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没後10年 ロバート・ハインデル展

2015-07-27 | アート&クラフト

大好きな画家ロバート・ハインデル没後10年記念展覧会に行ってきました。先週の鴨居玲展に続きこちらも会期最終日。

◆会場は横浜のそごう美術館


※2年前のハインデルのブログはこちら

 

今回は油彩画の他にイラストや素描なども含めて100点ほど展示されるということで大変期待していましたが、ハインデルの世界にどっぷり浸れました。

 

まずはハインデルといえばダンサー! 

◆「パ ド ドゥ ウィズ フロアーマークス」

◆「ダンサー イン ブラック オン ブラック」

◆「ウォール」 これだけでも満足!大作です。

◆「シャドウズ」 光の表現!

◆「白鳥の湖」

◆「ダンス オブ パッション」 

 

そしてミュージカル

◆"CATS" より 「ホワイト キャット」

 

イラストレーター時代の作品も

 ◆映画「ローンレンジャー」のポスター原画

 

どの作品からも躍動感と張りつめた空気感が感じられ、スピードのある筆使い効果的な配色、そして大胆な省略(キャンバスそのままの部分も)と相まってとにかくカッコいい!のです。

 

そして今回展示されていた素描がまた素晴らしい。

◆"CATS" より グリザベラ

◆クラシック ダンサー

◆ダンサー リーピング

なぜ木炭と紙だけでこんな絵が描けるのか?もうあきれ果てて口がふさがりません。自分が学生時代に同じ木炭と紙で描いていたものなんて子どもの落書きです(笑)。先日の「鴨居玲展」でも思いましたが、やっぱりデッサン力です。

また、ダンサーだけでなく、展示会場入り口すぐにあったホロヴィッツ、カラス、カラヤンなど著名な音楽家のイラスト(木炭に紙)もすごくよかった→こちら

 

この他、珍しい抽象画や彼のマークになっているバラ、日本のダンサー能や歌舞伎に題材を得たものなど貴重な作品が数多く展示されていました。出品目録がなかったのと、作品集が完売だったのが残念ですが、とてもいい展覧会でした。

ハインデルに浸ったあとは崎陽軒の「シウマイ弁当」を購入して帰路へ(笑)。

(2015.07.26)

 

 

 

 

 


鴨居玲展 踊り候へ

2015-07-27 | アート&クラフト

仕事の合間を縫って、最終日ぎりぎりで鴨居玲展を見ることができました。

◆「出を待つ(道化師)」 

◆ステーションギャラリーは丸の内北口からすぐ

 

久しぶりにずっしりと重くて濃い作品を見たなあ、というのが全体の感想。それは繰り返し描かれた自画像、老人、酔っ払い、負傷兵といった「」であり、暗いけれど深い色味のある「」でもあり、皺の刻まれた「」や「」でもあります。

 

◆「静止した刻」

◆「酔って候」

◆「おっかさん」

◆「廃兵」

 

しかし暗い画面の中にも、髪の毛や小物にはっとするような明るい色が使われており、また時には同じ作者かと思うような不思議な鮮やかな色調の建物が描かれたりもします。

◆「教会」

 

※ちなみに巨大な石が宙に浮かぶ、マグリットの「ピレネーの城」とよく似た作品がありました。

 

これらの油彩画の他に30点ほど展示されていた素描。これが素晴らしい!

◆「蛾」(紙にコンテ) この線!

◆「蛾」(こちらは油彩)

◆「踊り候へ」(紙にパステル)

 

う~ん、やっぱり「デッサン力」だよな~、と一人納得。音楽でも美術でも、思いを伝えるための技術がなければ何にもできないのです。

 

さて、展示も終わりに差し掛かったころに出くわすのがこの作品。

◆「1982年 私」

何というこの重さ。

意識したであろうと言われるクールベの「画家のアトリエ」と比べると「幸福」と「絶望」?

◆クールベ「画家のアトリエ」

 

冒頭の「出を待つ(道化師)」の強烈な「赤」は強い意志希望を見つけたかのようにも思えるのですが、鴨居玲はその翌年に亡くなります。アトリエの遺品が最後に展示されていました。

◆遺品と遺作の自画像(未完)

 

鴨居玲はひとつひとつの作品を一気に描き上げたそうですが、そのたびに自分自身を削っていったんだな、とこれらの遺品をしばし見いってしまいました。(多くの人たちがここで立ち止まっていました)

※展示されていたパレットは笠間日動美術館のパレット館で見ることができます。

 

(2015.07.20)