5月1日。メーデー。ここフィンランドでは、vappu(ヴァップ)と言う。
メーデーと言えば、労働運動と関連づけられたり、世界各国、あるいは各人でそれぞれの意味合いを持つ日だろうが(もっとも自分にとってこの日が何らかの意味を持ったことはこれまでなかったけど)、vappuは、春の訪れを祝う国民的祝日。
それも、爆発的に祝う。何しろ、長く厳しい冬を終え、5月になってようやく春がやってきたのだ。日本の人々が桜の開花を迎えて、あぁ春だねぇ、とおくゆかしく漏らすのとちょっとわけが違う。春だぁぁぁあ!という溢れんばかりの開放感なのだ。
どの程度まで冗談なのか分からないけど、フィンランド人は自分たちのことを、冬の間の暗い時期と、春から夏にかけての明るい時期とでは、人格が変わると言う。当然、明るく温かい時期の方が、オープンになり機嫌も良いらしい。そのスイッチが切り替わるのがこの季節というわけだ。
学生たちが主役という意味合いもある。
一週間ほど前から、つなぎというか、何やら一昔前の暴走族のようなコスチュームに身をまとう人が発生し、vappuに向けて指数関数的に増加する。このコスチュームは、大学ごと、学部ごとなどに決まったカラー、格好があるらしく、学部名の刺繍が施されていたりする。連日連夜パーティを開催し、正直、騒音はかなりの迷惑だけど、まぁ事情が事情と思えば、これもフィンランド文化の体験の一部ということになるかもしれない。
前置きが長くなりましたが、そんなこんなで迎えた今日。
vappuには、老若男女こぞってピクニックに出かけるという文化があるらしい(もっともこれは都市部だけのものらしい)。日本でのお花見みたいなものだと言われた。こちらでは花は見ないけど。
というわけで、今日はAnssi & Outiご夫妻とそのご友人たちと一緒に、ピクニックに出かけてきました。
午前中、オタニエミからヘルシンキへのバスは、学生で満杯。おかげで、停留所にはノンストップ、終点Kamppiまでの直行便に。
白い帽子をかぶっている人が多い。これもvappuの文化の一つだそうだ。フィンランドでは、高校を卒業するときに、皆この帽子を授かるらしい。
4月30日の夕方6時、ヘルシンキ市内のある女性の像にこの帽子をかぶせるという儀式があるそうで、これを皮切りにこの帽子をかぶることが「解禁」される。そうして、この二日間は、皆この白い帽子をかぶる。結構お年を召された方でもこの帽子姿をよく見かけたので、かなり古くからある風習なのだろう。
街はお祭りモード一色。
この街には、これだけの人がいたのか、というのがまず最初の感想。前回の滞在を含めても、2~4月のヘルシンキしか知らなかったので、こんなにも温度のあるこの街の姿を初めて見た。新参者の自分でもこれだけ心が浮くのだから、長い冬を越してきた人々の開放感とは、さらに一層のものだろう。
さてさて、AnssiたちとはKaisaniemiで待ち合わせ。15分ほど歩いてTähtitorninmäki(たぶん)という公園へ。
なるほど、これはたしかに、お花見シーズンの新宿御苑状態。
フィンランドでは、公衆の場での飲酒は禁止されているが、この日だけは黙認らしい。まぁこれだけみんな飲んだくれてるんだから、黙認もなにもないが。
というわけで、ここにシートを広げて、お食事、飲酒。
Anssiはワインを何本も持ってきていたけど、気付いたら、全部空いていた。Outiさんのお弁当はおいしい。
自分も少し貢献しようかと、鮭の混ぜ寿司のようなものを作ってきたのだけど、好評で良かった。ついでに日本酒を一本持っていったけど、これもいつの間にか空いていた。
vappuの恒例だという、シマというお酒も頂いた。
左からAnssi & Outi夫妻。ちのさん(ちのさんは、日本の大学で北欧の福祉政策の研究をされているそう)。ハンナさんとエレッカさん(だったかな)。
昼間から芝生に寝転んで、陽を浴びながらお酒を飲む。くせになりそうだ。
簡易トイレに行列が。日本の花火大会を思い出す。
余談だけど、ヘルシンキには公衆トイレというものがあまりない。デパートや駅のトイレはだいたい有料。
お祭りのときにこの簡易トイレを設置するようになったのは最近のことらしい。それ以前は…まぁひどい有様だったらしいです。
その後、さらに歩いて、ヘルシンキ南端の海沿いにあるKaivopuistoという公園へ。ここの方が凄まじい人口密度でした。学生はだいたいここに集結するみたい。
海を眺めながらパーティをする人たちも。良い暮らしだなぁ。
さらにこの後、だめ押しでバーに。
イベントそのものも楽しかったが、何より、自分にとってこの国の新たな顔を見ることができたのが面白かった。
