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ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

ビーキーパー

2025年03月15日 | ネタバレなし批評篇


ジェイソン・ステイサム演じるアダム・グレイが、なぜ養蜂家であらねばならなかったのか?別に衣服の“汚れ”を落とすクリーニング屋とか、家庭から出た“ゴミ”を回収する業者でも何でもよかったと思うのである。ChatGPTに聞いてみたところ「アメリカ社会の矛盾や問題を「ハチ社会」になぞらえて解決する手段として、養蜂家である主人公が描かれています。ビーキーパーが自分たちの代わりに国家という巣箱を管理して、外敵である「スズメバチ」を駆除し女王バチを取っ替えてくれるというプロットが描かれています」だそうなのだが、アナログな私はどうも納得がいかないのである。

ネット詐欺にひっかかり自殺してしまった恩人の復讐に立ち上がったグレイなのであるが、その復讐相手に是非とも注目したいのである。過去女性大統領の不正選挙に手を貸した息子及び、その息子が経営するネット詐欺グループ。その息子に雇われている元CIA長官(ジェレミー・アイアンズ)とFBI。グレイ暗殺のためにやとわれた2代目養蜂家はサイコパスのフェミニストで、さらにグレイと唯一互角に戦う移民の殺し屋は片足義足の障がい者だ。何を言いたいのかというと、5年前のアメリカ大統領“不正”選挙に関わってトランプを引きずりおろした連中が、グレイの無双によって容赦なく八つ裂きにされるリベンジストーリーになっているのだ。

2020年の選挙シーズン中に起きたパンデミックも、もしかしたらトランプ続投を望まないC国と、不法移民によって大量の郵便投票を持ち込むために画策された民主党の陰謀説もありーので、トランプ陣営としてはこの疑惑のかたまりのような両者にリベンジしないではいられないはずなのである。オバマ時代の左翼過激派的政策に拮抗すべく盛り上がった、アメリカ保守による“ティーパーティ運動”を覚えていらっしゃるだろうか。“小さな政府”を目指すためには、金本位制の復活とFRB解体が必須と説くロン・ポール下院議員の思想を背景にした保守派のポピュリズム運動てある。

ティーパーティにたてられた「オバマはイスラム教徒」という噂を払拭するために、オバマ政府がビン・ラディン殺害に拘ったのではないかといわれている。要するにリベラルが凋落するきっかけとなった保守運動なのである。ビーキーパーとティーパーティ、なんか語感が似ていると思いませんか?ラスト、グレイが大暴れする場所も大統領が開いた“ティーパーティ”会場だったような気が....いずれにしても、虎の威を借りていい気になっていたリベラル系のドクサレどもが、「善を信じる」ビーキーパーことグレイに瞬殺されていく様は、トランプ支持層にとってはたまらないはずなのだ。

ビーキーパー
監督 デヴィッド・エアー(2025年)
オススメ度[]

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