ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いおやじの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

ハウルの動く城

2018年08月11日 | なつかシネマ篇
引退発表の席で、唯一「トゲのように心に突き刺さっている」作品がこの『ハウルの動く城』だと語っていた宮崎駿。当初、ジブリに憧れていた細田守を監督に招きいれて制作が進行していたものの途中降板、宮崎駿が監督を引き継いでおそらくゼロから作り直した因縁つきのアニメだ。 原因は宮崎の細田に対する嫉妬とも、細田の家庭事情(母親の発症)ともいわれているが、本当のところはよくわからない。「ゲーム的(ジブリらしい . . . 本文を読む

時をかける少女

2018年07月21日 | なつかシネマ篇
原作者の筒井康隆もそう認めた“本当の意味の二代目”がこの続編アニメ『時かけ』だそうな。回数制限付タイムリープや原作主人公芳山和子(原田知世ではなく原沙知絵)をおばさん役で登場させた以外は、ほぼほぼ原作と似通った設定だ。 大林宣彦の映画化以来、TVドラマや実写映画で何度も映像化されている原作ではあるが、細田守による本アニメーションの評価がずば抜けているのは何故だろう。 タイムスリップ+テレポ . . . 本文を読む

ソルジャー

2018年05月06日 | なつかシネマ篇
『リベリオン』同様、興業的には大ゴケしてしまったSF映画。監督のポール・WS・アンダーソンはともかく、『ブレードランナー』や『許されざる者』も担当した脚本家が以後ショックでシナリオを書けなくなったという罪深い作品だ。 『リベリオン』のB級グルメ的な扱いとは一線を画す正統派SFの部類に属する本作が、なぜそこまでコケたのかはよくわからないが、隠れた名作として時々TV放送されることは一映画ファンと . . . 本文を読む

ビッグ・リボウスキ

2018年05月06日 | なつかシネマ篇
『ゼア・ウィルビー・ブラッド』(以下TWB)→『インヒアレント・ヴァイス』(以下IV)→本作の3本を時系列に見た方が、(タイトル以外ほとんど関連性のないチャンドラーの小説を追うよりも)より理解の深まる作品だ。 IVの約20年後のLAを舞台にしているが、流行りの音楽や髪形以外ほとんど何も変わっていないことにまずは驚かされる。金のことにしか興味のない支配層は相変わらず腐っているし、善良なパンピー . . . 本文を読む

山の音

2017年12月30日 | なつかシネマ篇
北鎌倉が舞台、ヒロイン=原節子、舅と嫁の怪しい関係とくれば、映画通を自認する方ならば小津安二郎の紀子三部作をすぐに思い出すだろう。 川端康成の原作を映画化するにあたって、監督成瀬巳喜男は同じ松竹のライバルであった小津安二郎をかなり意識した形跡が見受けられる。 公開当時34歳の原節子に対し、舅役の山村聡は44歳。かなりのフケメイクをして撮影にのぞんだ山村に、小津作品の常連笠置衆を重ねた方も多 . . . 本文を読む

いとこ同士

2017年11月23日 | なつかシネマ篇
ゴダールやロメールと親交の深かったヌーベルバーグ一派の映画監督クロード・シャブロル。私は本作ではじめてこの監督の作品にふれたが、ロメール作品とはまたちがった俗っぽさに奇妙な魅力を感じる1本である。 田舎から出てきた好青年シャルル(ジェラール・ブラン)が受験のためパリに住む従兄弟のポール(ジャン=クロード・ブリアリ)宅に下宿することに。そのポールはといえば同じ受験生にもかかわらず夜毎パーティ三 . . . 本文を読む

ヘッドライト

2017年11月22日 | なつかシネマ篇
『地下室のメロディ』『シシリアン』での名コンビ(監督アンリ・ヴェルヌイユとジャン・ギャバン)と言えばピンとくる方も多いのではないだろうか。本作はそのジャン・ギャバンが、まだ主役を張っていた頃のラブストーリーである。 原作では、パリとボルドーを往復するトラック運転手ジャンの不倫を苦に妻ソランジュが自殺。その死の嫌疑が夫にかかり、愛人クロが不倫発覚をおそれて街道筋の宿屋に身を隠すといったストーリ . . . 本文を読む

