久喜市長 田中 暄二(たなか けんじ) ~久喜市の発展のために~

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代表質問でのやりとり

2014年02月25日 | 日記
去る2月11日に開催された久喜市議会本会議におきまして、市民の政治を進める会からの代表質問で私の多選について質問があり、私の考えを答弁いたしました。

そのやり取りを以下に掲載いたします。

<質問の通告>
7.市長多選批判について、田中市長の見解を伺う。
議会はさまざまな年齢層や経験、性別、職業などの多様性を確保してこそ、多様な市民の意見を市政に反映することができるが、市長は自治体にたった一人であることから、多選それ自体が弊害を生むことが指摘されてきた。

現に多選の弊害が指摘されていて、久喜市においても田中市長がその「多選」にあたること、昨年9月議会でも多選批判が指摘されていたこと、今度の選挙においても、「多選」が一つの論点となるであろうこと、議員としてみていて、久喜市の行政において、「多選」の弊害といえる現象、そのきざしが現れてきているのではないかと思われることなどから、一般論としてではなくて、久喜市政における多選の弊害を、田中市長がどのようにとらえているかを、認識と見解を伺っておきたい。

(1)久喜市の行政において、「多選の弊害はない」と考えているか。
多選の弊害はないと考えているのだとすると、かえってそういう判断自体に危惧の念を持つし、市民感覚とはやや格差があると思うが、いかがか。
(2)多選の弊害がないと考えているのだとするとこれ以上は答弁はないことになるが、久喜市政において、首長多選による弊害が生じている、あるいは弊害が生じる恐れはあると見ているか。
(3)その場合は、多選の弊害があるかもしれないが、それでなお、田中市長が引き続いて市政を担うことのメリットの方が大きい、あるいは、多選の弊害は解消することができると考えているか。
(4)久喜市の行政において、「これが多選の弊害だ」と個別具体的に指摘することは困難であるが、いくつかの事例を挙げて、市長の見解を聞きたい。たとえば、職員が市長に対して追従的になっていて、現状に甘んじて、新たな発想や政策を持ち込んで久喜市政に反映しようとする意欲が薄くなっているのではないかと思われることもある。職員が先進地の視察研修を行いたいというのは、久喜市では認められにくいのだろうか。それとも、現状でうまくいっているのだか、進んで先進的な政策を導入する必要なはい、現状維持で甘んじることが久喜市行政の体質になっているのではないか。こういう体質も、多選の弊害の一つの表れではないかと思っているが、いかがか。
議会で、議員から新たな政策提言があっても、「現在のところ考えておりません」という答弁がたいへん多いが、これなどは現状を変更したくない、現状維持が最優先という、行政のマンネリ化の象徴的答弁だと私は思っているが、いかがか。

もう一つ、田中市長は議会で本会議でもなかなか答弁に立たないが、久喜市議会では市長を答弁席に立たせないことが職員の役目だとでも認識されているのではないか。

委員会も挨拶だけ終えるとすぐに退席して外出してしまうこともあるらしい。本来なら政治家としての市長の政治的見解が求められる場合もあるが、田中市長はそうは考えないか。県議会では上田知事が本会議で進んで答弁に立ったり、委員会に自ら出席して答弁することもあると聞く。久喜市では委員会では部長の答弁で何とか防いで終わらせて、市長を委員会に出させないようにするのが、職員のつとめになっているのか。

これら事例を挙げたが、田中市長は、こうした久喜市政の現状維持指向、マンネリ化、物言わぬ職員の体質がないというか。何らかの形で現れているとは見えないか。
そうであるとすれば、これらが久喜市政における多選の弊害の現れであるとは考えないか。
それとも、私の以上の指摘自体が、根拠がないと否定するか。

