「ウィーン・モダン展」に続いて「クリムト展」に。
◆残り2週間となりました
前日の日曜日は「入場待ち40分」というお知らせもあり、ちょっと怯んで?いたのですが、梅雨寒に朝からの雨もあったせいか、チケット売り場も入場口も待ち時間は無し。会場内は混雑していましたが少し待てば見たい絵の前に並べるという感じでした。
テレビでもいくつか特集番組が組まれたりいろいろな場で取り上げられていたので、全体的な印象と気に入った作品などをランダムに少し。
自分の中では今までクリムトというと「装飾」「官能」「黄金」というイメージが強かったのですが、これが同じ作家なのかと思うくらい画風に変化があるのに驚きました。(これは「ウィーン・モダン展」でも思ったことですが。)
◆ヘレーネ・クリムトの肖像 1898年
繊細なタッチで少女をとらえていて好きです。顔以外はさらっとしているのがクリムトらしい。
◆雨後(鶏のいるザンクト・アガータの庭)1898年
同じ年の風景画。まるっきり印象派です。
◆ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)1899年
同じ時期に同じ画家が描いたとは思えません。
◆ユディトⅠ 1901年
いよいよクリムトの本領発揮「黄金様式」!この表情!
◆女ともだちⅠ(姉妹たち)1907年
こちらは日本美術の影響を受けた構図や装飾的な表現、色調が印象的。
◆家族 1909-1910年
。。。華やかな「黄金」はどこへ行ったのでしょう?なんだか先日見たエゴン・シーレを思わせます。
ところで今回自分がいちばん引き込まれたのはクリムトが亡き息子を描きとめたこの素描です。
◆亡き息子オットー・ツィンマーマンの肖像 1902年
ちょっと言葉が出ません。悲しみ、愛しさ、後悔、無力感、どんな気持ちでこれを描いたのか。。。モネが妻の死にあたって描いた作品も有名ですが、これは生後間もない子どもだからかいっそう胸に迫ります。そしてクリムトの卓越した画力がさらにその哀しみを見る者に伝えているように思います。
今回の目玉は油彩画や壁画ではありますが、「ウィーン・モダン展」もこのクリムト展も素描にとてもいいものがあります。
そしてこんな哀しい絵を描いていたころにこんな巨大な壁画も。
◆ベートーヴェン・フリーズ (オリジナルは1901-1902年)
展示室の壁全面に配置された壁画はかなりのスケールでした。
他にも弟との彫金作品やクリムトが描いたラブレター(情熱的!)なども面白かったです。
ミュージアムショップは展示室以上の混雑。ミュシャ展のときのように女性がいっぱい。お洒落な商品が多く、ちょっといいなと思ったものは品切れ状態が多かったです。
「ウィーン・モダン展」と併せて見るのも良いと思います。(~8月5日まで)
(2019.06.24)