玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します。

中間報告 11.27-11.30

2021-11-30 20:58:32 | 最近の動き

 

 

玉川上水を歩くことはそれほど多くありませんが、横の道路はほぼ毎日自転車で通っています。四季の変化を知ることができる貴重な場で、気持ちがほっとする場です。

 

10月3日に玉川上水駅から小金井公園辺りまで上水沿いを歩きました。玉川上水駅近くで長年この地に住んでいらっしゃるという方と話し、今年ほど樹木まわりの虫の発生が多い年はないこと、しかし木が切られるのは嫌である、ということを伺いました。赤いテープが巻かれた大木らは、素人には虫食いによるダメージがある様には見えず、恐れるべきもの(事故や管理責任かと)と、自然と時間が培ってきた、人には作れないかけがえの無い守るべきものなどを見失っているようで悲しい気持ちになりました。上水まわりの樹木は、風が通るよう互いに相談しながら生きているように見えます。自然の偉大さを考えさせられる場所、出会うことを警戒すべき生物も少なく(スズメバチが一番怖いでしょうか?)、老人も子供も自分のペースで近寄れる緑と水の世界が住宅地のすぐ傍にあるのは奇跡にさえ思えました。危険とされるスズメバチがいることで、ハチはどうやって仲間を呼ぶのか、緊急時に人任せでなく危険回避するにはどうしたらいいか、テリトリーとは何か・・・今の世の中が忘れかけている大事なことを、識者の方々、先人や自然から教われるきっかけの場所でもあると思いました。小金井市の辺りから変わる景色、うっそうとした笹などで流れも見えないのは残念でなりません。上水まわりの木を伐採するより、おそらくは人がきっかけで植生が変わってしまったこの辺りの改善に、長い時間をかけた取り組むことや、お金を使うことは難しいのだろうかと思いました。行政についても無関心ではいけないと戒めてくれる玉川上水でもあります。

玉川上水やそこに咲く桜の美しさは雑木林とともにあってこそだと思います。貴重な自然を残すやり方で管理していただきたいです。

 

玉川上水の近辺に移住してきてからその恵みに長い間意識的に気付かずに残念に思ってます。地域の住民が意識して守っていかなければ、危うい事になって行きます。

人だけのためでなく生物多様性のために守るべき生態系だと思っています。

 

 

玉川上水は人が作った水路だと理解しています。今や貴重な自然環境を形成する場となっており「桜のために」という名目で皆伐されたことには大きなショックを受けました。しかし、何もしないで放っておいてよいというものでもないと思っています。人が適切な維持管理をしていくべき場所だと思っています(里山的な)。その維持管理はどのようにしていくべきかは関係者や地域の人たちが皆で考えていかなくてはならないのではないかと思います。

 

玉川上水は過去には桜で知られているからといえども、今そしてこれからの世代には武蔵野の風土に伝わる様々な樹木と多様な生きものを育む環境、生態系であることが望ましい。

 

玉川上水のほとりを歩くと緑豊かで昆虫や野鳥や野草の花々を楽しむことが出ます。涼やかな水音に心も癒されます。一度失ってしまえばもとには戻せません。次世代に残せる管理をみんなで協力し合っていくことが必要と思います。

 

文京区でのNPO活動で水道歴史館に見学にずいぶん行きました。そこでは玉川上水を作った玉川兄弟の話はよく勉強し、江戸時代の水道のすばらしいしくみとか、玉川上水の一部が水戸藩の上屋敷の庭園「小石川後楽園」につながっていた話など興味深く知りましたが、今日高田付き先生からの情報で、私たちの記憶が江戸時代でバッサリ切れ、そこから戦後にはつながっていなかったことがわかりました。あくまで過去のものとしてみていたのですね。ただ、思い出すと5~6年前仕事である環境調査の下調べで玉川上水駅付近を歩きましたが、たいへん自然が残っていて驚いた覚えがあります。

 

