ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

天国はまだ遠く

2009年06月06日 | 激辛こきおろし篇
吉本興業が製作に参加しているこの映画、主演のチュートリアル徳井以外にも、吉本出身のお笑い芸人が多数出演したことでも注目を集めた作品だ。仕事に疲れたOL・千鶴子(加藤ローザ)が自殺するために訪れた民宿たむら。田んぼと山林、星空以外には何もない場所で、やはり何か心に闇を抱えていそうな民宿の主人・田村(徳井)に癒されていくというお話。

徳井の予想外の演技力を賞賛する声もちらほらと聞こえるが、このキャスティングはかなりやばい。何せ女性タレント相手に浮いた話が後を絶たない吉本きってのイケメン徳井と、かわいこちゃん女優の加藤ローザが一つ屋根の下で共同生活。のん気に白飯をかきこむローザを時折流し目でのぞき見る徳井の表情に、観客はいらぬ心配をさせられてしまうのだ。

「襲わないでください」くしくも観客の声を代弁したかのような千鶴子の台詞にたじろぐ田村。いくら俗世に興味のない素朴な男でも、こんなかわいこちゃんが都会から山里へ一人でやってきたら、何も起こらない方がむしろ不自然に思えるのだ。しかも、先天的陽性キャラの加藤ローザには、自殺するほど悩んでいた痕跡がみじんも感じられない。

吉本新喜劇のメンバーがお笑いを封印して無理やり演じたようなこの奇劇は、しこみネタのようなわざとらしさは覚えるもののカタルシスを感じることは難しく、ヒューマンドラマのパロディに見えてしまうのだ。自殺を美化した描写についても自分的には??で、“天国”どころか「自殺したら“地獄”に落ちる」って話を誰かに聞いたことがあるんだけどなぁ。

天国はまだ遠く
監督 長澤 雅彦(2008年)
〔オススメ度 


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2 コメント

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Unknown (ほげ)
2009-06-08 02:43:06
なるほど、そういう見方もあるのですね。
私は、ほとんどお笑いは見ないので素直に入れました。
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Unknown (藍色)
2009-08-31 04:07:39
こんばんは。
トラックバックさせていただきました。
表示されないようなので、URLを置かせていただきますね。
http://1iki.blog19.fc2.com/blog-entry-1187.html
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