玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します。

最近の動き

2022-10-06 06:47:51 | 日記
2022.10.4 水道局の説明会に参加(高槻)。こちら
2022.10.3 玉川上水の柵設置についての要望書(こちら)を提出しました。
2022.10.3  緑地事務所職員と新しい柵の現地視察会を行いました。こちら
2022.7.9 三鷹市区域の玉川上水整備に関する説明会 報告(鈴木)こちら
2022.7.9 史跡玉川上水整備活用のための作業説明会(大塚)こちら
2022.5.18 玉川上水の新しい柵について東京新聞が取り上げました。こちら
2022.5.15  新しい柵についてのアンケートを実施しました。こちら
2022.5.9 「玉川上水の樹林の有無と土壌流失について」をまとめました。こちら
2022.5.5 アンケートが冊子になりました。こちら
2022.5.1 小平の新しい柵を見る観察会を行いました。こちら
2022.4.26 本会が実施した玉川上水についてのアンケートがまとまりました。こちら
2022.4.7 高槻がアサココに「玉川上水の野草たち」と言うシリーズをはじめました。こちら
2022.1.31 『玉川上水の野鳥と緑地』パンフができました。こちら

水道局による説明会 井の頭コミュニティセンター(高槻)

2022-10-05 23:53:27 | 最近の動き
2022年10月4日に井の頭コミュニティーセンターで水道局による説明会があり、そこに参加したので私の感想を報告しておきます(高槻)。


 20人ほどの市民参加があり、会場はほぼ満席でした。水道局境浄水場課長代理の加藤さんが説明をし、井の頭の下流の2カ所で崩れがあるのでこれを防止するための工事をするということで、その必然があることの説明でした。私はそれを聞きながら、次のことを考えました。

1)該当場所に工事の必要があるのはわかるが、なぜそれ以外の場所が必要がないと言えるのかがわからない。
2)当該の2カ所でも一方は崩壊が起きているが、もう1カ所は崩れはあまりなく、むしろ斜面下方で体積があるという違いがある。なぜそういう違いがあるのか。
3)3本の樹木を伐採するとしているが伐採は崩れを促進するから不適切である。
4)植生シートに種子が入っているというが、これは外来種であり、望ましくない。
5)同じような説明にだらだらと時間をかけすぎる。

 説明が終わった時すでに7時15分で、残り時間が15分しかありませんでした。質疑に入り、鈴木さんが発言しました。鈴木さんは私が感じた2)の問題を突き、崩れの状態が場所によって違うので、その違いが生じる原因を解明しなければ解決できない、今行っているのは表面的なことであり、これまでの整備計画で「崩れを抑止するには樹木を伐採するのがよい」としてきたことを検証する必要があるという発言をし、会場から拍手が湧きました。また、土壌流失について多くの場所で調査をした上で工事箇所を決めるべきだということも言いました。一方、鈴木さんは説明会が7月についで今回も行われたこと(こちら)を評価し、自分たちはなんでも反対しているのではなく、良い玉川上水にするために発言をしているのであって、多くの意見を聞いて欲しいという発言もして、これにも拍手がありました。

 私も発言を求め、3)と4)について説明しました。3)についてはたまたま先週、朝日新聞に連載されていた「山が崩れる」の記事を取り上げ、水道局にこれを読んだかと聞きましたが、読んでいないということでした。そこには日本の林学、砂防学では、樹木が伐採されれば土砂崩れが起きるというのは常識であり、1本の木があるだけで葉が雨を受け取り、根が給水して蒸散させる、また下草や落ち葉さえも雨滴が土壌を叩くのを防いで表土流失を防ぐことが書いてあります。そういうことも知らないで、崩れたから工事のために樹木を伐採するというのは、不適切なことです。加藤氏は「よく勉強させてもらいます」という返事でした。3)については外来種ではなく日本の植物だということでしたが、それでも「国内外来種」であり、問題であることに間違いはありません。これについては植物を検討するという返事でした。

