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名盤!「加藤登紀子 長谷川きよし LIVE」

2004-11-21 19:32:20 | 音楽一般
今日、久しぶりにアナログ盤をあれこれ引っ張り出して整理した。懐かしいレコードがザックザク。
埃をかぶって埋もれてた奥の奥から、僕が人生の中で一番長期間聴き続けたアルバムが出てきて、懐かしくってちょっとホロリときた。
僕は今はジャズに過度に傾倒しているけれども、基本的には雑食というか、クラシックや民俗音楽、さらには各国のポピュラーシーンにも、良いと思うものがあれば手を伸ばすだけのアンテナと理解しようとするだけの意欲、耳慣れないものを拒絶しないだけのキャパと音楽の質を聴いて判断するだけの心構えは持っているつもり(多分)。
そういったね、音楽を聴く上での「懐」っていうのかな・・・・・J-POP以外に目を向けて、音楽の世界がグンと広がるきっかけになったそのアルバムを紹介しようと思う。

このブログを読まれている方の中で「長谷川きよし」というシンガーソングライターをご存知の方はいますか?。
1949年生まれで、69年に「別れのサンバ」という曲でデビュー。
所謂フォークに分類される人だけども、確かなギターテクニックと日本の枠を飛び越えた音楽性、そして透徹したガラスのような歌声で独特な位置を築き上げている盲目のシンガー。
日本のフォルクローレブームの先駆けになった人でもある。
共演したミュージシャンも渡辺貞夫、日野皓正、グラシェラ・スサーナ、ウニャ・ラモス、エリゼッチ・カルドーゾ、ビーア、ピエール・バルー、シモーヌ・ラングロワ、ファビアン・レザ・パネ、加藤登紀子、柳家小三治、永六輔など・・・・・ね、ちょっと日本のそこらにいるフォークシンガーと音楽が違うって事がわかるでしょ。
もうね、いい声だよぉ。凄く透き通っているのに甘くない。どこまでもどこまでも深くて透明で、のびやかで屈託が無くて・・・・・視力を失った代わりに神様がこの声を与えたのかなって、そんな風に思ってしまうほど果てしなく美しい。
こんな非の打ちどころの無い声を出す男性歌手がいるんだなって。

僕がね、小学4年位かな・・・・・この人と加藤登紀子のジョイントコンサートの模様を収録したLP2枚組みの「Live」というライブ盤を耳にして、一発で魅了された。
こんなに素晴らしいアルバムが家にあった事、これは母の趣味だったんだけど、凄く感謝してる。
全20曲中9曲がフォルクローレの名曲をカバーしていて、その他双方のオリジナル曲も含めて民俗音楽臭プンプンしてたのさ。
初っ端の「サンバ・プレリュード」っていう曲ね、3コーラスで1コーラスずつ交互に歌った後3コーラス目で2人の旋律が重なって、ジャズで言うコール&レスポンスのような掛け合いになるのね。
それまで単純なリズムの上に単旋律の歌が乗っている音楽しか聴いてこなかった10歳かそこらのガキに耳には、これは衝撃的だった。
「これぞ音楽!!」って思ったね。
アルバム全体にね、ライブ感覚っての?・・・・・リフレインの繰り返しを「もう一丁いこう!」とか掛け声をかけて伸ばしてみたり(今から考えればなんて事なくて、譜面でX-time指定をしてたんだな)、アドリブでバンバンコーラスを重ねたり、そういった仕掛けやリアルタイムな緊張感とスリルが満ちてた。
「スゲェ、こいつら決められた事やってるんじゃなくて、その場その場で音楽やってんだ」って(笑)。
楽器の編成もその時の僕にはまったく未知のものだった。
クラシックギター、スチールギター、エレキギター、エレキベース、ピアノ、ドラムスに加えて、マンドリン、パンフルート、フルート、ソリーナ、チャランゴといった管弦楽器に山のようなラテンパーカッションたち。
もうね、「これは一体なんの音楽なの?」って、初めて聴いた時はアゴ外れたね。
アゴ外れたまんまメシ食って風呂入って、その後また聴いた。
楽しくって楽しくって、そして中南米の耳慣れないフレーズがスンゲェ新鮮で、哀愁があって切なくて切なくて・・・・・こんな凄い音楽が他にあるものかって、そう思った。
小学4年から、そうね・・・・・高校卒業くらいまで、狂ったように聴いたね。

今思えば、音楽は時間芸術でアクシデンタルなものなんだって事をここで初めて知ったんだね。
ガキの頃にこんな上質な音楽に接する機会があって幸運だったと思う。
聴く事も演る事も、僕の音楽の全ての原点はこのアルバムにある。「この人のように歌えたらいいな」って、ずっと思ってた。
このアルバムが無ければ、きっと今ジャズもクラシックも民俗音楽も聴いてなかっただろうし、音楽そのものにここまで興味を持たなかったかもしれない。
名盤ですね。
個人的には何物にも変えがたい大名盤。
78年の録音で、もう今じゃそうそう手に入らないだろうね・・・・・ネットオークションでアナログ盤が2点出品されてるのを見た事はあるけど、CD化されてるのかな・・・・・されていればものスゴーク欲しいんだけど・・・・・どうなんだろ。
ご存知の方がいたら教えてください。

本日の安眠盤、The Manhattan Transferの「Vocalese」
ではでは。

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
小4で (pororompa)
2005-10-23 18:31:41
初めまして。遅くなりましたが、TBありがとうございました。

小4であのLIVEにはまったというのが、ただ者ではありませんね。疑いなき名盤です。

でもCD化はされておりません。ぼくはLPから起こしてCDにして聴いています。

残念ながら原盤のLPは水害で失ってしまいましたが…。

ジャズファンでもあるので、またお邪魔します。
返信する
>pororompaさん (TARO)
2005-10-23 18:41:06
こんにちは。

わざわざご来訪いただきましてありがとうございます。



そうですか・・・・・CDになってないんですか。

とことん残念です。

原版はまだ手元にあるのですが、小4のガキが無神経に扱って幾年月・・・・・もう傷だらけです。

あー、残念だなぁ。



そちらのブログにもちょくちょく遊びにいきます。

よろしくお願いします。



ではでは。
返信する
大変ご無沙汰です (池之内 進)
2006-05-19 21:30:57
最近またギターを引っ張り出してきて

音楽の楽しさを楽しんでます

長谷川さんのコンサートが僕のギターの原点です



是非次のコンサート予定をお知らせください

宜しくお願いします

返信する
>池之内 進さん (TARO)
2006-05-28 21:03:55
おひさしぶりです。

レスが遅くなってごめんなさい。ちょっとネットを離れておりました。



長谷川きよしは僕の音楽ライフの原点でもあります。

スケジュールはオフィシャルサイトで確認できますよ。

http://kiyoshi-hasegawa.net/

ぼくの沿線のライブハウスにもちょくちょく出演しているので、たまーに聴きに行ったりしてます。

覗いてみてくださいね。



ではでは。
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