玉川上水もその土堤の樹木も300年ほど前に人工的に作られた物だと思えば、今後将来にむけて100年単位の長期計画を立てて、新しい自然を作り上げていく発想が欲しいです。現状維持に固執する必要ないのでは。

 

喜平橋-小桜橋間は水路が見えないくら樹木が茂り、その上、クズのつるが巻きついて玉川上水の景観が失われています。つる性植物も大事にして欲しいが、巻きつかれた樹木と周りの下草も大切にして欲しいです。大変勉強になりました。

 

ケヤキもヤマザクラもある翠豊かな玉川上水になって欲しいです。自然保護の思いが日本中、後退しているような木が咲いています。応援しています。

 

玉川上水が江戸市民に果たした役割。城塁としてまた、短期間水路としての歴史を大切にしたい。

 

玉川上水は足にもやさしい土の道で、夏でも木が茂っているので涼しく歩くのが楽しみです。様々な樹木があるので、鳥もいろいろ飛んできて、歩くのがとても楽しいです。この大事な環境を大事にして行かなくてはいけないと思います。

 

毎朝体操に行く時歩きます。井の頭公園の体操場の美しさとともに浄水の緑道、流れに接することができて幸せに感謝しています。両側の樹木の伐採、法面の手当てなどが専門家の意見を聞き、法面工事の方法も研究していただきたいです。植物のことに詳しい人たちが管理をするのが良いと思います。

 

伐採された区間は長年散歩、ジョギングコースでしたが、夏の緑陰にはいつも癒されていました。それがなくなり、大変残念です。伐採の日方も無残な物で怒りさえ覚えます。

2021ねn 111gつ17にち、武蔵野玉川上水緑の会名で207名の伐採計画中止要望署名を東京と水道局に提出し、水道局の担当者に要望を聞いてもらいました。ばっさは原則思いとどまるとの回答を得ました。こpんごとも樹林保全を要望していきます。

 

桜ばかり大切にされ、他の樹木が皆伐されてしまい悲しいです。桜に罪はないですが、桜を恨めしく感じてしまいます。多様な生物、植生、自然な佇まいの玉川上水を望みます。

 

1)多様な意見をどう調整するか、2)市や都の誰と話をすべきかは大きな問題だと思います。

柵の内側は水道局の管理で、環境局が関与しないのは時代に合わない体制だと思う。高槻先生がおっしゃるように、市民の声が届かない問題の根っこに、行政の縦割りがあると思う。今できることは多様面に声を届けることだと思います。

 

小平に火の粉が飛ばないうちになんとかしないといけない。市議に働きかけないといけない。小平も雑木林に道路を通す計画がある。危険である。

 

1978年に井の頭に引っ越してきました。2年後の1980年「玉川上水の環境を守会」を結成し、21年間空堀であった通水のための運動をしました。各地で環境が破壊されそうになるたびに反対運動を行いました。現在の問題としては境浄水場は管理者としては不適切と思われます。対策を考える必要があると思います。

 

草刈り。水面が見えるように。

 

知りたかったことを理路整然とお話しいただきありがとうございました。教育委員会のトップである教育長は「小金井桜の会」の強力なプッシュで会に入会されています。教育長に直接この会議の内容をぜひ知っていただきたいです。このような事実は教育長は知るチャンスがない。市長から皆伐を勧められているのかもしれない。しかし市長とは権力が分散さえているはずであるから、説明し、知って貰えば、わかってもらえるのではないでしょうか。

 

小平の中央公園辺りは緑が深く、素晴らしい

 

玉川上水沿いの緑地を保存することに賛成します。ただし、もう少し剪定や一部伐採などの手入れが必要だと考えています。特に鳥が運ぶ種でたくさん生えている棕櫚ややつでなどは除去した方がよいかと。あまりに繁茂しすぎて上水の法面が崩壊してしまうのではと懸念しています。さらに言えばもう少し流れる水量も増やすことはできないのかと思います。

 