 次に田村さんという建築士で土木工事の専門家が発言され、松影橋で起きているのは伐採によって保定力を失い、表面浸食だけでなく表層崩壊(地すべり)が起きている、危険な状態にあり、崩れれば水を止めることになる、伐採して何年経過したのかと聞きました。8年くらいという返事があり、田村さんはその間放置して崩壊するような状態にしたのは問題であり、崩壊が起きたら誰が責任を取るのかと、強い調子で迫りました。これに対する返事はなかったと思います。このことは鈴木さんの質問や私の1) とも関係し、全体を広く見て状況を把握した上で工事の必要どの優先順位を決めるというステップを踏まないで、我々にはわからない基準で2カ所が取り上げられ、その場所の説明だけされており、いびつな状況だと思います。この後有賀先生が植生シートは実験をしたのかなどの質問をし、これには別の場所で実績があるという返事がありました。

 この辺りですでに7時半になり、水道局は打ち切りたいようでしたが、フランシス・コーザさんが会場にきた多くの人の意見を聞くべきだと発言し、自身で次のような発言をしました。玉川上水の樹木は伐採しすぎている、樹木伐採は地球温暖化などにも悪影響があり、むしろ木を植えるべきであり、我々の税金を使って伐採をするのは税金の無駄使いだと言いましたが、この発言中に、「自分の考えだけが正しいようなことを言うな、私は玉川上水の近くに住んでいて木が伸びすぎて困っている。自分の庭にある木は切るはずで、木は切らないといけない」という発言があり、私はその発言自体に驚くとともに、会場には樹木保護だけでなく伐採推進派も来ていることにも驚きました。この会は地元の人向けの説明をするものであるかもしれませんが、私は玉川上水全体の問題の一つと位置づけて参加しました。また水道局の考え方を知りたいという気持ちと、会場での意見交換を見たいとも思って参加しました。地元の人からすれば、外から来て勝手なことを言うなという気持ちもあったかもしれません。しかし、玉川上水を良い状態で次世代に引き継ぐという大きい目的は都民全体のことであり、都市の緑をどう守るかという普遍的な問題でもあります。いずれにしても伐採推進派を含む多様な意見を持つ人が参加した集まりであれば、なおさら十分な時間をとって納得できる意見交換がして欲しかったと思いました。

 有賀先生の奥様が、玉川上水の歴史的背景を知ることの重要性を話されました。自分は40年以上、玉川上水の近くに住んでおり、ずっと見てきた。松影橋は名前の通り、松がたくさんあったが、ある人の要望で伐採されてしまった。そういうこれまでの歴史も考えて管理の仕方を考えなければいけないという内容でした。
 時間がなくなったのでここで強引に打ち切られましたが、このような本質的な発言も担当者にはどれだけ伝わっただろうかと思いました。そういうことよりも、現場の具体的な作業で頭が一杯で、歴史的経緯までは思いが及ばないという印象です。このことは水道局だけでは無理で、東京都の玉川上水に関わる部局が縦断的に取り組まなければ実現しないように思いました。


