアップで

 

 

 

 
 

 

下部を少しアップで

 

 

 私も、息を飲むような朝の美しさを幾度か体験しましたが、記憶をたどっても、その色は再現しない

 

 

中央部のアップ

 

 観ながら思い出した、鹿児島・指宿の朝ぼらけの写真をはさみます。〈2008年12月23日撮影) 写真が記憶を浮かび上がらせます。

 

 

 

 

 

続いて平体文枝さん

作品に迫力があります。   メッセージにも詩情を感じます。 

 

最初のコーナ

 

 

 

 

 

 

 

次のコーナは色調がグリーンに

 

 

 

 

 

 

右上をアップで

 

 

 

 

 

 

左中央をアップで

 

 

このタイトル「わたしひとりしかいない」には痺れました。 作品も呼応して美しい。

 

 

中央部をアップで撮ったのですが、ピンボケだったので、小さく貼りました。

 

 

 オイルスティックという棒状になった油絵具で紙に描いた絵がショウケースに並んでいました。

  

 

 

 

見応えありました。 

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台湾旅行 その4 2014.12.21(日) 台北市立美術館

2015年01月11日 | アート 現代美術

淡水から台北に戻り、台北市立美術館に来ました。 南門です。

 

 

この美術館は現代美術を中心にしており、楽しめました。

それもそのはず、台北ビエンナーレ2014が、開催中でした。(2014・9・13~2015.1.4)

でも、それはブログを書いている今、知ったこと、ラッキーでした。

最初にインパクトを受けたのは、周慶輝の《人的荘園》です。 4部作構成でした。  

周慶輝 / Ching-Hui Chou (台灣) b.1965

 

最初は絵?写真?と判然としなかったのですが、見ていくうちに写真とわかりました。
写真としても、これだけの人や林や事物を、どうやって写しこんだのだろうか?
《人的荘園》というエッと思うようなタイトルとともに、この作品に惹きこまれました。

 

 

 

 

 

 

左側のおばあさんの部分をアップにしました。 口のまわりの青は何だろうとみると、酸素マスクなんだ。

どうやって撮ったのかは、帰国後、この作品のメイキング・フォトを見てわかりました。  
屋外でセットを組み、モデルを使って撮っています。
演出された写真で、日本でも やなぎみわ の写真作品がそうですし、古くは植田正治の砂丘での家族作品もそうです。
しかし、ここまで大掛かりに行うと、一般的な写真作品の枠を突き破って、新たなアート領域の作品といえます。

 

これは会場内、点景として紹介

 

 

これも会場内の点景ですが、床にある作品を撮ったというよりは、ファインダーに写るトータルのものが、いいなと思い撮りました。
私のアート作品の撮り方は、作品を正面から撮ったものと、作品の周りも撮ったものに分けられますが、後者のほうが後から見直しても
印象深く見えます。 これについては別に、特集してみたいと思います。

 

 

機械への葬礼  

 

 

 

 

 

 
阿布·巴卡·曼薩雷 / Abu-Bakarr Mansaray  (獅子山共和國/荷蘭) b.1970  現居住並工作於荷蘭哈靈根

《超越創造》,2004
原子筆和石墨繪於紙,150 x 201.5公分   日内瓦CAAC-The Pigozzi收藏

 

次に紹介する作品も気に入っています。 英国のチャールズ・アベリーの作品コーナです。

查爾斯‧艾弗里 / Charles Avery  (英國) b.1973  現居住並工作於倫敦

 

 

 池の鰻と、鰻を狙う鳥、少し気味が悪いのですが。

 

無題(池),2013
青銅、金屬、手工吹製玻璃、水,330 × 350 × 54.7 公分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


無題(經驗主義者),2010
青銅、紙板、膠彩、壓克力,50 x 28 x 30 公分

 

外は雨が降っています。

 

 

 
朱駿騰 / ChunTeng Chu  (台灣) b.1982  現居住並工作於台北

《伊索的蝙蝠1號 - 泰國八哥、海馬、青蛙》 2014
動物骨骼、水晶、大理石、胡粉、PVC,24x36x14公分

 

1階エントランスホールではコーラスのコンサートが

 

ポピュラー音楽のコーラス、日本のハイファイセットやサーカスなどのコーラスを思い出しました。(古いか)

 

 

さて、一転、夕食はご婦人方が以前に食べて美味しかったという店で、フカヒレコース。

 

鮑のスープ。  鮑は昔、紀伊勝浦のホテル浦島で食べた生鮑のバター焼きが忘れられない味。

 

白菜鍋、具は白菜がほとんどなのですが、スープの味が絶妙でおいしかった。

台湾の物価は、東京とさして変わらないとかで、このフカヒレコース、結構なお値段でした。  スネが痩せ細ってタマリマヘンワ(関西弁に)

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仮想のコミュニティ・アジアー黄金町バザール2014 

2014年09月03日 | アート 現代美術

ヨコハマトリエンナーレ2014 の連携プログラムとして実施されている

「仮想のコミュニティ・アジアー黄金町バザール2014」に行ってきました。 

この写真は、帰る途中で撮ったもので、左に見える京急線の高架下とその周辺の建物で、展示されています。

 

 

 

黄金町駅を降りて、数分歩いたところの高架下に、この展示があります。

ウヌ…と異様な雰囲気。

 

 

 

 

カラスや雀などの鳥が不気味。

 

 

 

