久し振りに絵具の退色実験の続きです。
前回は1年程前 → こちら
半年程だと色の変化がはっきりとわからない事と
丁度その頃、私自身が忙しくて実験の最終報告ができませんでした。
では、透明水彩絵具から
スタートが2010年7月、右から2年、1年半、1年の変化です。
2年間光が当っていた赤系の色ははっきり退色がわかります。
ウインザーレッドは薄いピンクに、クリムソンはベージュになっています。
それに比べるとその上のカドミウムレッドは変化が少なく若干薄く感じる程度です。
プルシャンブルーもよく見ると2012/7に境目があるようですが
階段状の色の変化は無く、ある程度退色するとそれ以上は変化が少ないようです。
その他の色は特に退色は感じられません。
結構、堅牢な絵具のようです。
*** では、次はアクリル絵具です、
こちらのスタートは2011年2月、左から1年半、半年の経過です。
色の変化がはっきりわかるのはオレンジイエロー、明らかに薄くなっています。
画面ではわかり難いかも知れませんが、
それぞれの境目(青い◆のところ)がくっきりしています。
カドミウムイエローライトも微妙に色が明るくなっている感じです。
前回も書きましたがカドミウム系の色は堅牢だと思っていたので意外です。
退色し易いオレンジ系の色が僅かに入っているのでしょうか?
他の色は、どう目を凝らしてみても変化はありません。
透明水彩絵具で退色が激しかった赤系の色も変化は見られません。
顔料に違いがあるのでしょうか?
それともアクリル樹脂の影響があるのでしょうか?
***
実験場所は南向きのベランダのサッシ、
直射日光が当たる事はありませんが、夏はベランダの照り返しもあります。
アクリル絵具の方はイラストボード、水彩絵具の方は水彩紙です。
どちらの紙も日焼けはありませんでした。
安価なお絵かき帳などは閉じて置いていても、端から茶色くなるので
値段はウソをつかないという事なのかと思いました。
これで退色実験は終わります。
このような事をしなくてもホルベインさんは色の堅牢度を書いた本を出していますので
今後、必要な時はそれを参考にしたいと思います。