玉川上水の柵設置についての要望書

2022-10-03 16:58:12 | 資料
 2022年10月3日
玉川上水の柵設置についての要望書
東京都西部公園緑地事務所様

1. この要望書は玉川上水の小平市部分に設置された柵(写真1、本要望書ではこれを「黒柵」と仮称します)があまりにも景観的になじまず、威圧感があり、貴重な玉川上水の自然と市民の関係にとって問題が大きすぎるため、今後さらに増設することを見直してもらいたく、市民の声をまとめたものです。
2. いうまでもなく東京都は行政に都民の声を反映することを行政の基本精神としています。玉川上水の管理においてもこのことが大前提であると理解しています。
3. 東京都は「生物多様性基本法」に基づき、東京都の生物多様性の保全と持続可能な利用を重視してきました。そこには大都市ゆえの自然環境の劣化、人と自然の関係の希薄化、自然の価値・魅力の認識不足という背景があります(東京都環境局の「生物多様性地域戦略の改定に向けて」)。玉川上水は東京の都心部を流れる連続的水路・緑地として格別価値の高いもので、膨大な人数の都民に親しまれています。したがって、その自然を良い状態で次世代に引き継ぐことは我々の重大な責務です。
4. 2009年(平成21年8月)に策定された「史跡玉川上水整備活用計画」は基本的な考え方として、1)玉川上水を見せる 、2)玉川上水への理解を深める 、3)より多くの人に親しんでもらうことをあげています。しかし「黒柵」はこのすべてに全く反します。これを実際に見た小平市民は「これは柵ではなくて壁だ」、「これでは玉川上水の景観が台なしだ」、「玉川上水の植物を見ようにもこれでは見えない」、「市民が玉川上水に親しめない」、「自然観察をしてきたが、これでは観察がしにくく、市民に理解を深めてもらえなくなる」などの意見が噴出しています。
5.「玉川上水整備活用計画策定についての提言」のうち、「管理施設(フェンス)のデザインの規格化」には次の記述があります。「規格化に当たっては、フェンスの機能や景観との調和に加え、保安施設としての強度・耐久性、部材・製品の調達の容易さ(汎用性)をも考慮すべきである」。ここでは、景観との調和が最重要であるが、それだけでなく保安機能も重要であることと、具体的な材質にも言及しています。私たちも市民が玉川上水に転落するなどの事故は未然に防ぐことは不可欠だと考えます。景観を重視することと安全性はときにバランスの問題が生じ、そのバランスは玉川上水の場所によっても違いがあります。この「提言」にも「フェンスの外側の土地の利用状況(周辺環境)等はさまざまであり、それぞれフェンスが果たすべき役割や求められるデザインが異なる」とあります。実際、小平監視所よりも上流では水管理が特に重要であり、柵も高さ2メートル以上ありますが、小平地区では多くの場所で高さ1メートル程度となっています。小平市の小平監視所から小川水衛所までの間は樹木も豊かであり、状態の良い自然があるため、多くの市民が散策をする箇所です。
6. 以上の背景に基づき、以下に私たちの疑問と要望を記します。
1)崩落タイプ類型と柵の形状
①鷹の橋~久右衛門橋間
「玉川上水整備活用計画」9ページの図2は、中流域における法面の崩落タイプを「オーバーハング状」「直壁状」「傾斜状」「その他」に分類しています。一方、同計画の28ページでは、玉川上水のフェンスの高さについて、「公園施設設計施工基準」に準拠し、法面の状況に応じて、オーバーハング状又は直壁状法面の箇所には転落防止柵(高さ110㎝)とする、としています。「玉川上水整備活用計画」9ページの図2では、鷹の橋~松影橋間は、オーバーハング状でも直壁状でもない「その他」区間とされています。「その他」区間に該当する鷹の橋~久右衛門橋間は、転落防止ではなく立入防止柵としてください。
②新小川橋~鷹の橋間
この区間はオーバーハング状であり、西部公園緑地事務所は、危険であるために転落防止柵が必要としていますが、他の場所と比較して、特に危険であるとする理由が不明です。どういう危険性があるのかを明確にしてください。特に危険と言えなければ新設する根拠は弱いはずです。
また、区間を他の区間に優先させて柵を新設する理由も不明なので説明してください。例えば、幸橋~新橋左岸の柵は傾いており、「柵が傾いています。通行注意」の掲示があります。このような区間の方が優先度は高いのは理解できますが、水道局は、2022年7月14日の整備作業説明会で、新小川橋~鷹の橋の区間に計画したのは柵が古いからだろうと説明していましたが、その根拠は不明です。説明を求めます。
2)計画されている柵の形状などについて
小平監視所~西中島橋の左岸に新設された「黒柵」は非常に威圧感があり、整備活用計画の重要なポイントである玉川上水を市民に親しんでもらうという趣旨に真っ向から反しています。具体的には「黒柵」は縦棒が太く、その感覚が狭いため、斜めからみると柵全体が真っ黒に見えるため、強い威圧感があり、景観に馴染みません。自然観察をするものからすると、柵の向こう側が見えにくく、植物などが見にくいです。もし新設の必要があるなら、最重要である景観とのバランスがある別の形状のものにしてください。例えば兵庫橋~岩崎橋の左岸に設置されている太い横柵が3本並び、真ん中と一番下の横柵の間の裏に6㎝×10㎝の金属製網が設置されているタイプ(写真2)であれば、安全性も十分で、威圧感は小さく、向こう側をみることができるので、整備活用計画にかなり沿ったものになるし、安全上も問題がないと思われます。

7. 結語
開かれた行政として市民の声を聞いていただけることに感謝します。我々は必要な設置には反対するつもりはないのですが、現状では必要性に疑問があること、小平監視所~西中島橋に新しく設置された威圧感のある柵を延長することだけは受け入れがたく、この点を見直していただくことを強く要望します。