女が階段を上る時

2017年07月23日 | なつかシネマ篇
なぜか成瀬のミューズとは呼ばれない高峰秀子が、銀座のバーに雇われるママに扮したメロドラマ。 海外で評価されることもほとんどなかった成瀬だが、「大した事件も起こらないのに何故か最後まで見てしまう」映画を撮るジェーン・オースティンのような監督である。 小津や溝口の映画を外国人のみなさんが見ると、禅的映像美の中に芸術性を見出すそうなのだが、成瀬が描くのはあくまでもどこにでもいそうな市井の人々。 . . . 本文を読む

泥の河

2011年09月20日 | なつかシネマ篇
フリーの助監督から映画監督になった珍しい経歴の持ち主・小栗康平のデビュー作。1981年の公開当時、国内外の各賞を総ナメにした本作は、宮本輝の同名小説を映画化している。主人公の少年をはじめとする子供たちの、とても演技とはおもえないナチュラルな演出が評価された1本だ。 昭和31年の大阪。河べりで大衆食堂を営む晋平(田村高廣)と貞子(藤田弓子)の夫婦。晋平は、歳をとってからでさずかった一人息子・信雄が . . . 本文を読む
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チャイナタウン

2011年09月14日 | なつかシネマ篇
モーレイ水道局長の愛人探しとその局長本人の殺害事件は一見密接な関係があるようで、実はまったく関係のない別々の事件であるため、見ている方は少々混乱するかもしれない。私立探偵ジェイク・ギデスを演じたジャック・ニコルソンや本物のモーレイ夫人を演じたフェイ・ダナウェイの存在感が際立っているため、米国版フィルム・ノワールの傑作と位置づけられてはいるが、(局長殺人事件とはほとんど関係のない)××××オヤジの○ . . . 本文を読む

フランティック

2011年09月02日 | なつかシネマ篇
ロマン・ポランスキーによるパリを舞台にしたロマンチック・サスペンス。講演でパリを訪れたアメリカ人外科医ウォーカー(ハリソン・フォード)と愛妻サンドラ(ベティ・バックリー)。ホテルでモーニング・シャワーを浴びている間、妻が謎の失踪をとげる。フランス警察やアメリカ大使館の官僚的な対応に嫌気がさしたウォーカーは、事件の発端となったスーツケースの持ち主ミシェル(エマニュエル・サニエ)の協力を得て、サンドラ . . . 本文を読む

愛を乞うひと

2011年05月26日 | なつかシネマ篇
物語は戦後間もない昭和20年~30年代と現代(といっても本作が公開されたのは1998年)の日本&台湾を行き来しながら、母・豊子と娘・照恵(原田美枝子の一人二役)の愛憎をつづったヒューマン・ドラマである。 台湾人のアッパー=父親・文雄(中井貴一)に引き取られた照恵は、父が病死してからしばらく施設に預けられていたが、母の豊子が突然あらわれ引き取られていく。しかし、男を変える度に住居を転々としていた豊 . . . 本文を読む

真夜中のカーボーイ

2010年06月22日 | なつかシネマ篇
最近のメジャーなハリウッド映画ではめっきりお目にかかれなくなった社会的マイノリティを演じさせたら、ダスティン・ホフマンの右に出る俳優はおそらくいないだろう。ゲイでビッコで肺病もち、しかもチビで一文なしときたら、普通の俳優なら映画会社からオファーがきても間違いなくお断りするにちがいない超汚れ役だ。有閑マダム相手の男娼を夢見てニューヨークにやってきた何ちゃってカウボーイ・ジョー(ジョン・ボイド)と、ち . . . 本文を読む

HANA-BI

2010年06月14日 | なつかシネマ篇
北野武は本当に優れた映画監督なのだろうか。ヴェネチア金獅子賞受賞の本作は、タイトルのつけからして外国仕様、台詞を極力排除した演出はフィルム・ノワール風で、いかにも海外マーケットを意識した作りになっているせいか、日本における興行はいま一つ観客の受けもあまりよろしくなかったようだ。北野自身が絵筆をとったといわれる、うまいんだか下手なんだかよくわからないアートも、芸術のフリをしたあざとい子供のいたずら描 . . . 本文を読む

ペイルライダー

2010年05月17日 | なつかシネマ篇
ヨハネ黙示録に出てくる<第4の騎士>をモチーフにした映画としては、イングマール・ベルイマンの『第7の封印』が有名。死神とチェスをしながら内省をくり返す『第7の封印』の騎士とはちがって、蒼ざめた馬にまたがって登場するクリント・イーストウッド演じる名もなき牧師はかなり通俗的だ。酒を飲むは女は抱くは平気で悪党を殺すはで、本当のところ神を信じているのかどうかさえかなり疑わしい。 金採掘のためカーボン谷に . . . 本文を読む