通勤のため福生市から武蔵野・三鷹方面にかけてよく電動アシスト自転車で玉川上水を通るが、小金井公園付近の惨状は見るに堪えないものがある。福生市内はご承知のように多摩川源水通水区間であるが、生い茂る水草はことごとく皆伐され、鯉に餌を与えるなという水道局の掲示が出た途端、一匹も姿を見なくなった。小平監視所以東の下水処理水通水区間は、もはや上水道として機能していないことから、管理を水道局から地元自治体等に置き換える必要があると思う。

貴重な玉川上水と緑地雑木林、守っていただきたいです

 

 

玉川上水緑道は私にとって無くてはならないものです。季節の移ろい、そこに住む野生動物を見かける度に玉川上水は単に水を通している水道ではなく、木々やその元に息づく草木そこに集まる鳥たち、魚たちなどからなる生命体のように感じています。この自然体系が壊されることなく守られることを切に望みます。

 

一見、緑豊かな所と思っていましたが、少なくなっているとは知りませんでした。動植物保護保全への周知もさらに必要かも知れませんね。

 

是非、今以上に自然を失いたくないと思います。季節ごと川べりを歩くのをとても楽しみにしたいます。いつか取水口から全部歩いてみたいと思っています。野鳥観察にも絶対必要だと思います。

 

玉川上水の目の前に住んでいますが、多くの木々が伐採されて殺風景になりとても残念です。台風などでサクラ以外の木々が倒れているなどの理由があったために伐採したようですが、高校3年間玉川上水を毎日通って通過しましたが、大きな台風の後に倒れていたのは桜の古木ばかりでした。また、桜以外の木々が伐採されてから玉川上水の歩道の乾燥が進み、特に春先は土埃がひどくなったようにも感じます。玉川上水の桜並木で多くの人が四季の移ろいを楽しんできたと思います。以前は桜以外の木々もあり、より季節の移ろいをダイナミックに感じることができましたが、それらが伐採されたいま、そういった四季の移ろいを感じる風情も半減、いやそれ以上に減ってしまったように感じます。


武蔵野市議より

2021-11-30 10:13:17 | 最近の動き

令和3年11月17日

東京都水道局様

 

玉川上水の保全・樹木等の伐採・剪定への要望書

 

武蔵野市議会議員       

山本ひとみ、西園寺みきこ

川名ゆうじ、蔵野恵美子  

 

日頃より玉川上水の保全、景観維持へのご努力に感謝申しあげます。

さて、武蔵野市内の玉川上水(武蔵野市桜堤・境)に「管理作業のお知らせ」が掲示され、樹木の伐採・剪定についての説明会が開催されました。説明会の冒頭では、地元の皆さんと手を携えて管理したい旨のご発言がありましたが、説明会の参加者や周辺住民、環境の関心のある方々との意見とは調整が尽くされていないとの印象を持ちました。

 また、武蔵野市の最上位計画であります武蔵野市第六期計画に「玉川上水、千川上水、仙川などの水辺と街路樹でつなぐことで厚みのある緑と水のネットワークの形成を推進していく」と記載していることや武蔵野市緑化に関する指導要綱があり、河川を含めて緑化を推進するとしており、玉川上水の樹木の伐採・剪定と武蔵野市の緑化保全との関係性についても私たちは関心を持っています。

 よって、武蔵野市内における玉川上水の樹木等の伐採・剪定等の作業を実施するまえに、以下に配慮し、善処されるようお願いいたします。

 

 

  1. 周辺住民、環境保護団体、市等と伐採・剪定方針、実施時期、内容等の情報共有と十分な意見交換をすること。
  2. 生物多様性、希少種の保護等環境に配慮すること。

以上

 


玉川上水における野鳥群集と樹林管理

2021-11-29 19:22:11 | 調査報告

 これまでにも「玉川上水の林が伐採されると生物多様性に悪影響がある」と言われてきました。それは端的に樹木が減れば生育する樹木の種類が減るという意味であるのが普通でした。しかし、花マップネットワークが調べた結果、林の下に咲く野草には、上木がなくなると生きていけないものがあるという、伐採の間接的な影響があることがわかりました。いきもの会議には野鳥に詳しい人もいるので、次の段階として野鳥に及ぼす伐採の影響を調べることにしました。同時に樹木の調査もしました。それらのデータを解析したところ、樹林の伐採が野鳥にも決定的ともいえるマイナスの影響を与えることがわかりました。以下はその要旨です。これこそが伐採が及ぼす生物多様性への悪影響の代表的な事例だと思います。(高槻)

