数学とは何か?集合とは何か?証明とは?数学的厳密性or直観とは何か?その質問に対する答えを明確にするために本書は書かれたという。数学の起源にはじまり、物理的に役に立つ道具として発展した数学は、やがて数学のための数学=純粋数学を内部に生み出し抽象化概念を扱う上でとても適した道具へと進化していく。論理学者によれば宗教化ともいえるその現象までをつづった1~3章の中には、数学ヲタにしかわからないような . . . 本文を読む
ノーベル受賞科学者利根川進の奥様でNHKアナウンサーでもあった吉成真由美氏が別書の中で、本書から多数引用していた文言がとても気になって手に取った一冊。MITに通う息子さんが自殺した喪失感を埋め合わせるための救いを、ラッセルがしるしたこの名著の中になんとか探し求めようとする母親の悲壮感がヒシヒシと伝わってきたのである。
2つの世界大戦を経験したラッセルは58歳にして本書を上梓したという。数論理 . . . 本文を読む
累計115万部を越える大ベストセラー、ピューリッツァー受賞にくわえ『ゼロ年代の50冊』で一位にも輝いた本書が、海外ではその筋の専門家から非難の的になっているという事実はあまり知られてはいない。元マイクロソフトCEOで世界一の金持ちにもランクされたことがあるあのビル・ゲイツが絶賛、日本ではNHKと朝日新聞がことさら本書を持ち上げてはいるが、一読して「本当かいな?」という疑問を持った方もけっこう多か . . . 本文を読む
回を追う毎にマスターは無口になり、ロケ撮が増えていく…人は進化食堂って言ってるよ。
EP31 メンチカツ
愛夫を亡くして歌えなくなった元人気歌手が、別の夫婦から元気(メオト活?)をもらって再びマイクを握る。なにも言えなくて…カツ?なんつって。
EP32 豚バラトマト巻き
人生才能だけじゃ生きていけないんだよね。トマトに巻いた豚肉は、新人漫画家をガチガチに縛っていたプレッシャーって奴だったのか . . . 本文を読む
今頃見て何がそんなに面白いって。それがけっこう深いんだよ。人は進化食堂って言ってるよ。
EP12 唐揚げとハイボール
夢見心地の妹の目を覚まさせたのは、炭酸多目のハイボール。お兄ちゃんの方は、唐揚げにはビールじゃなきゃダメ派だったんだろうな、きっと。
EP14 煮こごり
ソープで借金を返させることを“風呂に沈める”っていうらしい。煮こごりって、泡だったにごり湯にかけているんじゃないかなぁ。 . . . 本文を読む
10話中、下記の4話がなかなかです。
ポテトサラダ
自分のことがもう誰だかわからなくなってしまった母親が作ってくれたポテトサラダ。涙を流しながら食べたポテサラが塩辛くてしょうがない…
玉子サンド
女優の卵が、新聞配達をして学費を稼ぐ苦学生と、女優として成功してから知り合ったIT社長の板挟み(サンドイッチ)になるお話し。
バターライス
北海道名物のバターライス。あがた森魚の抑揚を効かせた歌 . . . 本文を読む
日本のみならず世界中で起きている昨今の異常気象現象。TV等で解説されているように二酸化炭素の急激な増加に伴う地球温暖化が原因なのか、それとも…本書は、気候学のみならず、化学、地質学、天文学、海洋学のエキスパートたちがしのぎをけずってその解明に取り組んだ科学史でもあり、10万年という壮大なスケールの地球史の謎を解き明かす科学ミステリーにもなっている。
「海底有孔虫化石に含まれる酸素同位体比を調べ . . . 本文を読む
当代随一のSF作家としてその名を轟かせたグレッグ・イーガンも、最近では“SF界の雄”なんてキャッチを付けられたりしている。50も半ばを過ぎるともはや彼の長編に手を出す気力も薄れ気味だが、そんな時こそ読みたくなるのがイーガン短編集。重くもなくかといって軽すぎない丁度いい読み応えの計6編が本書には収められている。
『七色覚』
ジャンク・アプリの影響で脳の色覚が変化。超視覚を得た主人公の孤独と救い。 . . . 本文を読む
著者の専門分野である年縞と呼ばれる水月湖の地層研究に関する記述部分は(中川先生には大変申し訳ないが)究めて退屈であり、読んでいても正直あまり興味がわかなかった。しかし、ミランコビッチ・サイクルと地球氷河期との驚くべき相関関係を紹介したチャプターは、まるでSF小説を読んでいるかのような壮大なスケールを感じさせてくれる1冊だ。
セルビアのお札にもその顔が印刷されているミルティン・ミランコビッチ。地 . . . 本文を読む
リチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』と双璧をなすネオダーウィニズム系ポピュラー・サイエンスのベストセラー。本書を読みながら、はじめは翻訳に問題があるのかなとも思ったりしたのだがさにあらず。本書の中でもっともわかりやすい章は、訳者渡辺政隆氏によるあとがき部分であり、グールド自身の筆による本体部分の文章がとにかくまわりくどくて、とてもわかりにくいのだ。本旨に入るまでの前置きが長すぎて、何をいわ . . . 本文を読む
無神論四天王のうちの一人リチャード・ドーキンスが1976年に発表したベストセラー。私が好んで読むSF の中にドーキンスが創作した造語ミームについて書かれた短編があり、実はその小説を通じてこの本の存在も知ったのである。生粋のダーウィニストでもある著者が特段新しい発見について書いたわけでもなく、ただ今までの生物学者が見逃していたことを、難しい数式を使わずに一般読者にもわかりやすく(しかもシニカルに) . . . 本文を読む
辻仁成の小説のようなタイトルをつけた本作は、NHK教養番組でも引っ張りだこの分子生物学者福岡伸一のベストセラーである。この人理系のくせに文章が異様にうまい。福岡が勤務していたロックフェラー大学(NY)やハーバード大学(ボストン)周辺の街並みを綴った文章などはプロ作家顔まけの描写力、しかも相当の文学的素養がおありとお見受けした。まさに分子生物学者の突然変異体である。
野口英世やワトソンなどすでに . . . 本文を読む
紀元前2000年までは人間はみな統合失調症だった?!意識を持たない人間の右脳に向かって、神々の声が語りかけ人間をまるで自動人形のように操っていた。諸事情によって神々の声は遠のきやがては聞こえなくなってしまう。そこで人間にはじめて“意識”が生まれたというのが本書のおおまかな主旨である。
荒唐無稽な都市伝説として片付けられてもおかしくはない突飛な推論のようにも思えるが、書いてるモードはいたって真剣 . . . 本文を読む
退き屈すると書いて“退屈”。何から退くの?という疑問が当然わいてくると思うが、この漢字2文字、その由来は仏教にあるという。厳しい修行から退き屈した生臭坊主が何もすることがなくぼんやりと暇しているところから“退屈”。挫折した僧侶を形容した言葉らしい。本書はそんな退屈にこめられた仏教的意味合いは軽く無視、西洋哲学の巨人たちが取り上げた暇と退屈にまつわる論考を都合のいいところだけピックアップし、哲学なれ . . . 本文を読む
意識はどこから生まれるのか。意識のハードプロブレムとも呼ばれるこの問題、脳科学者や哲学者などの間でけっこうもてはやされた時期があった。脳が発する単なる電気信号だ、いや違うそれではクオリア(自分が自分であるという意識)の説明がつかない、とかいうふうに。
オーストラリア人哲学者デヴィッド・チャーマーズが投げかけたこの問いが各界に反響を呼んだのが20世紀末だったので、当然伊藤計劃自身も見知っていたに . . . 本文を読む