福山市中央斎場と刻まれた石碑の近くに地蔵が祀られている。私は古老と深津郡奈良津村の榎木峠と千人壷について話した時のことを思い出していた。火屋の上にあったと伝わる千人壷は行き倒れた者を埋葬する場所であったが、その後御仕置場になった。疫病で亡くなった者などを火屋で焼いていたのだろうと私達は推測した。 死者が火葬場に運ばれ灰となることを普段はすっかり忘れているが、この広大な敷地に立つと「いずれはここの厄介になるんだな」と気付く。命は必ず尽きるのである。 中央斎場の近くに平屋プレハブの北消防署の仮庁舎(新庁舎建設のため今年3月に移転)が出来ていた。国道313号(両備軽便鉄道の路線跡に出来た)に出て坂を下り右の脇道に入り五反田橋に着いた。