共同代表
リー智子・高槻成紀

付記:柵の下の部分の雨水止めようなものは、生物の往来の妨げになる可能性がないか、生物への影響も十分に考慮して検討してください。


緑地事務所職員と現地視察会

2022-10-03 15:04:21 | 最近の動き

記念撮影

2022年10月3日、懸案である「黒柵」の現地視察会をしました。黒柵とは小平監視所下流に新しく設置された柵で、高さ1.1メートル、縦棒の間隔が11 cmで、その棒が直径5 cmほどの太いものなので、強い威圧感があり、斜めから見ると黒い塀があるように見えます。


 しかもこの黒柵が鷹の台の方にも延長される計画があると聞いたので、それはなんとしても思い直してもらいたいということで、これまで二度、担当の建設局の東京都西部公園緑地事務所に出向いて我々の考えを伝えました。一度目は管理計画に従った計画であり、変更するつもりはないという対応でしたが、二度目は大きく変わり、市民の意見を聞きながら進めたいという対応になりました。
 その後、小平市議の水口さんが働きかけて一緒に現地を見てもらおうということになり、現地視察会が実現しました。これと並行して要望書を書きました(こちら)。これは水口さんも一緒に作ったのですが、市議の立場で出すよりも市民の意見として出した方がいいということになり、玉川上水みどりといきもの会議と「ちむくい」で出すこととし、今日緑地事務所に手渡しました。

 さて、10時に玉川上水駅に10人ほど*が集合し、そこから下流に向かって歩きました。この辺りは上水の幅も広く、水量も多くて、印象が違います。太いアカマツやナラ枯れのコナラがあったので、この辺りには数は多くないが太いアカマツがあり、樹齢は相当高そうだこと、ナラ枯れは太い樹木に偏っていることなどを話しました。

小平監視所の少し上流で説明をする

 小平監視所を脇に見ながら「清流復活の碑」のところまでいき、そこを降りて、玉川上水の下まで行きました。松山さんにここから下流は処理水である説明をしてもらいました。CODが5程度で、水質も良いそうです。ここで記念撮影をしました(冒頭写真)。

*参加者 
永田課長、わたなべ、松浦(以上東京都建設局西部公園緑地事務所);大塚、尾川、小口、加藤、岸、澤口、高槻、辻、長峰、松山、水口、リー

 歩道に戻るとすぐに黒柵が見え、しばらく歩いたところで意見交換をすることにしました。


続く黒柵、撮影加藤嘉六

 初めに、花マップの冊子、いきもの会議で作った鳥類調査の報告パンフレットと、玉川上水のアンケート冊子を永田課長に手渡しました。

野鳥調査の結果を説明する高槻(中央)、撮影加藤嘉六

 ここで水口さんが要望書を手渡しました。

要望書を手渡す水口さん(左)と受け取る永田課長(撮影加藤嘉六)

 私から、「この柵には強い違和感がある、玉川上水駅のあたりから上流にはこれより高い柵があり、安全上の問題はないし、縦棒が細いので視界の閉鎖もない。それに比べるとこの黒柵は威圧感があり、我々と中の植物の間を隔離するような印象がある。このあたりは玉川上水全体の中でも緑が豊かで歩く人も多いので、これを延長しないで欲しいという思いが強く、そのために現地視察会をすることになった」という説明をしました。その後、皆さんから次のような意見がありました。

大塚さん:杉並区は横柵で、自然と親しみやすいが、三鷹市上流は縦柵が多い。縦柵は外来種を取りにくく、外来種が増えている。悲しい思いをしている。親しめない。

大塚さん(中央)

リーさん:こういう高い柵では子供が中を覗けなくなる。


リーさん(中央)撮影、加藤嘉六

岸さん:小平4小の子供に玉川上水で歴史や自然の教育をしているが、こういう柵ができると子供の目に入らず、自然との距離ができてよくない。

岸さん(右)撮影、加藤嘉六

澤口さん:近所に住んでいるが、この柵は柵というより塀のように感じ、気持ちが暗くなる。
長峰さん:花マップでこの区画を分担しているが、この柵ができてから中を覗く気がしなくなった。

長峰さん(右)

 これらは自然観察とその子供むけの教育にとって黒柵が適していないという意見でした。私が黒柵と玉川上水駅上流の柵との単価を聞いたら、黒柵の方が高い(詳細は不明)ということであった。その後、リーさんから泥の跳ね返りがあって見栄えが良くないという意見がありました(「続く黒柵」の写真参照)。
 それから鷹取さんから意見がありました。鷹取さんは長年玉川上水を見てこられ、半世紀前は木などあまりなかったが、それが今日まで大きく変化した。東京都にはこの緑地をどのようなものにするかのビジョンを示してほしいという意見がありました。また現在の歩道も、以前は畑で分断されるので、歩く人は大きく迂回しないといけなかったこと、上水に水がない時代があり、お子さんが玉川上水の底に降りたという話、1975年の条例によって保存樹林とされた樹林が小平には32カ所あったが、今は20カ所しか残っていないなどの話も聞きました。

