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イキたくなる瞬間!

2004-11-11 19:03:00 | 音楽一般
今週は忙しい。
くたばりつつも何か投稿しなきゃイカンと思うのですが、ネタを考える意欲がありません。
という事で、お気に入りのアルバムを褒めちぎる文章でも書くか。
それが一番考えずに書けるもんね(笑)。

今年の1月に大手CDショップで流れていて一発で気に入って購入したブラジル音楽のシンガー、Chieの「Sabia」、これはこの人のデビューアルバムになるのかな・・・・・を聴いてる。
このアルバムは僕の中では息が長い。飽きずにコンスタントに、約1年聴き続けてる。
この人は上手いね、上手いよ。

しばらく前の投稿で書いたと思ったけど、ボサノバを含めたブラジル音楽のキモって「抑制」にある。
感情の高まりを排除して努めて淡々と歌う事でより感情を伝えようとする、ある種逆説的な手法の音楽。
なんつうかな・・・・意を消すというか・・・・・Chieを初めて聴いた時「日本人でこんなに意を消した歌を歌える人がいるんだねぇ」って思った。
ちょっとでも音楽やった事がある人、殊に歌を歌う人は分かると思うんだけど、この「意を消す」ってのは凄い事なんだよね。
いいメロディ、いい歌詞、曲の流れの中で感情が高ぶってきて、それを出したくなる瞬間って必ずある。
ババーンと感情を押し出したくなる、「ここでイキたい!」っていう瞬間ね。
ボサノバのシンガーたちってね、そこでイカないの。
感情を出すって事は、表面的には声量を開放したロングトーンやビブラート、フレージングに変化をつけたりだったりするんだけど、それをね、やらないの。
見せ場を作らないの。
我慢して抑え続けるの。
いや、こう言ってしまうとちょっと語弊があるかな・・・・・ボサはボサなりに見せ場のフレージングや方法論はあるんだけど、それがスッゴク感情的に走らないで行なわれるって言うか・・・・・片時も「抑制」を失う事がない。
これなかなかできないんだよ。
だってさ、歌ってて好きなメロディや感じ入る歌詞に差し掛かればどうしたって感情的になって大きな声出したくなるし、ホロリと来るでしょ(笑)。
僕には絶対にできないな。
ボサ的な抑制を持って歌う事の利点ってのは、まず「力みがない」。不自然な声が聴こえてくる事がまったくないから、凄く歌全体が素直で耳に心地良いのね。
あと、日本に「秘するが花」っていう美的観念があるでしょ。これに近い。
感情を隠すことで感情がより伝わる。
下世話な話だけど、綺麗なオネーチャンがバーンと脱いでバストを見せてしまうより、見えそうで見えない開き具合の襟元から覗く方が興奮するような・・・・・って失礼。

このChieもね、抑制されてるよー。
絶対行かない。
Djavan(ジャヴァン)の「Samurai」とかMilton Nascimento(ミルトン・ナシメント)の「Travessia」とかね、僕だったら絶対にイキたくなるようなスッゲェメロディが綺麗な曲をカバーしてるんだけど、とことんイカない。
どっちかってぇと、1曲ボーカルでも共演してる本場ブラジルのCelso Fonseca(セルソ・フォンセカ)の方が行っちゃってる場面があるほど。
歌ってて欲求不満にならないのかな?(笑)。

日本人のボサノバでは大家と言われてる小野リサでも、ここまで意を消してイカない歌は歌えてないと思う。
Chieはいいですよ。
お験しあれ。

2 コメント

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Re:イキたくなる瞬間! (Ginji)
2005-10-14 00:23:28
はじめまして。

「イキたくなる瞬間!」の記事、拝見した記憶があります。

以前に偶然お邪魔していたかもしれません。(笑)



sabiaいいですよね!

in Tokyoと確か一緒に買ったんですが、リリースからもうそんなに経ったのですねぇ。

早いものです。



またちょくちょく覗きにきますね。

今後ともよろしくお願いします。
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>Ginjiさん (TARO)
2005-10-14 08:11:48
こんにちは。

わざわざご来訪いただきましてありがとうございます。



>in Tokyo



ああ、Joaoのですね。

あれはねぇ・・・・・あれこそボサの真髄ですね。

ギターと歌だけ。

ボサの基本ですねぇ。



そちらにもちょくちょく遊びにいきますね。

ではでは。
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