飲んで、歩いて、健康的な(?)一日でした。
メーデーと言えば、労働運動と関連づけられたり、世界各国、あるいは各人でそれぞれの意味合いを持つ日だろうが(もっとも自分にとってこの日が何らかの意味を持ったことはこれまでなかったけど)、vappuは、春の訪れを祝う国民的祝日。
それも、爆発的に祝う。何しろ、長く厳しい冬を終え、5月になってようやく春がやってきたのだ。日本の人々が桜の開花を迎えて、あぁ春だねぇ、とおくゆかしく漏らすのとちょっとわけが違う。春だぁぁぁあ!という溢れんばかりの開放感なのだ。
どの程度まで冗談なのか分からないけど、フィンランド人は自分たちのことを、冬の間の暗い時期と、春から夏にかけての明るい時期とでは、人格が変わると言う。当然、明るく温かい時期の方が、オープンになり機嫌も良いらしい。そのスイッチが切り替わるのがこの季節というわけだ。
学生たちが主役という意味合いもある。
一週間ほど前から、つなぎというか、何やら一昔前の暴走族のようなコスチュームに身をまとう人が発生し、vappuに向けて指数関数的に増加する。このコスチュームは、大学ごと、学部ごとなどに決まったカラー、格好があるらしく、学部名の刺繍が施されていたりする。連日連夜パーティを開催し、正直、騒音はかなりの迷惑だけど、まぁ事情が事情と思えば、これもフィンランド文化の体験の一部ということになるかもしれない。
前置きが長くなりましたが、そんなこんなで迎えた今日。
vappuには、老若男女こぞってピクニックに出かけるという文化があるらしい(もっともこれは都市部だけのものらしい)。日本でのお花見みたいなものだと言われた。こちらでは花は見ないけど。
というわけで、今日はAnssi & Outiご夫妻とそのご友人たちと一緒に、ピクニックに出かけてきました。
午前中、オタニエミからヘルシンキへのバスは、学生で満杯。おかげで、停留所にはノンストップ、終点Kamppiまでの直行便に。
白い帽子をかぶっている人が多い。これもvappuの文化の一つだそうだ。フィンランドでは、高校を卒業するときに、皆この帽子を授かるらしい。
4月30日の夕方6時、ヘルシンキ市内のある女性の像にこの帽子をかぶせるという儀式があるそうで、これを皮切りにこの帽子をかぶることが「解禁」される。そうして、この二日間は、皆この白い帽子をかぶる。結構お年を召された方でもこの帽子姿をよく見かけたので、かなり古くからある風習なのだろう。
街はお祭りモード一色。
この街には、これだけの人がいたのか、というのがまず最初の感想。前回の滞在を含めても、2~4月のヘルシンキしか知らなかったので、こんなにも温度のあるこの街の姿を初めて見た。新参者の自分でもこれだけ心が浮くのだから、長い冬を越してきた人々の開放感とは、さらに一層のものだろう。
さてさて、AnssiたちとはKaisaniemiで待ち合わせ。15分ほど歩いてTähtitorninmäki(たぶん)という公園へ。
なるほど、これはたしかに、お花見シーズンの新宿御苑状態。
フィンランドでは、公衆の場での飲酒は禁止されているが、この日だけは黙認らしい。まぁこれだけみんな飲んだくれてるんだから、黙認もなにもないが。
というわけで、ここにシートを広げて、お食事、飲酒。
Anssiはワインを何本も持ってきていたけど、気付いたら、全部空いていた。Outiさんのお弁当はおいしい。
自分も少し貢献しようかと、鮭の混ぜ寿司のようなものを作ってきたのだけど、好評で良かった。ついでに日本酒を一本持っていったけど、これもいつの間にか空いていた。
vappuの恒例だという、シマというお酒も頂いた。
左からAnssi & Outi夫妻。ちのさん(ちのさんは、日本の大学で北欧の福祉政策の研究をされているそう)。ハンナさんとエレッカさん(だったかな)。
昼間から芝生に寝転んで、陽を浴びながらお酒を飲む。くせになりそうだ。
簡易トイレに行列が。日本の花火大会を思い出す。
余談だけど、ヘルシンキには公衆トイレというものがあまりない。デパートや駅のトイレはだいたい有料。
お祭りのときにこの簡易トイレを設置するようになったのは最近のことらしい。それ以前は…まぁひどい有様だったらしいです。
その後、さらに歩いて、ヘルシンキ南端の海沿いにあるKaivopuistoという公園へ。ここの方が凄まじい人口密度でした。学生はだいたいここに集結するみたい。
海を眺めながらパーティをする人たちも。良い暮らしだなぁ。
さらにこの後、だめ押しでバーに。
イベントそのものも楽しかったが、何より、自分にとってこの国の新たな顔を見ることができたのが面白かった。
飲んで、歩いて、健康的な(?)一日でした。