ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いおやじの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

ミックス。

2018年10月21日 | ネタバレなし批評篇
元天才卓球少女多満子(ガッキー)は、鬼コーチでもあった母親(真木よう子)が死んでからはラケットを握ることをやめてしまい普通の OLに。そんな多満子の勤める会社に、ジュニアの頃憧れていた江島(瀬戸康史)が入社してきて、2人はそのまま付き合うことになるのだが... スポ魂卓球映画としては曽利文彦監督の『ピンポン』が有名だが、この映画スポ魂と呼ぶにはあまりにも“卓球愛”が足りなさすぎる。選手のタイプ . . . 本文を読む

ハドソン川の奇跡

2018年10月20日 | ネタバレなし批評篇
本作とよく比較されるデンゼル・ワシントン主演の映画『フライト』は、人目をしのんでウォッカをガロン飲みする主人公パイロットの半端ないアル中ぶりがまるでギャグのように見えた作品だったが、本作はサリー機長本人をエンドロールに登場させるなど実際の事件を意識した内容になっている。 2009年1月15日、NY発シャーロット経由シアトル行のUSエアウェイズ1549便が離陸早々バードストライクに遭遇。左右のエ . . . 本文を読む

スモーク

2018年10月17日 | ネタバレ批評篇
原作者ポール・オースターのミドルネームを冠した作家ポール・ベンジャミン(ウィリアム・ハート)が冒頭披露する作り話やラスト白黒でつなげられたオーギー(ハーベイ・カイテル)のクリスマス・ストーリーをはじめ、本作で語られるたくさんの嘘や作り話は見る者をなぜか幸せな気分にさせてくれる。 タバコの煙の重さを計った男や執筆中の原稿をタバコの巻紙にして全部吸ってしまった作家の話は、銀行強盗に巻き込まれ妊娠中 . . . 本文を読む

アメリカの友人

2018年10月14日 | ネタバレなし批評篇
フランス人のミノー(ジェラール・ブラン)が、贋作ブローカーのリプリーにある殺人の依頼をするが断られる。オークション会場で出合った額縁職人ヨナタンが白血病を患っていることを知ったリプリーは、ミノーがヨナタンに殺人依頼をするよう仕向けるのだが… パトリシア・ハイスミスの原作サスペンスをWWが映画化しているが正直いって失敗作。「太陽がいっぱい」の線を狙ったのだろうが、WWの作風と映画の内容が全くマ . . . 本文を読む

ジョイ・ラック・クラブ

2018年10月13日 | ネタバレ批評篇
エイミ・タンのベストセラー小説を香港出身の映画監督ウェイン・ワンが映画化。中国系アメリカ人1世の母親とその娘4組のオムニバス・ストーリーである。映画はジョイ・ラック・クラブ(喜福倶楽部)と呼ばれるパーティーシーンから始まるのだが、正月気分でも味わなきゃやってられないと、主人公ジューンの母親スーユアンの呼びかけで麻雀卓を囲んだのがそもそもの発端らしい。日頃の愚痴や娘の自慢話を言い合うストレス発散の . . . 本文を読む

イコライザー

2018年10月10日 | ネタバレなし批評篇
いわゆるブラック・プロイテーション・ムービーではないものの、アフリカ系監督(アントワン・フークア)にアフリカ系主人公(デンゼル・ワシントン)を登用した本作は有色人種(特にヒスパニック)を好意的に描いている。 プーチンもといプーシキンというボスが率いるロシアン・マフィアがアメリカのボストンでやりたい放題。売春、マネロン、石油密輸。ダイナーで顔馴染みになったアリーナ(クロエ・グレース・モレッツ) . . . 本文を読む

早春

2018年09月29日 | 誰も逆らえない巨匠篇
そもそもなぜ本作に『早春』というタイトルをつけたのだろう。紀子3部作の『晩春』はまさに嫁ぎ遅れの娘紀子(原節子)を主人公にした名が体を表す映画だったが、『早春』というタイトルにあてはまる登場人物は、妻帯者に横恋慕する金魚こと金子千代(岸恵子)ぐらい。本作の主人公はまちがいなく結婚後生まれた子供を病気で亡くし倦怠期を迎えた杉山夫婦(池部良、淡島千景)である。『晩春』によって映画監督として不動の地位 . . . 本文を読む

