<エッセー>
タケオオツクツクと伊奈氏
大塚惠子
杉並の上水では、今年も「セミ抜け殻しらべ」を行なっています。埼玉県の辺りにタケオオツクツクという外来のセミが、限定的に出現するので、以前から見に行きたいと思っていました。タケオオツクツクはその名のとおり竹に産卵し、中国製の輸入竹箒に卵がついて広がったと言われています。
タケオオツクツクの抜け殻
タケオオツクツクの出現時期には遅かったのですが、お盆に川口市の赤山城址という所へ行きました。行った時は、まだ明るかったですが既に鳴いていました。ヒグラシと同じく日暮れ前の数時間よく鳴きます。
城址では、タケオオツクツクのためではなく、竹林が保全されていました。竹林の周辺は、土塁や桜、畑、外環道に囲まれていました。整備されていると同時に自然も残る場所でした。
赤山城址近くの竹藪
看板を見て驚いたのは、赤山城址は、玉川上水の水道奉行だった伊奈氏が治めていた場所だったということでした。河川や新田の開発、富士山噴火被災地の復旧など、ありとあらゆる事業に携わった一族だそうです。
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