 

こちらの陰にも。

 

 

隣の区画に移動。

台湾の眷村(けんそん:台湾に渡った旧国民党の軍人家族の共同村落)の消滅寸前の姿を、ネガとポジで組み合わせた写真。

 

 

シンプルな題材なのですが、写真は響くものがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小ビルの一室で。 少女漫画に出てくるような美男子を中心とした絵画が、数点、並んでいてそのうちの一つ。

 

 

別の小ビルに移動。

食の文化を採りあげた葉振宇の作品。

 

 

 

二階に上がると、食材などを入れたビーカーやドローイングなどが展示されています。

 

 

上の作品が展示されている小ビルの玄関。 高架脇にあります。

 

 

屋台のようですが、描かれた絵は面白い。

 

 

入口に占いと書かれた小ビルのなか。  シンディ・望月の作品。  なぜかピンボケだったので、ソフト現像処理をしました。

 

 

インドネシアのヤヤ・スンの作品群。  16年前の民主化運動で犠牲になった学生と遺族の母親が主題。

 

 

 

 

小ビルの入口。

 

 

こちらは高架下の建物内に置かれたインスタレーション作品。  いい感じのJAZZブルースが流れていました。

 

 

本展が展示されている、初黄・日ノ出町地区は、以前は違法飲食店や歓楽街だった。 

2002年に始まった高架補修工事で立ち退き、まちづくり再生が行われたようです。  そうしたあゆみが書かれた場所です。

 

 

高架の横を流れる大岡川にかかる黄金橋からの光景で終わります。

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ヨコハマトリエンナーレ2014   拾遺集

2014年08月30日 | アート 現代美術

ヨコハマトリエンナーレ2014 の三つの展示会場を紹介してきました。

今日は、創造界隈拠点連携プログラムの一つ、象の鼻テラスの「パラトリエンナーレ2014」

と、三つの展示会場で追加撮影した写真を紹介します。

なお、創造界隈拠点連携プログラムで「仮想のコミュニティ・アジアー黄金町バザール2014」

にはまだ行ってませんので、近いうちに行って紹介する予定です。

 

 

 

 象の鼻テラスです。  カフェテラスで店の奥が展示スペースになっています。

 

 

タペストリの展示

  

 

 

 

 そのほか、巨大な上着の展示もありました。

 

開港の丘を左手に馬車道まで歩いていくことにしました。

 

 

 横浜港大桟橋方向です。   大型客船の上部が見えます。

 

 

 正面が赤レンガ倉庫なんですね。  まだ行ったことがありません。

 以上が8月16日に撮ったもの。

 

 

次は8月22日(金)に新港ピアで撮ったもの。

 このアングルは、既に紹介したものと同じですが、カメラが代っています。 

 

 

大竹伸朗の作品を再度撮りました。  前回、撮っていない部分です。

ルーフ部分。

 

 

 右側面のショーウィンドウの一部

 

 

右側面から

 

 

 バック部分

 

 

 

 

右側面の棚の一部

 

 

前面のラジエータ部分

 

 

 

新港ピア最奥部のカフェレストラン。

 

 

そして、横浜美術館に戻り、アート・ビンを撮影。  ゴミが増えています。 不動明王のような像はさすがにロープで吊って降ろしたのでしょうね。

 

 

 

低床トレーラーの下部を撮ってみました。

 

 

さて、帰ろうと向かいのビルに入って振り返り、撮ったものです。

 

 

 

 

 

 

暑いなかですが、結構、多くの人が美術館に入っていきました。  

現代アート、首をひねるものもありますが、面白い作品も山盛りでした。

 

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ヨコハマトリエンナーレ2014   BankART Studio NYK #2

2014年08月27日 | アート 現代美術

3階です。

舞踏家大野雄一のアーカイブ映像

奥の中二階にDVDが並んでいます。  舞台美術家、朝倉摂の移動舞台

 

 

 

中二階の端から。

 

 

写真パネルも展示。   これも舞台美術なんですね。

 

 

中二階の奥から下を見たもの。  マルチスクリーンの映像は、楊 福東(ヤン・フートン)の作品。

 

 

 

 

原 寿行(くわばらとしゆき)の超近視的映像インスタレーション《食用ブタの眼球、機会、写真》

左の映像は、豚の眼球から水晶体(レンズ)を取り出しているところ、中央はそのレンズをつけたカメラ、右はそのカメラで撮った写真。

 

 

アンネッケ&スペンサーの作品。  床面に文字が投射された映像作品。

 

 

中央フロア。

左壁面に金沢寿美の《国境の花》  右は国境の家、朝鮮通信使の時代、釜山にあった屋根が韓国式、平面が日本式の倭館を再現したもの。

 

 

 

中央の白い彫刻は、岡崎乾二郎の《「あっ熱っ」。知らずに~》 2014

壁面は、田中信太朗の作品群

 

 

奥のフロア。  原口典之の個展「社会と物質/2009」で発表したオイルプールの再現。

 

 

 

 

壁面にかかっている、潘 逸舟(ハン・イシュウ)の作品。 点描の点に当たるものに中国硬貨を使っています。

 

 

壁面からオイルプール側を見たもの。   オイルの表面がクリスタルのようになって、天井を映している。

 

 

窓から

 

 

ガーデンには、アトリエ・ワンの《リムジン屋台》がリニューアルして置かれてあり、屋台越しにみた光景。

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