お茶漬けの味

2018年09月24日 | 誰も逆らえない巨匠篇
小津の従軍後初の作品となる予定だった本作。軍の検閲であえなく没になったシナリオを改定して、紀子三部作の合間に公開された1本。小津安二郎と脚本家野田高梧との名タッグによる、いわば絶頂期にあたる映画だが、シリアス路線の三部作と違ってコメディタッチの“気安く”見れる作品だ。 小津独特のローアングルも本作ではさほど低く感じられず、むしろ誰もいない家やオフィスの中をクローズアップやクローズアウトを駆使 . . . 本文を読む

木と市長と文化会館/あるいは7つの偶然

2018年09月22日 | 誰も逆らえない巨匠篇
パリ郊外の町で市長をつとめる主人公ドゥショーム(パスカル・グレゴリー)は社会党所属なのに大地主、緑を愛するエコロジストなのかと思いきや中央政界進出のため文化会館建設を計画する矛盾の塊。恋人で作家のベレニス(アリエル・ドーンバール)はパリの都会生活を自画自賛しながら、田舎に近代的建築は不似合と釘を刺す。柳の大木を切り倒し美観を損なう会館建設には断固反対の小学校教師マルク(ファブリス・ルキーニ)も . . . 本文を読む

ハーモニー

2018年09月21日 | 映画評じゃないけど篇
意識はどこから生まれるのか。意識のハードプロブレムとも呼ばれるこの問題、脳科学者や哲学者などの間でけっこうもてはやされた時期があった。脳が発する単なる電気信号だ、いや違うそれではクオリア(自分が自分であるという意識)の説明がつかない、とかいうふうに。 オーストラリア人哲学者デヴィッド・チャーマーズが投げかけたこの問いが各界に反響を呼んだのが20世紀末だったので、当然伊藤計劃自身も見知っていたに . . . 本文を読む

県庁おもてなし課

2018年09月20日 | ネタバレなし批評篇
実在の高知県庁おもてなし課より、実際に観光特士就任の依頼があった時のエピソードを元に、ベストセラー作家有川浩が書き上げた小説が映画化されている。 就任を快諾したまではよかったが県庁から何の音沙汰がなかったことも事実だったようで、主要登場人物の一人作家の吉門喬介(高良健吾)を自身の分身に見立てた二重構造が本作の魅力の一つになっている。 並みの作家ならば、高知→観光と聞いて“お遍路”や“よさこい . . . 本文を読む

メグ ザ・モンスター

2018年09月15日 | 映画館で見たばっかり篇
仕込みと思われる白人男が大して面白くないシーンで一人ゲラゲラ笑っていたのがただ印象的な、まさにハリウッドが中国資本に媚びを売った情けなーい1本。完成までに監督、脚本、プロデューサー、キャスティング等が2転3転したということは、なにかしら胡散臭い圧力がかかっていた証拠であり、無論それはアリババを介した政権中枢から発せられたものとみてほぼ間違いない。 元飛び込みの英国代表ジェイソン・ステイサムこそ . . . 本文を読む

アントマン

2018年09月12日 | ネタバレなし批評篇
今までのスーパーヒーローものとは少し毛色の異なる層の注目を集めた異色のマーベルムービーがこの『アントマン』だ。架空のピム粒子を使って身長1.5cmのアントマンへと変身する主人公スコット(ポール・ランド)。ピム粒子を発明した博士(マイケル・ダグラス)いわく“原子間の距離を縮める”ことによってダウンサイズが可能となり、結果原子というか分子の結合と共にスーツの強度も倍増するらしい。 分子の結合を強 . . . 本文を読む

バケモノの子

2018年09月11日 | ネタバレなし批評篇
『ハウルの動く城』の監督をクビになった細田守のトラウマは相当なものだったようだ。ジブリへの憧れが高じてアニメーターを志したという細田、ジブリ製作アニメの監督を任された時は天にも昇る気持だっただろう。それがまさかの途中降板。天国から地獄というのはまさにこのことだったにちがいない。 そんな細田のジブリというか宮崎駿への怨念いな複雑な思いがこめられたアニメーションである。すでにご覧になった皆様のご . . . 本文を読む

順列都市

2018年09月05日 | 映画評じゃないけど篇
過去のSFや文学の流れとは明らかに異なる世界を確立している一連のイーガン著作は、読後、まるで数式なしに難しい宇宙物理理論を理解できたかのような錯覚に陥るため、病みつきになる読者も多いと聞く。 『ディアスポラ』で完膚なきまでに叩きのめされた後に手を出した本書にそれなりの覚悟をもってとりかかったのだが、部分的には意味不明な箇所も散見されたにせよ、かといってまったく歯が立たないわけでもない嬉しい誤算 . . . 本文を読む