鷹取さん(中央)(撮影、加藤嘉六)

 予定の時間になったので、玉川上水駅に戻ることにしました。そこから小川で乗り換えて鷹の台駅に行き、そこから鷹の橋を渡って東鷹の橋から下流を歩きました。この辺りは最も林の状態が良いところで、低木類(シラカシなど常緑樹の低木やムラサキシキブなどの落葉低木)が豊富であるため、鳥類にとってもすみ良い林であることなどを話しました。またこの辺りは去年、今年でかなりのコナラがナラ枯れになったので、その話もしました。

 最後に緑地事務所の永田課長から以下の見解を聞きました。
1)皆さんの意見を聞いて、このあたりの玉川上水では自然観察活動が盛んに行われており、あのような柵はその妨げになることの認識を持った。
2)柵の高さについては、安全性だけでなく景観を考慮しないといけないと考えている。安全性ということでは計画書にある考え方から高さ1.1メートルなどは順守することになる。ただし柵の形状などは景観にも配慮したい。この辺りでは「平場」が広いが、だから柵が低くても良いことにはならないと考える。
3)柵内作業のための門扉については水道局は不要という考えなので、もし必要であるというのであれば水道局に要望してほしい。
4)東京都の縦割りの問題は認識しているが、現状整備計画に基づいている。
5)黒柵の延長を後倒し(今年度は行わないことにした)にしたことについて。水道局との話し合いの中で、考え方や具体的な場所の状況などについて検討すべきことがあること、またみなさま市民の声も考慮して、急いで今年度は実施すべきでないと考え、今年度は実施しないことにした。

説明する永田課長

4)については高槻が、計画は10年で終わったので、税金を使って実施したのであれば、終了時点で評価した上で、継続なり修正なりするのが常識であり、評価なしにずるずると継続するのはあり得ないと発言した。しかし建設局としては、水道局が継続しているので、それに従うしかないという意見でした。
 またどのような柵にするかは今後検討し、市民の意見を聞くつもりだが、その場合に皆さんの望むものと違うものになる可能性もありうるが良いかという確認がありました。高槻は民主的であればそれで良いと返事しましたが、尾川さんは、「この過程の中で決まるならいいか」と言われたが、どういう情報提供をして、誰にどういうふうに意見を聞くかによって、プロセス自体の意味が異なるので、そのままいいとは言えないと発言しました。リーさんはアンケートをする場合、写真を見せるだけではわからないこともあるので、現地を見るなどの必要があると発言しました。最終的には、「アンケートは質問の仕方によって回答も違うから、客観性を持たせてほしい。その場合、これまでのように建設局だから安全性を優先するというのではなく、市民にとっては安全性だけでなく、自然を大切にしたいという声が多いのだから、景観や生物多様性も含めて総合的に判断してほしい」ことを伝えました。
 辻さんは「歩道を挟んで玉川上水の方には柵があるが、用水の方には何もない(これについては用水は小平市が管理しているので違いがあるということでした)。しばらく前までは私たちが意見を言っても、とりつく島がないという感じだったが、こうして現地に来て、意見を聞いてもらえるなんて思ってもいなかったので、大変ありがたい」という発言をしました。

 最後に私が次のように言いました。「私もこれまで行政に働きかけても、聞く耳は持たず、<たくさんの声があるから皆さんの意見もその一つで、決めるのは私たちです>というような姿勢をとられてきて失望することが多かった。それが今回、このような形で現地視察が実現したことは驚きでもあり、喜びでもあります。我々にとっては玉川上水がどうなるかは東京都に期待するのであって、その中がいくつもの局に分かれていて、この問題はウチの担当ではないと言われても困るので、ぜひ都民の声を聞いて総合的な考えでどうすべきかを考えてほしいと思います」

説明する高槻(右)(撮影、加藤嘉六)

 そしてお礼を言って解散にしました。

写真公開は了解を得ています。加藤さん撮影の写真を使わせてもらいました。内容の一部は尾川さんのメモで確認、修正させてもらいました。