(5)もしも多選の弊害の表れが、あるいはそのわずかな兆候でもあるとしたら、それを防止するために、どのように対応しようとするか。


<答弁>
首長の多選の弊害として、一般的には、人事や組織が硬直化しやすいこと、過去の政策を否定するような新しい政策が生まれにくいことや、癒着による政治腐敗を招きやすいことなどが言われております。

私は、合併前の久喜市におきましては平成9年から連続4期12年余りに渡り、市長職として市政をお預かりしてまいりました。

その間、多選の弊害に陥らないよう、意識して過去を振り返り、現状を直視し、未来への思いを形にすべく、常に自らに問いかけ確認をしながら行政運営を進めてまいりました。

その後、平成22年には新久喜市の初代市長に就任させていただき、まもなく1期4年を終えようとしております。新久喜市は合併により、人口規模、行政面積、市内の様々な団体等が大きく変わりました。市役所にあっても、財政規模、職員数、組織そのものが大きく変わりました。

4年前に、初代久喜市長という大事なお役を頂いた時から、初心に帰り、新たな気持ちで市政を運営してまいりました。

そのためには、あえて合併前の久喜市長の経験を意識しないように努めてまいりました。そのことが4地区の公平、平等、均衡ある発展につながるからと信じたからであります。

そのようなことから、私自身としては、4月の市長選挙について多選のご批判はあたらないと考えておりますが、長年、市長職を担ってきたことは事実でありますし、そのことによる弊害が全くないとは言い切れないことがあるかもしれません。

それが具体的に何かというこということに関しまして、明確なお答えは出来ませんが、今回、質問者からご指摘をいただいたような内容も含まれているかも知れません。

職員が現状維持的で意欲が低下しているのではというご指摘でありますが、本市では合併と同時に1市3町の職員が混成された大きな組織になった訳でありまして、職員も心新たにして、新市発展のため職務に取り組んでおります。

そうした中で、新市のスタート時は統合業務を軌道に乗せることに追われておりましたが、徐々に新たな施策や事務改善等の提案も増えてまいりました。

私は、かつて市の職員へのあいさつの中で、「出る杭は讃える」と言いました。職員の積極的な業務への取組みを期待したからであります。同時に、この言葉は私への戒めの言葉でもあります。

先進地視察につきましては、インターネットの活用が進んだとはいえ、直接見て、聞いて、肌で感じることは大切なことと考えておりますし、真に必要な視察であれば、積極的に予算措置したいと考えております。
また、議員からご提案いただく新たな政策等に対して、現状維持的な対応が行政のマンネリ化ではないかとのご指摘でありますが、私は、15万人都市の市政を預かる立場におります。
したがいまして、施策や事業の採択にあたりましては、中長期的な財政的展望とともに、市全体の公平・公正な視点から費用対効果なども踏まえて厳選し、取捨選択しなければならないことは、ご理解賜りたいと存じます。

私の議会答弁に対するご指摘についてでございますが、私といたしましては、これまでも本会議並びに各委員会におきまして、私自らがお答えすべきものにつきましては、ご答弁申し上げており、今後も同様に議会に対しましては真摯に対応してまいります。

私は、昨年9月議会におきまして、こうした多選に対するご指摘がありますことを踏まえた上で、合併時に三人の首長の皆さんと協議をし、計画を策定した責任者として、また、お三人の思いを久喜市の様々な事業に生かし、久喜市を更に飛躍・発展させたいとの強い、熱い思いから次期市長選に立候補を表明させていただきました。

この4年間で、都市としての体裁をほぼ整えることが出来たと自負をしておりますが、今後の4年間は、制定した条例、計画に基づき、具体的な政策を立案、実行していく大切な時期であると思います。また、都市の性格やイメージが定まる時期でもあると思います。

したがいまして、来る市長選挙におきまして、幸いにして多くの市民の皆様からのご信任をいただけますならば、これまで以上に謙虚に市民の皆さまの声に耳を傾ける政治姿勢と無私の心を貫いてまいり、もって、久喜市の発展に全力を尽くすことをお約束したいと存じます。