玉川上水における野鳥群集と樹林管理(詳細は こちら

高槻成紀・鈴木浩克・大塚惠子・大出水幹男・大石征夫・尾川直子

 

 玉川上水は東京を東西に流れる運河であり、現在は細長い樹林地となっており、野鳥の生息地ともなっている。ここでは場所ごとに異なる樹林管理がされているので、小平、小金井、三鷹、杉並の4カ所で鳥類群集を調べたところ、違いが認められた。小平では樹林幅が広く、コナラなどの大径木が多く、鳥類群集も森林性の種が多く、多様性も高かった。三鷹ではシラカシなどの常緑樹が多く、周辺に井の頭公園の樹林が連続的に広がっているため、鳥類群集が最も多様であった。杉並はサクラ類の大径木が多く、樹木組成は比較的良好であったが、上水の両側に交通量の多い道路があるため、上記2カ所よりも鳥類群集がやや貧弱であった。小金井ではサクラ類以外の樹木を皆伐したために樹林は多様性に極めて乏しく、鳥類群集も非常に貧弱であった。季節変化もこのことを反映していたが、9月には多様度の高い場所でも減少して、違いがなくなったが、秋には再びそれ以前の状態に戻った。これはヒヨドリなどが漂鳥として移動するためだと考えられた。本調査により、東京に残された貴重な緑地である玉川上水が野鳥の生息地としても貴重であること、しかし過度の伐採をすると鳥類の生息地として劣悪になることが示された。

主要3種の個体数の季節変化

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調査には以下の方の協力をいただきました。これらの方々にお礼申し上げます。菊地香帆、黒木由里子、高橋 健、田中 操、永添景子、松井尚子、水口和恵、リー智子

 


要旨(鈴木)

2021-11-29 09:45:26 | 最近の動き

玉川上水が残された経緯と市民運動〜資料から読み取る保存の意思〜

鈴木浩克(井の頭自然の会 代表)

 

 玉川上水の小金井部分では桜並木復活のために他の樹木が伐採されているが、その管理が妥当であるかを検証した。

 昭和40年、水道水路としての役割を終えた玉川上水には道路化計画などが持ち上がり、一部着工もさたが、昭和46年に、玉川上水を守る会が出していた請願が採択され、昭和47年に道路計画の撤廃を宣言した。

次に地下に水道管を通して埋め立てて遊歩道にする案が提案されたが、これも廃案になった。

 昭和51年に、玉川上水を国の史跡に指定し「岸辺の雑木林ともども永久保存する」ことを国と都が合意した。しかし玉川上水の所有権争いとなった。昭和 61 年には清流復活、平成9年には『景観基本軸』指定、平成11年には『歴史環境保全地域』指定と続くが、いずれも自然を尊重していた。

 平成15年、国と都の合意の27年後に所有権争いは決着し、玉川上水は東京都とのものとなり、『史跡玉川上水保存管理計画』、『史跡 玉川上水整備活用計画』が策定されたが、ここでは自然保護の考えが実質削除された。

 これは「自然保護を重視する数多くの団体の市民運動の成果で玉川上水は残 されたのに、残された玉川上水の価値はサクラ保存の団体が一人占めしている状態」にあると言える。現在の市民も「玉川上水はサクラだけにするべき」と考える者は少なく、大多数が「サクラと他の樹木を共存させるべき」と考えている。現在はあらゆる多様性を重視し、共存共栄を目指す時代になっている。サクラだけになった玉川上水を歓迎しているのはごく少数の名勝小金井桜の会の方々だけであり、小金井市民全体の考えとは思えない。

 発表ではその背景などについて考えたい。